山と自然の雑学ノート

山歩き&散歩道で出会った植物などの記録

滋賀・福井県境の花の山~赤坂山へ

2009-05-31 21:31:53 | 登山記録
今日は昨夜からの雨が残り、朝から小雨模様でした。

テレビの天気予報では、行先の滋賀県の午前中の降水確率は80%とか・・・

それでも低気圧は移動中で昼ごろには天気は回復してくるという予報を信じて出発しました。

国道161号線、湖西道路を車で走ること約2時間、マキノ高原の入口に着く頃には雨はほとんど止んでいました。

マキノ町ご自慢の美しいメタセコイア並木です。約2km続いています。



マキノ高原のかなり広いキャンプサイト、赤坂山へは中央の道を直進すると登山口の標識があります。

低気圧の移動中で、やや強い風がありましたが、天気はかなり回復してきました。


登山道はよく整備されていて分かりやすく、初心者でも道に迷うことはありません。

今日は頂上付近は強風のため、三国山への縦走は中止せざるをえませんでしたが、途中で

京都市からの男女3人のパーティと出会い、花談義をしながら楽しく頂上を目指しました。

それでは今回見ることができた花を順に従い、数回に分けてお見せすることにします。


コアジサイ<ユキノシタ科 アジサイ属>

ガクアジサイやヤマアジサイのような装飾花が無い雌雄花のみの原種アジサイです。





エゴノキ<エゴノキ科 エゴノキ属>

今の時期、この山では目立つ花の一つです。今年になって伸びた側枝に、風鈴のように

吊り下がった花を3~5個付けます。近くで見ると中々可愛い花です。


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木津川河川敷の蝶たち

2009-05-29 21:27:51 | 昆虫
第二名神高速道路の建設計画などで、都市化の波が押し寄せる城陽市ですが、

木津川河川敷の樹林帯は、生活のすぐ隣にあって、市民が豊な自然に出逢える大切な場所です。

私の家からは、徒歩で僅か10分・・・そこには、何かホッとできる空間、何時までも残してほしい自然があります。

今日はその中で、今の季節によく見られる蝶の一部をアップしました。



吸蜜するキアゲハ、普通のアゲハに似ていますが、前羽根の付け根に近いところが黒くなっています。
普通のアゲハはこの部分が波模様です。


クロアゲハ、翅が黒いので黒揚羽と呼ばれます。縁起が悪いと嫌う人もいるそうですが、私は好きです。


ヒメアカタテハ、河原に出ると地表に止まっているのをよく見かけます。ほとんど翅裏を見せてくれません。


ヤマトシジミ、普通種ですが微妙なグラデーションの美しいシジミチョウです。


ツバメシジミ、後翅裏の赤い斑紋と名前の由来である、細い尾状突起が特徴のシジミチョウです。


ヒメウラナミジャノメ、木津川の樹林帯ではこの蝶が一番よく見られます。翅裏のさざ波の様な模様が美しい


モンキチョウ、川堤でアカツメグサやアザミの花の間を飛び回っています。



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コミスジ(小三条)

2009-05-28 22:33:14 | 昆虫
山道を歩いていると、突然にヒラヒラと目の前の地面から飛び立って初めて気が付く蝶です。

狭い範囲で縄張りを守っているのか、一度逃げてもまた同じ場所に戻ってきます。

飛び方が少し変わっていて、パタパタと飛ぶのではなく、少し羽ばたいてはスーとグライダーの様に滑空して

飛んでいるのをよく見かけます。幼虫の食草はクズなどの豆科植物


コミスジ<タテハチョウ亜科>




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セイヨウヒキヨモギ(西洋引蓬)

2009-05-27 20:45:00 | 双子葉合弁花

セイヨウヒキヨモギは1973年に千葉県で最初に生息が確認され、それ以来、全国の河川敷などを中心に

猛烈な勢いで繁殖を続ける帰化植物。

自ら光合成を行う一方、寄生根を延ばしてヨモギなど他の植物から養分を得る半寄生植物です。


3枚目以下にアップしたのは、最近城陽市内の木津川河川敷で、私が撮影したもので、

花の色が白色で地中海沿岸が原産の近似種、ヒサウチソウです。

セイヨウヒキヨモギ<ハマウツボ科 セイヨウヒキヨモギ属> 帰化植物、ヨーロッパ原産





ヒサウチソウ<ハマウツボ科 Bellardia属>

これは地中海沿岸原産の半寄生植物で、同じハマウツボ科のヒサウチソウです。

1982年、愛知県名古屋市で初めて生息が確認されたもので、和名は日本の帰化植物研究

に功績を残した植物学者、久内清隆氏を記念して命名されたものです。



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カンアオイ(寒葵)

2009-05-25 06:46:44 | 双子葉離弁花

この植物は山林の暗く湿った林床に生えているのをよく見かけます。葉はビロード状で質感があり、独特の斑紋と

濃い緑色の葉には何処か落ち着いた風情があります。

冬もこの葉が枯れないところから寒葵の名がありますが、地域的に変種が多く現在名前の付けられているものだけでも

50~60種ほどあるそうです。画像のものは特長から関西地方に多く見られるミヤコアオイではないかと思いますが

類似品種が多く、同定するのは困難です。

ここではこれらを総称してカンアオイと呼ぶことにします。


カンアオイの一変種<ウマノスズグサ科 カンアオイ属>


花は葉茎の基部に付きますが、これでも花か?と思わせるような姿をしています。
花弁の様に見えているのは蕚裂片、その下の部分は蕚筒と呼ばれこの中に雄蕊と雌蕊があります。



このあまりにも地味な花、風媒花でないことだけは確かですが、花粉媒介がどのように行われているかは
よく分かっていません。多くの変種が生まれた経過と共に、謎の多い植物です。

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ウツギ(空木)&ヒメウツギ(姫空木)

2009-05-24 23:05:52 | 植物(木本)
南山城地方ではウツギの花が最盛期を迎えています。

また少し花が散り始めましたが、よく似た花でヒメウツギも見られます。

花期の重なる今の時期、この2種類の空木の見分け方を取り上げてみました。

画像の1~2枚目が別名ウノハナとも呼ばれるウツギ、単に「ウツギ」と言えばこれです。

花は密に下垂して咲き、葉は卵状披針形で先はとがります。これから夏に向かって咲くので

蕾をたくさん残していることも見分けの重要なポイントになります。

尚、別名のウノハナは、この花が旧暦の4月(卯月)に咲く花を意味します。


ウツギ<ユキノシタ科 ウツギ属>  別名ウノハナ




こちらは今ならまだ一部で見られるヒメウツギ、上に挙げたウツギと比べて全体に繊細な印象を受けます。

花は小型で必ずしも下垂せず、葉は長楕円状披針形、そろそろ花も終わる頃で蕾は見られません。

ヒメウツギ<ユキノシタ科 ウツギ属>


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タニウツギ(谷空木)

2009-05-23 20:08:00 | 被子植物合弁花

私の住む城陽市から近い大正池グリンパーク野外活動センターに向かう道の谷筋では今、

華やかな明るいピンク色をしたタニウツギが見頃を迎えています。

今日は午前中は仕事があって、花を見ながらの山歩きは午後からとなりました。

4時間ほどの短い時間でしたが、美しく咲いた花を見ながらの充実した山歩きを楽しんできました。


タニウツギ<スイカズラ科 タニウツギ属>  別名ベニウツギ


吸蜜をするアサギマダラ、今年初見です。






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センダン(栴檀)の花

2009-05-22 19:57:11 | 植物(木本)
木津川河川敷のセンダンが淡紫色の花をたくさん付けはじめました。

「栴檀は双葉より芳し」という諺がありますが、ここで言うところの栴檀はこの木ではなく、香木の白檀の中国名

「栴檀」の読みを「せんだん」としたものです。

現代のように植物図鑑やインターネットの植物サイトの画像と照らし合わせることができなかった昔、「栴檀」という

植物についての誤った情報が定着して、この木を「センダン」と呼ぶようになったのかも知れません。

関西では、主に各地の河川敷を中心に大繁殖しているところが見られますが、これは主にヒヨドリなどがこの果実を

食べることにより、種が広範囲に運ばれるからです。



センダン<センダン科 センダン属> 別名オオチ


花弁は5枚、雄蕊は10個あり、紫色の花糸が合着して筒状になった上部内側に黄色の葯が付いています。


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ネジキ(捩木)

2009-05-21 06:45:07 | 植物(木本)
捩じれているから「ネジキ」、分かり易くて覚え易い名前です。

実際にこの木を見ると、名前の通り幹から細い枝に至るまでことごとく捩じれているのが分かります。

初夏になると、去年枝の葉の脇から総状花序を出し、壷形の白い花を吊り下げますが、一列に並んで咲く

その様子が面白く、庭木としてもよく使われます。

これだけ捩じれていれば、細工物には不向きと思われますが、なんと有名な宮島のしゃもじには、

このネジキで作られたものがあるそうです。

葉はアンドロメドトキシンなどの有毒成分を含み、牛などの哺乳動物が食べた場合、凡そ

体重の1%程の摂取で死に至ると言われるほど強力です。


ネジキ<ツツジ科 ネジキ属>




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エゴノキ

2009-05-19 22:35:43 | 植物(木本)
エゴノキの花は初夏の低山歩きの雑木林などでよく見られます。

花は今年のびた短い側枝に、桜に似た白い花が2~4個下垂して咲くのが特徴

エゴノキの名前は、実を口に入れると「えぐい味」がすることに由来します。

材には粘りが有り、昔は雪の多い地方で輪かんじきを作るのに使われました。


エゴノキ<エゴノキ科 エゴノキ属>


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コアジサイ(小紫陽花)

2009-05-18 21:54:39 | 植物(木本)
初夏の花アジサイのなかで、最初に咲き始めるのがこのコアジサイ、

山地の丘陵になった林下などでよく見られる野性の原種アジサイです。

園芸種のアジサイやセイヨウアジサイは、母種のガクアジサイの両性花を、全て装飾花になるように改良したものですが、

これとは全く逆に、コアジサイは装飾花を全く持たず、全てが両性花という珍しいタイプのアジサイです。


コアジサイ<ユキノシタ科 アジサイ属>




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ヤマボウシ(山法師)

2009-05-17 15:35:58 | 被子植物離弁花

街で華やかに咲き乱れるハナミズキが咲き終わるころ、この花は山の中でひっそりと咲きます。

外見上の華美さではハナミズキに一歩譲るものの、貴族的な落ち着いた雰囲気と、独特の気品は捨てがたいものです。


この白く花弁の様に見えているのは総苞弁で、花はその中心部に20~30個の小さな花が集まり球形の

頭状花序を付けます。また果実は集合果で、10月頃に赤く熟し食べられます。

また総苞弁が淡紅色をした品種もあり、こちらはベニヤマボウシと呼んでいます。


ヤマボウシ<ミズキ科 ミズキ属> 別名ヤマグワ






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誤解

2009-05-15 22:42:13 | Weblog
久し振りに立ち寄ったコーヒースタンド

店内がベージュとブラウンを基調にしたシックな装いから

若葉色と薄い黄色の明るく爽やかな感じに衣替えしていました

いつもの様に濃い目のモカブレンドのホットを注文し

ママさんに「爽やかないい感じになりましたねぇ」と言ったら

「昨日この髪型に変えちゃいました・・どう似合います」・・・だって

私は髪形の変わったことなんて全然気付いていません。

どこかで会話がすれ違ってしまった?

とにかく気を良くしたママさん、

なんと!自家製のショートケーキをサービスしてくれました。

「いえ、私の言ったのは、その~ぉお店のこと・・・で」な~んて今更言えるわけもありません

少し気が引けましたが、ショートケーキはそのままオイシクいただきました


画像は我が家の咲き始めたユキノシタの花です。

トーゼン本文とは関係ありませんが ・・・





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マルバウツギ(丸葉空木)

2009-05-15 19:02:08 | 植物(木本)
「空木」と書いてウツギと読みますが、これは「木の髄が空になっている木」を意味する名前というのが

一般的ですが、これらの花の咲く時期が旧暦の4月(卯月)で、

「卯月の木」と言うのをを縮めたとする説もあります。

ウツギと呼ばれる木には、大別して離弁花を持つユキノシタ科のものと、合弁花を含むスイカズラ科

に属するものがあります。(ただしコゴメウツギは例外でバラ科)

このマルバウツギは、ユキノシタ科に属し、ウツギ(別名ウノハナ)、ヒメウツギと共に

ユキノシタ科ウツギの御三家とも言われます。

名前で分かるように、葉は丸い卵型、花の直径は約1㎝位、花弁の先端はとがった形をしています。

また他の2種の花がうつむき加減なのに対して、この花は上向きに咲くのも一つの特徴です。


マルバウツギ<ユキノシタ科 ウツギ属>


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カマツカ(鎌柄)

2009-05-14 06:40:23 | 被子植物離弁花

初夏の山では、よく似た小さな白い花が色々咲いています。

どれも同じ花に見えますが、花や葉の形の違いを丁寧に見ながら

微妙な違いを探していくのも植物観察の楽しみの一つです。

今日はそんな花の一つ、カマツカを見てみます。

バラ科の木で、あまり太くならず鎌の柄位なら使えるというのが名前の由来、

別名をウシコロシといいますが、これは材が粘り強く、牛の鼻輪を作るのに適している

ことから付けられた名前です。

葉は少し硬く、パリッとした感じで先端部に近い所から細くなります。

この花も秋には赤い実を付けますが、食べても味はあまりよくありません。



カマツカ<バラ科 カマツカ属>  別名ウシコロシ、ケナシウシコロシ


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