山と自然の雑学ノート

山歩き&散歩道で出会った植物などの記録

ウリカエデ(瓜楓)の翼果

2013-05-31 22:06:29 | 被子植物離弁花

里山では色々なカエデ科の樹木が、まるで飛行機のプロペラのような形の翼果を付けています。

そんな中でも特に赤色が鮮やかで目立っているのがこのウリカエデの翼果です。

春に咲く花が総状なら、この翼果も5個ほどが連なっていて、花よりも人目を引くのはむしろ

こちらの方です。種子の部分はあまり膨らみません。

ウリカエデ<カエデ科 カエデ属>  落葉小高木

 

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ヒメハギ(姫萩)

2013-05-30 19:53:49 | 双子葉離弁花

近畿地方は一昨日、梅雨入りしました。

例年より10日早く、昨年より11日早い梅雨入りだそうです。

早く始まったんだから梅雨明けも早ければいいのですが、どうやら長期予報で梅雨明けは

例年並みの7月25日とか・・・どうやら今年の梅雨は長引きそうです。

まあ、少しポジティブに考えれば雨には雨の良さというか情緒のようなものもあって

この時期、雨にしっとりと濡れた紫陽花の花などは是非で狙ってみたい被写体の一つでは

ないでしょうか?

 

さて、今日の画像ですが、二次林の林縁などで日当たりの良いところに生える常緑の多年草、

ヒメハギです。草丈は8~15㌢程度で、初夏に紅紫色で、ちょっと見た目には萩の花のような

小さな花を咲かすことから、和名は「姫萩」ですが、植物分類学上はヒメハギ科ヒメハギ属で

マメ科ハギ属とは全く別系統の植物です。


ヒメハギ<ヒメハギ科 ヒメハギ属>  常緑多年草ヒメハギ












 

この花の構造は、一種独特のもので、如何にも花弁のように横に広がる大きな2枚(側弁)と

後方に立っている小さな2枚(旗弁)は共に萼片で、花弁はその中心にある筒状の部分で

先端にブラシ状の付属体(竜骨弁)を付けています。ヒメハギ

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チゴユリ(稚児百合)

2013-05-27 22:57:22 | 単子葉類

晩春から初夏にかけて、山里の明るい林下や林縁で見られるユリ科の多年草です。

比較対象物が無いと実際の大きさが判りにくいと思いますが、草丈は精々10~20㌢程度で

花冠は1~1.5㌢位のものが標準的なサイズです。

恐らく、日本国内で見られるユリ科の植物では最小だと思います。

図鑑によっては、草丈が15~30㌢と記されている場合もありますが、30㌢に達する

ようなものは私も見たことがありません。

 この花も既にピークを迎えていて、見られるのも後数日ではないかと思われますが、花後には

球形の黒い液果ができます。

チゴユリ<ユリ科 チゴユリ属>  多年草

チゴユリ1















チゴユリ















チゴユリ

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ナルコユリ(鳴子百合)

2013-05-26 22:47:50 | 単子葉類

童仙房の集落で出会った花ですが、これは多分ナルコユリだと思います。

自信のない話ですが、花も葉も非常に似通った植物にアマドコロというのがあります。

両者の違いですが、アマドコロの茎には稜があって多角形であるのに対して、ナルコユリには

稜がなく、断面が丸型となっていることで区別ができるそうです。

まあ、最初からそういうことを知っていれば、指で触って確認できたんですが、今回は指での

確認はできていません。

撮ってきた画像を見るかぎりでは、それほど明確な稜はなさそうです。

尚、ナルコユリの名は花の並んだ姿がスズメ脅しの鳴子に似ていることによります。

ナルコユリ<ユリ科 アマドコロ属>  多年草

ナルコユリ















ナルコユリ















ナルコユリ

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ナワシロイチゴ(苗代苺)

2013-05-19 22:20:49 | 被子植物離弁花

ナワシロイチゴはバラ科キイチゴ属の落葉低木で、名前から受ける印象では、昔は農道付近で、

ごく身近に見られるイチゴだったようです。

しかしながら、現在のように整備された農道の近くではほとんど見ることがありません。

城陽市内でこの植物が観察できるのは、主に木津川河川敷の日当たりの良い土手や草原が

中心なので、恐らくその他の地域でも似た環境で普通に見られると思います。

6月の苗代の頃に赤く熟する果実はこの種のキイチゴの中では甘みの強い方で、生食のほか

リキュールやジャムにするのに好適です。

ナワシロイチゴ<バラ科 キイチゴ属> 落葉低木

ナワシロイチゴ











 

花は他のキイチゴとはちょっと違った珍しい形をしています。画像の白い星型の部分が萼で

中心部にピンク色の花弁が4枚あり、雌蕊と雄蕊を包み込んでいますが、花弁はこの様に

閉じたままで、枯れるまで開くことはありません。

画像を見て頂くと、閉じた花弁から少し突き出ているものがありますが、これは雌蕊で、雄蕊は

この状態では未だ花弁に包まれたままです。

雄蕊が露出するのは花弁が枯れた後になりますが、時期をずらすことによって、自家受粉を

抑制し、多様な遺伝子交換を可能にしているのかもしれません。
ナワシロイチゴ

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キランソウ(金襴草or金瘡小草)

2013-05-13 20:02:45 | 双子葉合弁花

キランソウは低山の麓や、人里の湿った石垣などに普通に生えるシソ科の多年草で

山野草に少しでも興味のある人には比較的、馴染みの深い植物だと思います。

和名の漢字表記では、「金襴草」と「金瘡小草」の2種類が使われています。

和名の意味ははっきりしませんが、”キランソウ”と読めるのは前者の方で、金瘡小草は

漢方薬としての薬効を強調した名前のようです。

一説によると、この植物の薬効は驚くべきもので、一度は死にかけた病人も生き返ると

いう意味から「ジゴクノカマノフタ」という別名があります。

まあ、それ程の効果があるかどうかは別にして、主な薬効としては鎮咳、去痰、腫れ止め

虫さされ等で、生薬名では全草を乾燥させたものを「筋骨草」と呼んでいます。

キランソウ<シソ科 キランソウ属> 多年草 

キランソウ















キランソウ

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クマバチ・・・昆虫の飛翔写真に初挑戦!

2013-05-12 22:28:15 | 昆虫

タイトルにあるほど大そうなものじゃありませんが

空中をホバリングしているクマバチを見て、ふと遊び心で撮ってみました。

クマバチは見かけ怖そうですが、けっこう愛嬌のある優しい蜂さんです。

キイロスズメバチのように不意に人を襲うことはまずありません。

ホバリングをしていることが多いので、思ったより簡単に撮ることができました。

※画像は全て1段階トリミングしています
































  ↓ 熊というより、パンダが空を飛んでいる感じかな?















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ケリのスクランブル

2013-05-10 22:32:42 | Weblog

城陽市では、木津川や古川周辺の水田地帯に住むケリが産卵期に入っています。

地上に巣を作って産卵を行うケリにとって、最大の敵は何といってもカラスの集団。

縄張りの上空にカラスが少しでも侵入するとケリリッと鋭い声で鳴きながら

スクランブル(緊急発進)して追っ払いにかかります。

基本的にはつがいで巣を守りますが、敵の数が多くなると、縄張り争いではライバルの

近くの他の個体も集まって共同防衛を行うこともあります。




























































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ハルジオン(春紫苑)

2013-05-06 23:27:23 | 双子葉離弁花

ハルジオンは北アメリカ原産のキク科ムカシヨモギ属の多年草で、大正時代に観賞用植物として

輸入されましたが、主に東京方面で栽培されていたものが逸出して野生化し、第2次世界大戦後急に

都市周辺を中心に全国に広がって、現在ではごく一般的に見られる雑草になっています。

開花時期は、地方によって多少のバラつきはありますが、凡そ4月~6月で、頭花は白色または

淡紅色で、観賞用植物として渡来してきたのも充分納得できる美しさを備えています。

 

この花より少し遅れて、6月~10月に白色または淡紫色の花を付けるものが見られますが

それらは、同じく北アメリカ原産で、明治初期に渡来したヒメジョオン(姫女苑)です。

外見上の相違点として判り易いのは、ハルジオンの場合、茎に付く葉が茎を抱いている(抱き葉)のに対して

ヒメジョオンの葉は茎を抱いていないことで見分けられます。

また茎では、ハルジオンは中空、ヒメジョオンは茎が白い髄で満たされていることでも区別できます。

 

ところで、以前、ハルジオンはこの時期には城陽市の平地の至るところで見られたものですが、

最近何故か、見られるのは山間部の麓から中腹にかけてで、市内の平地部では全くといっていいほど

姿を見かけなくなりました。

このような生態系の変化については、今後注意深く観察してみる必要がありそうです。

ハルジオン<キク科 ムカシヨモギ属>  帰化植物 多年草 

ハルジオン















ハルジオン

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キリ(桐)の花

2013-05-05 09:52:56 | 被子植物合弁花

ヤマフジ(山藤)と花期が重なっている紫色の花は、遠くから眺めるとヤマフジが咲いているのと

間違うほどよく似た眺めを醸し出しています。

古くから箪笥などの家具や高級下駄の他、日本古来の楽器である琴などの材として植栽されて

きて、各地の里山で自生状態のものも多く見られます。

この様に私達にとって馴染の深いキリ(桐)ですが、これは一体、何科に属する植物なんでしょうか?

実は、これ良く判っていないんです。

見る図鑑によって、ノウゼンカズラ科とするものや、ゴマノハグサ科とする説、また独立したキリ科であると

する説などが乱立しているようです。

落花した花冠を見ると、花の色や形などからゴマノハグサ科というのも少しは納得できそうですが、

ゴマノハグサ科のほとんどが小さな草本であることから少し首を傾げたくなります。

これに対して、成るほどと思わされるのがノウゼンカズラ科・・・

この中でも、アメリカノウゼンカズラという種類は花の形がかなり桐に似ている上に木本で

幹の長さは10m以上にも達します。

ちなみに、私のもっている図鑑「日本の樹木」(山と渓谷社刊)でもノウゼンカズラ科となっています。

しかし、「無理にどちらかにくっ付けなくてもいいじゃないか」というキリ科説にも配慮?して、

ここでは科名不詳としておきましょうか(笑)

キリ<科名不詳 キリ属>  落葉高木 

キリ














キリ















キリ

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ウワミズザクラ(上溝桜)

2013-05-04 10:08:33 | 被子植物離弁花

関西ではソメイヨシノなどの桜が終わって、葉桜になり始めたころに咲くサクラの仲間です。

遠目には、とても桜の仲間とは思えないような花の形ですが、近くで見るとやはりこれは桜で、

小さな桜の花が集まっているのが判ります。

果実(さくらんぼ)は緑色の幼果を塩漬けにする他、新潟では蕾の塩漬けを杏仁香(あんにんこ)

と呼んで食用にしています。

ウワミズザクラ<バラ科 サクラ属> 落葉高木

ウワミズザクラ

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ヤマフジ(山藤)

2013-05-03 22:03:20 | 被子植物離弁花

一斉に開花したヤマフジの花が、谷間の雑木を自然の藤棚に変えました。

この時期、どこの里山でも見られるありふれた情景ですが、さて、図鑑的に撮るか情緒的に撮るか?

何れにしても、絵になる写真?となると・・・

私的には、2枚目の写真が気に入っていますがどうでしょうか?

ヤマフジ<マメ科 フジ属>  落葉藤木

下垂した総状花序は、長さが10~20㌢でほぼ一斉に開きます。庭園の藤棚などに使われる

フジ(ノダフジ)の蔓が右巻きに他の木などに巻きつくのに対して、ヤマフジは左巻きに絡みます。

































































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