思惟石

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御手洗シリーズいくつか

2017-04-17 16:52:27 | 日記
島田荘司という作家の本を初めて読んだのは、
(毎度おなじみルートですが)
会社の本棚で拾った「ネジ式ザゼツキー」でした。
時は2008年。今から9年前ですね。
(と、読書メモにある。メモ便利!)

なんとなく手に取って読み始めたので、
ミステリなのか文学なのかエンタメなのか
ジャンルも良く知らないまま読み始めたのですが
面白く読んだ記憶があります。

ストーリーや作中にちらばる薀蓄も楽しかったですが、
とにかく長い作中作や、出番が少ない探偵などが、
なんというか、新鮮で、印象的でした。

その後、本格ミステリの大御所だと知り、
他の作品も読んでみようと思いつつ。
例のごとく、あっちにフラフラこっちにフラフラ。
次に読んだのはなんと5年後。
うーん、我ながら適当。

とはいえ、島田荘司を読もう!と思って
下調べをしてから本を手に取ったので、
準備は万全です。
名作の名高いデビュー作「占星術殺人事件」を読みましたよ。
タイトルとか表紙のデザインとかが
ちょっと時代を感じるなーってセンスなので
電車でカバーをかけて読みましたけどね、
面白かった!
すごい!
名作!

しかし!
私は、金田〇少年世代なのです…。
途中で気づいてしまったのです。
これが悪名高い、金〇一少年がまるパクリしたという
元ネタの名作だったのかと…。

とはいえね、トリックを知っていたとしても、名作でした。
そこが作品の魅力そのもの、というわけではないですし。
(〇田一許すまじ…!とは思いましたけど)

その後、時を開けずに御手洗シリーズの長編作品
「斜め屋敷の犯罪 改訂完全版 」と
「異邦の騎士」を読みました。

短編集も読んではいましたが、
長編の方が面白いなと。
御手洗は主人公の割に出番が少ないけれど、
それが丁度いいなと、思っています。

作者もどこかで
「天才型の探偵なので、登場した瞬間に話しが終わる」
的なことを言っていた記憶があり、
まったくもって同意した次第です。
(斜め屋敷のあとがきかだったかな)

そんな土台が私の中にあり、
今回、久しぶりに御手洗シリーズの長編を読んだ次第です。
先年映画化もされた「星籠(せいろ)の海」です。

それなりに面白かったですが、
なんというかね、
御手洗、出過ぎ!と。

久しぶりの長編だからでしょうか、ファンサービスか?
という日常のライトな会話が多く、
あなた、そういうキャラではないでしょうが。
ちょっと黙るか奇行に走るか舞台裏に引っ込むかしてなさい!
と言いたくなりました。

チャプター2が始まったときは、
正直、ちょっとホッとしましたよ。

読了後に調べて腑に落ちたのですが、
どうも映画化が前提にあった書き下ろしだったようです。

そりゃ、主人公をコンスタントに出さねば
タレント的にも興行的にも問題ですよね。
うん、納得。

いやいや、納得したのは事情だけですけどね。

村上水軍の話しは
和田竜「村上海賊の娘」で仕入れた知識が
理解するのに役立って、楽しめました。
比較するには畑違いな作品ですが、
歴史上のファクトとしての部分でね。

たくさん風呂敷広げて、ちゃんと回収する感じも良かったです。

とはいえ、私にとっての御手洗シリーズの印象を形成しているのは
「ネジ式」「占星術」「斜め屋敷」なわけで、
正直な読後感というと、
「そうだ、次は『アトポス』と『眩暈』を読もう!(予習済み)」
です。
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