思惟石

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『medium 霊媒探偵城塚翡翠』おもしろかった!

2021-09-17 15:28:49 | 日記
ミステリはもともと好きだったんですが、
昨今の「いま話題のミステリ」というものには
期待しなくなって久しいこの頃…。

なんとなくオチが見えるとか、
登場人物と会話がラノベっぽいとか、
無駄に美人ばっかり出てくるな、とか。
フツー程度におもしろいけど帯が煽りすぎ
(史上最高とか今世紀最大のとか、ボジョレーヌーヴォーか)とかね。

でも、読んじゃう。
ミステリ好きだから。

で。
『medium 霊媒探偵城塚翡翠』
相沢沙呼(あいざわさこ)

これはおもしろかった!

主人公がさ、すごく不安を煽るんですよ、私の。
お約束っぽい「とりあえず美少女」「しかも金持ち天然系」
「でも寂しさや闇を抱えていて理解者を求めている」
という。
半笑いしつつも、生温い寛容さを総動員して
「こういうキャラじゃないと売れない時代なのだよ」
とか思いながら読みました。

それだけではなかった!
良い意味で裏切った上で、
カウンターパンチまで喰らわせてくださった。
ありがたいね!

この作品、連作短編のように4つの事件が描かれているけれど、
ひとつの長編作品となっている4話構成モノ。
途中でぶん投げずに読み切っていただきたい。

もちろんぶん投げる必要などなく、
それぞれの事件が、ちゃんと読書時間を楽しめる物語だった。
が、
最後がやっぱり良かった。

さらにエピローグの、真ちゃんのセリフが良かった。
「まだおかわり出すの?!」って感じで良い。

現代ミステリ(というか「いま話題のミステリ」)を
舐めてました。

「このミス」や本格ミステリ大賞で1位を
獲っているのも凄いけれど、
第41回吉川英治文学新人賞候補ってのが、良いですね。
コメント
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