思惟石

懈怠石のパスワード忘れたので改めて開設しました。

『三体』いまさら読みました。

2021-09-03 15:07:25 | 日記
『三体』劉慈欣
大森望, 光吉さくら, ワン・チャイ:訳
立原透耶:監修

一昨年くらいからかな、
めちゃくちゃ話題になってましたね(今もか)。
仕事中の雑談でちょっと興味を持って
試しに図書館で予約してみたのが
去年の5月ごろ。

すっかり忘れていたら「借りれます」メールが。
おお、過去の自分からのプレゼントっぽくて
なんだか嬉しい。
数年待ちで話題のパン(だっけ?)のお取り寄せみたいだ。

あまりにも呑気に待ちすぎて、
本のジャンルも曖昧なまま読みました。
長編SF物語なのね。

前知識無しで読んだので、冒頭からの怒涛の展開も
「こういう文学かな」と思って戸惑わずに読めました。
なにしろ、
プロローグがいきなりシビアな文革の情景(社会派?)で
現代、科学者を次々と襲う謎の災難(ミステリ!)、
「三体」という名のVRゲーム(ゴリゴリハードSF?)。
怒涛です笑

この振り回された感じがとてもおもしろかった。
もっとSFらしいSFを求めて読み始めていたら
ちょっと違った感想だったのかも。

とはいえ、文学という観点で言うと、
もうちょっと文章がうまいといいなと思うけど。
中国名の読みにくさよりも、文章の読みにくさが気になった。
SF的素養がないだけかもですが。

『三体』は三部作ぜんぶで2100万部突破らしい。
凄いなあ。

2015年、アジア人作家として初めてヒューゴー賞受賞。

(以下、若干のネタバレをガーっと書くけど)

太陽が3つある三体世界とか、
陽子を多次元分解する説明とか、
まったくわからん!という箇所も勿論たくさんあるけれど、
それでも惹かれる理論?理屈?があったのは
おもしろかった。

叩き上げ刑事のシー・チャンがいたのが良いよね。
物語の中心にいたはずのワン・ミャオは
若干、魅力に乏しかったな。
ウェンジェは良かった。

そういや、冒頭の文革から始まる怒涛の構成、
よく中国で描けたなあと思ってたら、
中国での初刊行時では冒頭のシーンは
真ん中あたりで息を潜めていたらしい。
なるほどね。
コメント
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