オヤジのおもちゃ箱(スケール1:1)

「お金は無いけど、暇は有る」万年少年オヤジの車・バイクのプチ改造や昔の思い出、趣味などを綴ったページです。

MB R107 イグナイターの分解

2009年01月03日 | 

 昨年の12月にベンツSLのエンジン不動に成ってしまった原因である
 不良イグナイターを全くの興味から分解してみました。

   

 横約80mm、奥行き約100mm、高さ約50mm(突起部含まず)
 のちっこい箱なんですが、部品代¥111,800という代物。
 見てくれに比べてこんなに高価なパーツって、いったいどんなの?
 ・・・の乗りです。。。(^^;)

   

 4本のビスを外すと上の蓋があっけなく外せます。
 蓋の内側にダイキャスト型打ち時の86の刻印が有りました。
 ・・・86年製・・・かな?
 僕のSLは、88年式なので過去にイグナイターの交換が無かったとして
 大体いい年代でしょうか。。。

 基板左側には、セメント抵抗みたいなのが板バネで、ケースに
 押し付けられています。しかも保護のファイバーは焦げ後が・・・。
 ケースを放熱板としてるんですね。。。
 抵抗素子自身から相当な発熱が有るのでしょう。

   
   

 インターフェースコネクタ部分は、基板の端子に直ハンダ着け。
 それと、上の写真で基板中程に下から何やら出ている3本の端子、
 基板上方に やはり下から出ている配線が それぞれハンダ着けされています。
 これらを取らないと基板が外せないので、取っちゃいます。。。

   
   
   

 ハンダコテを熱して、ハンダを解かし取ります。

   

 こんな感じに外せました。
 ところで、基板の固定ビス部分はケースへアースを取って居ますね。
 また、ケース本体を観てみるとコネクターとケース間で線材で結線されて居ます。
 ケースボディが(-)アース接続となっています。
 
 これ、結構重要なポイント。・・・ケース自体が(-)アースに繋がっている
 が大前提となります。具体的には、イグナイターの取り付け部分が
 アース接地されていなければなりません。
 つまり、車体への取り付け面でボディーアースされていなければ
 欲しい性能が発揮されないと言うことになります。
 イグニッションコイルの交換の時も少し触れましたが
 ボディ塗装面に取り付けられる場合、塗装をマスキング処理して
 鉄の地肌に直接取り付いていることが基本となります。
 ・・・しかしながら部分的に塗装を剥がして有るだけでは塗料との段差
 が出来てしまうので、接触面が確保出来ないケースが有ります。
 アーシング処理などは、この辺を補うものなんですね。。。
 僕のSLの場合は、イグナイターがちょいと厄介な所に取り付けて
 有るので、確認は出来ないのですが・・・(^^;)

   
   

 基板は、実装面にはデカイ トランジスタ(集積回路?)と在り来たりな
 電子部品が取り付いています。
 板は、表と裏のパターンが違っていて多分2層基板でしょう。
 実装部品のハンダ処理は、所謂 「手ハンダ」と言って 職工さんが
 一つ一つ部品を手挿入してハンダ着けしています。 ま、この時代で有れば
 フツーです。
 ハンダ処理は、後程出てくる部分以外では得に異常は有りません。

   
   

 ケース側です。
 マイラー紙(絶縁紙)の下に これまたデカイ部品が在りました。
 端子が3本出ていてシリコンで覆われています。
 且つ ケースにガッチリとカシメされて着いています。
 これ、一目見て 発熱する素子であることが判ります。・・・ケースを
 放熱板としているんですね。
 この状態から察するに レギュレーター(安定化電源)ではないかと
 思います。・・・あくまで僕の推測ですが・・・(^^;)
 エンジンからのタイミング信号と供給された電源をレギュレーターで安定化し
 トランジスタでそれぞれ処理されて、適正・安定な点火信号が
 イグニッションコイルに供給される・・・
 ・・・てな、感じではないでしょうか・・・・?(^^;)
 

   

 さて、基板の調査をしていたら こんなパーツが抜け落ちてしまいました。

   
   

 これ、先程のケース側に取り付けられている素子との接点(ジャンパー線)です。
 基板を外すために熱を加えたのですが、他の2本のジャンパー線は
 しっかり着いているのですけど こいつだけこんな状態に・・・(>_<)
 ハンダ不良(不十分)ではないかと疑っています。

 それと、コンデンサに注目~ (*^_^*)

   
   
   

 幾つか実装されているコンデンサーでシミの様な物が確認出来ると思います。
 これは、電解コンデンサーの液漏れの症状ですね。(>_<)
 ・・・こうなったら寿命です。

 電子部品で素子の寿命っていう観点では、内部での絶縁破壊か
 封入材料の変化、流出が主な原因なのですが
 前者は、一般的に2~30年以上はOKとされていて 最もヤバイのが
 封入材料の流出とされています。その代表格がコンデンサーなんですね。
 電子部品での寿命の急所は、電解コンデンサーで
 粗悪な物だと3~5年でアウト・・・なんて言う事も有ります。
 で、使用環境では温度に依存し 高温に弱い という事もあって
 電子パーツの不具合であれば、まずコンデンサーを疑って観るのが
 賢明と思います。
 車載時計などの動作NGは、コンデンサー交換だけで復活した
 なんて言う経験は、僕の場合いっぱい有り~ です。

 今回のイグナイター不良の原因は、僕の浅知恵の診断では コンデンサー
 の寿命と一部のハンダ不十分が原因ではないかとの結論です。

 金属板のジャンパー線を銅線に変更するのと
 コンデンサーを全部 新調して復活出来るか試してみたいのですが
 簡単に脱着出来る場所ではないのが残念ですね・・・。
 
 昨年夏に折角直したエアコン系をNGにするリスクは
 チョット負えないので・・・・ね。(-_-)