山と自然の雑学ノート

山歩き&散歩道で出会った植物などの記録

オオカナダモ(大加奈陀藻)の花

2015-05-20 09:47:53 | 単子葉類

花の咲く川藻と言えば、山野のきれいな流水中に花を咲かすバイカモ(キンポウゲ科)が先ず

頭に浮かびますが、ここは城陽市内の木津川支流で、最近は下水道の整備によって、かなり

水質が向上したとはいえ、以前は生活排水が流れ込む文字通り”ドブ川”でした。

もちろん、こんな川にバイカモなど生えてくるはずもありませんが、この季節、水中に白い花を

見せているのがこのオオカナダモです。

 

オオカナダモはトチカガミ科の沈水植物で、南アメリカ原産の帰化植物。

南アメリカ原産にもかかわらず、和名にカナダという国名が使われている理由は

よくわかりませんが、日本への侵入は生物観察の教材として輸入されたものが、野生化

したものだそうです。

1970年代には、琵琶湖で大繁殖して問題になりましたが、汚染環境に強く、在来種の

クロモなどが生えなくなった都市部の河川などでも今後、繁殖域を拡大していきそうです。

オオカナダモ <トチカガミ科 オオカナダモ属> 帰化植物

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ベニカミキリ(紅髪切虫)

2015-05-14 15:53:31 | 昆虫

ベニカミキリという非常に判りやすい和名の、前翅と前胸部が濃い赤色をしたカミキリムシです。

前胸部には5個の黒斑が見られます。

成虫はネギやクリなどの花に集まり、蜜を食べますが、幼虫の食草は竹や笹で、この個体に出会ったのは

竹やぶに隣接した茶畑の畔です。 おそらく羽化の直後だったのでしょう。

一般的に害虫となる可能性の低い昆虫ですが、竹材に被害を及ぼします。

ベニカミキリ <甲虫目 カミキリムシ科>

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クロヒカゲ(黒日陰蝶)

2015-05-12 11:38:16 | 昆虫

暗褐色の地味な翅色の蝶ですが、その名前が示すように、暗い森林を飛び回り、樹液などにも

集まることの多いジャノメチョウ亜科の蝶です。

暗い森の中で、天敵から身を隠すには好都合な翅色ですが、翅裏のくっきりとした蛇の目模様や

形の良い翅は何処か精悍な美しさを感じさせます。

クロヒカゲ <タテハチョウ科 ジャノメチョウ亜科>

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オサムシ(筬虫)

2015-05-09 17:37:28 | 昆虫

漫画家の手塚治虫氏のペンネームの元となったことで、世間に知られることになった昆虫ですが

オサムシは甲虫目オサムシ科の昆虫で、地上を徘徊して、他の昆虫やミミズを捕食する歩行肉食甲虫の

総称です。  この仲間の多くは夜行性で、昼間は土中や落ち葉の下に隠れていることが多いのですが

暗い森の中では昼間でも見ることができます。

 オオオサムシ <甲虫目 オサムシ科>

代表的とも言える種類のオサムシで、主に広葉樹林の林下に生息するやや大型のオサムシです。

手塚治虫氏が昆虫少年であった頃、こよなく愛したオサムシも、おそらくこの種類であったと思われます。

林下を徘徊して他の昆虫やミミズを捕食する生活スタイルのため、後翅は退化して飛ぶことはできません。

前翅の左右それぞれに、明確で特徴のある破線状の筋が4本ずつ見られるのが同定ポイントです。

クロカタビロオサムシ <甲虫目 オサムシ科>

これも広葉樹林の林下を徘徊するオサムシで、生活スタイルそのものは、上記のオオオサムシと

あまり変わりませんが、他のオサムシ科の甲虫類と比べると後翅の退化は少なく、得意ではないものの

多少は飛ぶこともできます。そのため、樹木上の蛾の幼虫なども捕食の対象にしています。

前翅の破線状の筋は浅く不明確で、オオオサムシと比べるとやや小ぶりでズングリとした体形です。

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