土用の頃に花が咲くので別名ドヨウフジとも呼ばれます。
和名は夏にフジに似た花序を付けることからの命名ですが、同じマメ科でフジ属のフジやヤマフジ
とは別属のナツフジ属。
7月末~8月中旬に山地の道脇などで、低木に蔓を絡ませ疎に花序を付けているのが見られます。
花序は約20cmの総状で、白い蝶型花を多数開きます。
蔓は半年生で、冬には地上部が枯れ、フジの様に太く育つことはないようです。
土用の頃に花が咲くので別名ドヨウフジとも呼ばれます。
和名は夏にフジに似た花序を付けることからの命名ですが、同じマメ科でフジ属のフジやヤマフジ
とは別属のナツフジ属。
7月末~8月中旬に山地の道脇などで、低木に蔓を絡ませ疎に花序を付けているのが見られます。
花序は約20cmの総状で、白い蝶型花を多数開きます。
蔓は半年生で、冬には地上部が枯れ、フジの様に太く育つことはないようです。
少年時代に山遊びをして育った人には懐かしい植物かもしれません。
日本国内に生える野生クルミの中で、核果が食用になる種類のひとつです。
一般的に商品として流通するカシグルミ(中国原産の栽培種)に比べて、核果は固く
可食部分も少ないのですが、割って食べると同じような風味があります。
また、果肉や樹皮は古い時代に和紙を染める黄褐色の染料として使われていたようです。
現在でも趣味の草木染で「胡桃染め」が行われ、この果肉部分が使われているようです。
中国原産のトウダイグサ科落葉高木で、別名シナアブラギリとも呼ばれます。
果実は直径5cm程で先端は尖り、果皮は厚く中に3~5個の種子があります。
この種子から採った油が桐油(とうゆ)で、昔は和紙製品の番傘や提灯の防水、絶縁用
のワニスや塗料、印刷用の油などに使われていました。
現在はほとんど生産されていません。
4月末~5月に咲く花はこちらです。
シキミが結実し始めました。
シキミは植物全体が有毒ですが、果実は植物としては唯一「毒物及び劇物指定令」で
劇物に指定されていて、登録者以外の販売・授与目的の製造、輸入、所持などが禁止
されています。
果実に含まれる主な毒は神経毒アニサチンで、経口摂取すると、嘔吐、下痢、痙攣、意識障害など
が現れます。一般的には種子の毒が強調されますが、果皮は種子より多くのアニサチンを含みます。
以前は花の形の類似性からモクレン科に分類されていましたが現在は
マツブサ科シキミ属とされている常緑性の小高木です。
葉や茎にイリチン、果実にはアニサチンという有毒物質を含み、特に果実は植物界
では唯一、劇物に指定されているほどの猛毒です。
原産地は中国、仏教と関わりの深い植物で、奈良時代中期に唐から日本に渡り
律宗を開いた鑑真和上によってもたらされたと言われています。
土葬が行われていた古い時代には、遺体を荒らす野生動物を遠ざけるため、この有毒
の樒を埋葬場所の回りに沢山植えたり、棺の中にも樒の枝を敷き詰めたりしていたようです。
そうした風習の名残りなのか、主に関西地方の葬儀や仏事では今も樒が多く使われています。
尚、現在市販されている抹香は樒の葉や樹皮を乾燥させて粉末にしたもので作られています。
日当たりの良い道端の溝や、川原の土手に生えるバラ科キイチゴ属の落葉低木で、
和名は6月の苗代の頃に実が熟し食べられることに依ります。
別名ではサツキイチゴ(皐月苺)と呼ばれますが、こちらは花の咲く時期から
付けられた名前ようですね。
花は萼だけが平開し、花弁は雄蕊の葯と雌蕊の柱頭は上に飛び出しますが
花弁は枯れるまで閉じたままです。その後、萼は受粉が行われると再び閉じます。
山地に生えるバラ科カマツカ属の小高木です。
和名は材が固く鎌の柄に用いられたことに依り、また別名のウシコロシ、ウシノハナギは
材を曲げて牛の鼻輪を作ったという説と、鼻輪を通す穴を開けるのにこの材を使ったと
言う説があります。
モクレン科の落葉高木ですが、樹高の高いものは20~30mにもなります。
花が咲くのがかなり高い位置なので、これまで撮影する機会に恵まれません
でしたが、今回かなり低い位置に花を付けていたものに出会って真近で撮影
することが出来ました。
花は同じモクレン科のタイサンボクによく似た直径15cmほどの花で芳香が
あり、気品を感じさせる帯黄色。
別名で「卯の花」と呼ばれ、唱歌「夏は来ぬ」にも歌われていたように
以前は植垣や庭木によく用いられていました。
最近では、造園用の花木として業者が採用しないのか、住宅地などで
この花を見る機会も少ないようです。
分類では<ユキノシタ科 ウツギ属>ですが、末尾に”ウツギ”を含む
名前の植物には本種のようにユキノシタ科のものと、タニウツギなどの
スイカズラ科に属するものがあります。
何れも髄が中空になっている主幹の形状から「空の木」の意味です。
属名はユキノシタ科はウツギ属、スイカズラ科はタニウツギ属と区別
しています。
昔、和傘や提灯などに使う和紙は桐油(とうゆ)によって防水加工
されていました。読みが灯油と混同されやすいことから「きりゆ」と
呼ばれることもあります。
桐油はアブラギリやオオアブラギリの種子から採った植物油脂です。
しかし、現在使われる桐油の大部分が海外製で、生産目的の栽培は
ほとんど行われず、この植物も姿を消しつつあるようです。
オオアブラギリは別名でシナアブラギリ(支那油桐)と呼ばれますが
アブラギリも原産地は中国で、和名のオオアブラギリはアブラギリに
比べ、花や果実が大きいこと。
<トウダイグサ科 アブラギリ属 落葉高木>
かなり地味な花ですが、ウコギ科の蔓植物、キヅタの花です。花期は10~12月と比較的長いよう
で、既にほとんどが結実していました。この果実は径6~7mmで翌年の春に黒く熟します。
和名のキヅタは夏緑性の蔦(ブドウ科)に比べて蔓が木本的であることに由来しています
また常緑であることからフユヅタ(冬蔦)の別名もあります。
茎から気根を出して付着しながら大きな木に這い登りますが、巻き付いて宿主の木を締め付けて
枯らすことはありません。
園芸種として販売されているアイビーは、ヨーロッパ原産の近似種セイヨウキヅタの改良された
ものです。
淡紅色の花の蕾を思わせますが、ニシキギ科の落葉低木マユミの果実です。
和名の「まゆみ」は言葉の響きが優しく、女性の名前にもよく使われているようですね。
5~6月に8mmほどの薄緑色の地味な4弁花を咲かせますが、主役はもっぱらこの果実です。
果実は完熟すると4つに深く裂け、赤い仮種皮に包まれた種子が現れます。
秋になると熟した果実が縦に裂けて大きく開くアケビの仲間が花期を迎えています。
和名の漢字表記は「木通」ですが、実が開くという意味の「開け実」が転訛したという説も
あるようです。
種類としては、今回アップしたアケビとミツバアケビの2種が比較的よく見られますが、混生する場所
ではこの2種の特徴を備えた交雑種のゴヨウアケビも存在します。
アケビ <アケビ科 アケビ属> 落葉蔓性
葉は掌状複葉。小葉は5個あり長さ6cmほどの狭長楕円形で全縁です。
花には雄花と雌花があり、いずれも花弁のように見える3個の白い大きな愕片をもっています。
雄花は総状花序の先端に数個あり、雄蕊は6個、雌花は雄花より大きく、花序の基部から長い柄を
伸ばして1~3個が付き、雌蕊は6~9個
ミツバアケビ <アケビ科 アケビ属> 落葉蔓性
山地でよく見られるアケビです。 葉は3出複葉で長い柄があり、小葉は4~6cmの卵形で縁に
荒い鋸歯があります。
花の形状はアケビとほぼ同じですが、愕片、蕊の何れも黒紫色をしていてアケビに比べ全体にやや
小型です。交雑種のゴヨウアケビの花も本種のような黒紫色の花を付けますが、葉はアケビのような
掌状複葉で小葉は5個あります。
サネカズラはモクレン科の常緑蔓性植物で、枝には粘液が多く、古くは男子の整髪料に用いられた
ことから別名でビナンカズラ(美男葛)とも呼ばれています。
「名にし負わば 逢坂山のさねかづら 人に知られでくるよしもがな」
これは百人一首に三条右大臣、藤原定方の歌として収められている一首ですが、現代語に訳すと
★恋しい人に逢えるという逢坂山の、小寝(一緒に寝る)という名を持つサネカズラ(小寝葛)よ、
その名に背かないのなら、その蔓を手繰り寄せるように、あの娘が人知れず私の元へ来る手だては
ないものだろうか・・・といった意味でしょうか?
右大臣と云えば政権のナンバー3くらいでしょうか? ここでは道ならぬ恋の悩みを告白したというより
サネカズラの「実」を「小寝」に掛けた言葉遊び?・・・でしょうね多分
そこんとこは詳しくありませんのであしからず・・・
サネカズラ <モクレン科 サネカズラ属> 常緑蔓性