山と自然の雑学ノート

山歩き&散歩道で出会った植物などの記録

カワラナデシコ(河原撫子)

2013-06-30 22:52:27 | 双子葉離弁花

カワラナデシコは日当たりの良い河原や、堤防の法面などに生えるナデシコ科の多年草です。

ヤマトナデシコ(大和撫子)とも呼ばれ、その繊細な美しさは慎ましいながらも芯は強い日本女性の姿に

喩えられてきたのはよく知られるところです。

城陽市の木津川周辺では、比較的よく草刈りや草焼きの行われる堤防や、あまり肥沃ではない

砂礫の多い河原などでの生育が目立ちますが、多くの植物にとっては厳しい生息条件は、かえって

他の植物との競合を避けるナデシコ科のこの植物にとっては好都合なのかもしれません。

カワラナデシコ<ナデシコ科 ナデシコ属>  多年草

秋の七草のひとつで、季語としては秋になります。花期は6~8月

カワラナデシコ








 

 

 

 

 

カワラナデシコ

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ムラサキニガナ(紫苦菜)

2013-06-30 07:52:51 | 双子葉離弁花

今日で6月も終わり、1年の半分が過ぎました。

ああ、もうそんな時期になったのか・・・早いなぁ~

「光陰矢のごとし」と昔どこかで聞いたような言いまわし・・・

改めて時間の早さを思い知らされるのはこんな時期でしょうか。

 

さて、6月に入ってから里山で蕾を付けていたので、少し気になっていたムラサキニガナです。

ようやく花が咲き始めました。

谷筋の少し暗い疎林で見られるキク科アキノノゲシ属の多年草です。

淡黄色の花が多いこの手のキク科植物には珍しく美しい紫色の花を咲かせます。

60~120㌢程の茎の頭頂部に下向きに咲く花なので、少し注意して見て歩くことが必要かも知れません。

ムラサキニガナ<キク科 アキノノゲシ属>  多年草

ムラサキニガナ

















ムラサキニガナ













下部の葉は普通、他のキク科植物のように羽状に裂けますが、上部の葉は殆んど三角形に近い

披針形をしています。
ムラサキニガナ

 

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ホタルブクロ(蛍袋)

2013-06-27 21:48:05 | 双子葉合弁花

ホタルブクロはキキョウ科の多年草で、初夏に山間を通る道の道路脇などで普通に見られる花です。

和名は、この花の中に蛍を入れて遊んだことから名付けられたとする説が一般的ですが

身近に蛍が飛んでいて、子供達が自然の遊びの中で多くの事を学んでいた”古き良き時代”が偲ばれます。

ホタルブクロ<キキョウ科 ホタルブクロ属> 多年草 

ホタルブクロ














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ナツツバキ(夏椿)

2013-06-22 15:31:48 | 被子植物離弁花

ナツツバキは目立つ花ではありませんが、山歩きをしていて、ふと咲いているのに気が付くと

何となく本格的な夏の到来を感じさせる花です

葉を見る限りでは、固い質感のある艶やかなヤブツバキなどとは随分違って、しかも落葉樹。

ところが、この時期になって咲いている花をよく見ると、ああ、やっぱりこれもツバキの仲間かぁ~

と納得させてくれます。

 

別名のシャラノキは、日本ではこの木が、お釈迦様の亡くなられた時に傍らに咲いていたという

沙羅双樹に違いないと信じられていたからだそうです。

花は一日花で、樹下には前日から数日前に落ちたと思われる花冠が散らかっていて、清楚で

美しい花との対比から

生命の華やかさと儚さを体現しているような花・・・恐らくはそんなところから生まれた勘違いでしょうか?

本来の沙羅双樹はアオイ目フタバガキ科の落葉高木で、日本では温室でのみ栽培が可能な

熱帯植物です。

 ナツツバキ<ツバキ科ナツツバキ属> 落葉高木

ナツツバキ















ナツツバキ















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サワガニ(沢蟹)

2013-06-17 22:44:19 | Weblog

沢沿いを歩いていてサワガニを見かけるのは珍しいことではありませんが、谷筋とはいえ沢から

かなり離れた場所での遭遇です

前日、久しぶりに降った雨で谷筋全体が潤っていたから?

それとも冒険心に導かれた遠出・・・

何れにしても行動範囲は私達が想像しているよりずっと広いのかもしれません。

因みに、右のハサミが大きいこのサワガニは♂さんです。

サワガニ

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同定の難しい林下に咲くタツナミソウの仲間

2013-06-16 22:16:12 | 双子葉合弁花

里山の谷筋で見かけた花ですが、紫色の花を穂状に付ける姿を、打ち寄せる波頭に見立てた

タツナミソウ(立浪草)の仲間です。

この仲間は、草地などに咲く基本種のタツナミソウは兎も角として、山の湿り気の多い谷筋や

沢沿いでみかけるものは種類も多く、どれも似たり寄ったりで、また各地に固有種もあり、中々同定が困難です。

画像のものは、葉の形や下唇の斑紋の様子、茎の毛の生え方などから一応、消去法なども加え

イガタツナミソウと判断しましたがどうでしょうか?

他ではシソバタツナミソウやホナガタツナミソウなどが候補として考えられますが難しすぎて

同定の深入りはできません。

イガタツナミソウ?<シソ科 タツナミソウ属> 多年草

































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ツルアリドオシ(蔓蟻通し)

2013-06-15 20:22:34 | 双子葉合弁花

同じアカネ科の木本植物で、蟻の体をも通すと言われる鋭い刺を持つアリドオシと花の形がそっくり

であることから和名は「蔓蟻通し」ですが、こちらは蔓性の草本植物で刺はありません。

山道の側などの急斜面で、落葉が積もらず、苔の生えるような湿った場所で良く見かけます。

6~7月に蔓の先端に通常2輪の白い花を付けます。

花冠は4裂していて毛が密生しています。(非常に稀ですが、花冠が5裂に変異したものもあります。)

7月中旬以降に赤い果実を付けますが、非常に興味深いのは、果実はこの仲良くセットになった

2輪の花が合体して1個の果実になることです。

ツルアリドオシ<アカネ科 ツルアリドオシ属> 常緑蔓性

ツルアリドオシ1















ツルアリドオシ

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ヒカゲチョウ(日陰蝶)

2013-06-11 22:33:02 | 昆虫

ヒカゲチョウは京都の南山城地域の里山では、比較的よく見かける蝶です。

名前が示すように、暗い林の中を飛び回っていますが、幼虫の食草がイネ科の笹類という

こともあり、林床に笹が生えているような場所では特に出逢える確率が高いようです。

成虫は普通、樹液などに集まることが多いようですが、画像の状況は地面から水分と共に

ミネラルを摂取しているようです。

警戒心が強く、人の気配を感じると即座に飛び去ることの多い蝶ですが、この場所は

土壌に含まれるミネラルがかなり豊富なのか、次々に飛来して離れようとしませんでした。

ヒカゲチョウ<タテハチョウ科 ジャノメチョウ亜科 ヒカゲチョウ属>

ヒカゲチョウ















ヒカゲチョウ















ヒカゲチョウ

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ミズイロオナガシジミ(水色尾長蜆)

2013-06-09 22:27:55 | 昆虫

梅雨入り宣言が出されてから今日まで、これと言った雨らしい雨の無い日々が続いていますが

明日からの1週間は台風の影響もあり、どうやら雨の多い日が続きそうです。

ここまでの空梅雨状態は、予想以上に梅雨前線が南下したことによるそうですが、私のように

少々の雨ならOKという人はともかく、気になる人は折りたたみの傘などを

用意してお出かけになったほうがいいんじゃないかと思います。

 

さて、ところで今日は久しぶりに昆虫を撮ってみました。

シジミチョウの仲間になりますが、ミズイロオナガシジミです。

前翅のハートが並んだような模様、後翅のV字模様、長い尾状突起などが主な特徴です。

大きさは、最もよく見られるツバメシジミよりはやや大きく、シジミチョウの仲間としては中型です。

関西ではクヌギやミズナラなど、ブナ科の樹木が多い里山で比較的よく見られる蝶ですが、

活発に飛び回るのは夕方で、昼間は草むらや樹木の葉に止まって、じっとしていることが多く、

特にその辺りを気にして見る習慣のない人には少々馴染が薄い蝶かも知れません。

幼虫の食草はクヌギやミズナラなどのブナ科樹木の葉です。

ミズイロオナガシジミ<シジミチョウ科 ミドリシジミ亜科> 

ミズイロオナガシジミ

















ミズイロオナガシジミ

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タニウツギ(谷空木)

2013-06-02 08:27:22 | 被子植物合弁花

例年より10日ばかり早い梅雨入りを迎えましたが、昨日今日と早くも「梅雨の中休み」という

空模様です。

雨には雨の情緒があるとは言うものの、やはり山歩きとなると晴れてくれるのは有難いものです。

さて、今日の画像は、梅雨の時期に谷筋でよく見られるタニウツギです。

まあ、どう撮っても綺麗に撮れちゃいそうな花なので非常に助かりますが(笑)

ウツギ(空木)と呼ばれる樹木にはスイカズラ科に分類されているものと、ユキノシタ科に

分類されているものがあります。そこで属名では混乱を回避するため、スイカズラ科のものは

タニウツギ属、ユキノシタ科のものはウツギ属と、属名を使い分けています。

ウノハナと呼ばれるウツギはユキノシタ科で、このタニウツギはスイカズラ科です。

大雑把な見分け方としては、白い花であればユキノシタ科ウツギ属、赤い花であれば

スイカズラ科タニウツギ属のものが多いようです。

勿論、何事にも例外があって、ツクバネウツギなどは白系統の花を咲かせますが、こちらは

スイカズラ科タニウツギ属になります。

タニウツギ<スイカズラ科 タニウツギ属>  落葉低木

タニウツギ















タニウツギ

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