山と自然の雑学ノート

山歩き&散歩道で出会った植物などの記録

キマダラカメムシ (黄斑亀虫)

2011-06-30 06:28:06 | 昆虫

カメムシの仲間は外敵からの攻撃を受けると悪臭を放つことで「屁こき虫」などとも呼ばれ
昆虫の中の”嫌われものランク”ではかなり上位をしめているのではないでしょうか。

しかし、悪臭を放つのは外部から刺激を受けた場合だけで、普段、大人しくしている時は
近付いて臭いを嗅いでみてもほとんど無臭です。
それに、サシガメなどの一部のものを除けば、ハチやアブなどのように、直接人体に危害を
及ぼすようなことはほとんどありません。

外観的には幾何学的な模様や色彩の美しいものが多く、本質的には美麗な昆虫なので
被写体としても中々興味深いものがあります。

画像のカメムシは、我国で見られる種類では最大級のもので、体長は23㍉ほどあります。
元々は南西諸島や台湾などに生息する亜熱帯性のカメムシですが、温暖化の影響か、次第に
生息域を北に広げ、最近では京都府南部の八幡市や城陽市でも普通に見かけるようになりました。

主に、モミジバフウなどの街路樹や、サクラなどの公園樹の幹に群れていることが多いようです。

キマダラカメムシ <カメムシ目 カメムシ科>

    ↓ 画像はクリックで大きくなりますキマダラカメムシ

 

 

 

 

 






キマダラカメムシ

 

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隠れ帯

2011-06-28 19:44:23 | Weblog

コガネグモの巣(円網)ですが、コガネグモ科の蜘蛛の巣には、X状に伸びた白いレース飾りのような
ジグザグ模様の部分があります。

これは「隠れ帯」または「白帯」と呼ばれているものですが、その役割については諸説があって、
実は専門家の間でもよく判っていないようです。

「隠れ帯」と呼ばれるのは、外敵から身を隠すのが目的との考えに基づく呼び名だと思いますが
実際に隠れ帯の部分に身を隠しているのは私も見たことがありません。
むしろ獲物が網にかかるまでは中央キープで、滅多なことではこの位置を動かないようです。

また隠れ帯が2本ずつ脚を揃えた延長線上に作られていることから、外敵に対して、自分を大きく見せて
いるという見方もできます。

私見ですが、昆虫を捕食する蜘蛛が巣の中央部分に花の絵を描いて蝶などの昆虫を誘っている
とすれば、これはかなり高度な捕虫作戦と言えます。

何れの説も想像の域を出ませんが、とかく嫌われものの蜘蛛も色んな推理を巡らして
よくよく観察して見ると中々興味深いものがあります。

コガネグモ

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デワノタツナミソウ?

2011-06-27 22:04:28 | 双子葉合弁花

24日の記事で取り上げたタツナミソウの仲間です。
タツナミソウの仲間は種類が多くて同定が難しいのですが、唇形の花の下唇片にタツナミソウや
コバノタツナミソウなどに見られる紫色の斑紋がほとんどない特徴から近畿地方の日本海側に多い
デワノタツナミソウではないかと思われます。

デワノタツナミソウ <シソ科 タツナミソウ属>    

 ↓ 画像はクリックで大きくなりますデワノタツナミソウ?

 

 

 

 

 

  

 



デワノタツナミソウ?















デワノタツナミソウ?

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タツナミソウ(立波草)

2011-06-24 17:32:09 | 双子葉合弁花

タツナミソウは6月頃になると山地の谷筋など、水が流れて少しジメジメとしたような

場所でよく見かけるシソ科の多年草で、和名は穂状に咲く花を打ち寄せる波の波頭に見立てたもの。

花は青紫色の唇形で、基部で曲がって立ちあがり、少し招き猫の手のような雰囲気があります。

下の唇弁は広く、特徴のある濃い紫色の斑点が見られます 。

一部は既に結実しているので、花期はそろそろ終わりに近いのでしょう。

タツナミソウ <シソ科 タツナミソウ属>  多年草  

    ↓ 画像はクリックで大きくなります
タツナミソウ                    















タツナミソウ















タツナミソウ

 

 











タツナミソウ

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ネジキ(捻木)

2011-06-22 22:29:45 | 植物(木本)

ネジキは日当たりの良い山地に多いツツジ科の落葉低木です。
葉などには、これといった特徴のない低木ですが、和名は「捩木」で、幹が捻じれながら
伸びていくことがこの名前の由来です。

6月にアセビに似た壺型の花を咲かせますが、花冠の長さはアセビが6ミリ程度なのに比べ
8~10ミリと長く、花序はアセビの円錐花序に対して、直線状に並ぶ総状花序を形成します。

アセビと同様、有毒植物ですが、材は安芸の宮島でしゃもじを作るのに使われていたそうです。

尚、別名はカシオシミと呼ばれていますが、”貸し惜しみ”なのでしょうか?  

ネジキ <ツツジ科 ネジキ属>  落葉低木

  ↓ 画像はクリックで大きくなりますネジキ

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ハリガネオチバタケ (針金落葉茸)

2011-06-20 22:42:38 | 菌類(きのこ)

暗くて湿気の多い広葉樹林の林下に生える落葉腐生菌の一種です。

腐生菌は「森の掃除屋」と言われるように、林下に積もった落葉や倒木を栄養にして分解し、
土に戻す役割をしています。

また林床が綺麗になると若木も育ちやすく、分解の過程で発生する二酸化炭素は
植物の光合成を助けるなど、所謂「毒キノコ」と呼ばれるものも含めて森では非常に
有用な役割を果たしていると言えます。
 

さて、ご覧のハリガネオチバタケ、非常に分かりやすい的確な名前を付けられていますが、
正に、細くて長い針金のような柄をもっている腐生菌です。

指先で柄を摘まんでみると、意外に固く丈夫で、樹木の根の末端が地表に出てきている
のではないかと思うような感触があります。傘の部分は開いたもので5~6ミリ程度。

  ハリガネオチバタケ <キシメジ科 ホウライタケ属>  腐生菌類

  ↓ 画像はクリックで大きくなりますハリガネオチバタケ















ハリガネオチバタケ








  

 

 

ハリガネオチバタケ

 

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オカトラノオ (陸虎の尾)

2011-06-19 20:15:29 | 双子葉合弁花

花の雰囲気はかなり違いますがサクラソウの仲間で、山野の日当たりのよい草むら に生える
オカトラノオです。

6~7月に白い小さな花を総状に咲かせますが、先端に向かって長く伸びる花序の繊細さも
さることながら個々の花の端正で清楚な姿にも人気があります。

花穂は一方に片寄って花が咲き、先端を垂れる特徴がありますが、よく似た花のヌマトラノオ
の花穂は直立し全体にまんべんなく小花を付けます。

和名は長く伸びた花穂を虎のしっぽに見立てたもので、湿地に生えるヌマトラノオと区別する
意味でオカトラノオと呼んでいます。

オカトラノオ <サクラソウ科 オカトラノオ属>  多年草 

    ↓ 画像はクリックで大きくなりますオカトラノオ
















オカトラノオ

 

 

 

 

 

 





オカトラノオ

 

 

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甘くて美味しいユスラウメ(梅桃)の果実

2011-06-18 19:59:36 | 被子植物離弁花

「梅桃」と書いてユスラウメと読むそうです。 (ちょっと読み辛いですが)

梅や桃などと同様に、古い時代に中国から渡来して一部が、人里に近い低山の麓や
里山で野生化しているサクラの仲間です。

春、サクラの咲く4月初旬には、桜に良く似た花を枝に密に咲かせますが、6月には
果実がこの様に鮮やかな赤色に熟します。

この果実を生食してみるとほんのり甘く、酸味や苦みがほとんどないので、そのまま
美味しく食べられる他、ジャムやリキュールなどに加工して楽しむことができます。

ユスラウメ <バラ科 サクラ属>   落葉低木

   ↓ 画像はクリックで大きくなりますユスラウメ

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ホタルブクロ (蛍袋)

2011-06-17 19:30:13 | 双子葉合弁花

都市化が著しいと言われる城陽市ですが、全体的には、まだまだ田園都市の性格が強く、市の
中心を少し離れて山沿いの道を歩くと、道端で、こんな花にも出会える自然が残っています。

キキョウ科で、ホタルブクロと呼ばれていますが、一般的には、昔、子供達がこの花の中に
蛍を入れて遊んだことから名付けられたと言われています。

しかし、蛍の飛び交うの時間帯は夜で、暗闇の中でそんなに上手く花の中に蛍を入れられるのだろうか?
それに、そんなに都合良く、近くにこの花が咲いているのかも少し疑問に感じます。

ただ時期的にこの花が咲くのは、蛍の飛び交う時期に合致するので、こういう遊び方もできるかなという
憶測だけのような気がしないでもありません。

ホタルブクロ <キキョウ科 ホタルブクロ属>  多年草

 ↓ 画像はクリックで大きくなりますホタルブクロ

 

 

 

 

 

  

 

ホタルブクロ


 雌蕊の柱頭は成熟すると3裂
  しますが、開花直後は閉じて
   います。
 

 

 

 




ホタルブクロ

 
   花冠の底部では開花時には
  すでに雄蕊の葯が開いていて、
  萎れたようになっています。
  雌蕊と熟する時期をずらすことで
  自家受粉を回避しているのかも
  しれません。

 

 

 

 

ホタルブクロ


 花冠の内部はこのように
 無数の毛に覆われています

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ニワトコの果実

2011-06-15 23:11:00 | 被子植物合弁花

ニワトコの実が赤く熟していました。 この季節にこれほど鮮やかな赤色を見せる果実は
他に見当たらないので、かなり目立ちます。

緑が濃くなってきた葉とのコンビネーションが見事で、中々絵になる風景を醸し出しています。
変種で黄色く熟すキミノニワトコと呼ばれるものもあるそうですが未だ見たことがありません。

ニワトコ <スイカズラ科 ニワトコ属>  落葉低木

  ↓ 画像はクリックで大きくなりますニワトコの果実

 

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テイカカズラ(定家葛)

2011-06-14 19:41:29 | 植物(木本)

テイカカズラはキョウチクトウ科の常緑蔓性植物で、山林内では茎を長く伸ばし
岩や樹木に大量に絡んでいる姿をよく目にします。

これだけ絡むと、絡まれた樹木は相当なダメージを受けるだろうなぁ~と心配になりますが
藤蔓などのように、巻きつくのではなく、付着根を使って 登るタイプなので、樹木へのダメージは
それほど強くはないようです。

平地で見られるものは、下段の画像のようなタイプが多いのですが、こちらは樹木に這い上って
いるのはあまり見たことがありません。
近畿に多いケテイカカズラではないかと思いますが、よくわかりません。

テイカカズラ <キョウチクトウ科 テイカカズラ属> 常緑つる性

   ↓ 画像はクリックで大きくなりますテイカカズラ

 

 

 

 

  

 

 

テイカカズラ

 

 

 

   

 

 

 

 

テイカカズラ

 

 ←こちらは木津川河川敷周辺で
    撮ったものですが、花の形や葉
  の形が少し違います。
  平地の石垣などで見られるものは
  こちらが多い気がしますが
  ケテイカカズラかもしれません
 

 

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サカキ(榊)の花

2011-06-11 19:54:20 | 植物(木本)

神事に用いられる榊ですが、6~7月にかけて画像のような
上品で清楚な白い花を咲かせます。

神社の杜などに植栽されたものを除くと、国内で自生するものの分布は、関東地方南部以西
から四国、九州、沖縄など暖地が中心で、東南アジアや中国の東南部にも、先祖を祀る神事に
ツバキ科の植物を用いる風習があるところから、稲作と共に南方から日本に入ってきた
史前帰化植物とする説もあります。


サカキの少ない地方では、代用品として、ヒサカキやソヨゴの枝が使われることから、区別
する意味で、サカキを別名でマサカキ(真榊)と呼んでいるところもあるようです。

 サカキ <ツバキ科 サカキ属>  常緑高木

  ↓ 画像はクリックで大きくなりますサカキの花

 

 

 

 

 

 

 



サカキの花

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キキョウソウ(桔梗草)

2011-06-10 18:11:41 | 双子葉合弁花

キキョウソウは北アメリカ原産の帰化植物で、河川敷や荒れ地に生える1年草です。
6月頃に咲くキキョウに似た形の花は、小型ながらも中々美しい花です。

春から5月始め頃までは、閉鎖花によって種子を作りますが、その後6月頃に咲く通常の
花は、昆虫を介して他の個体と花粉の交換(遺伝子の交換)する役割を担っています。

つまり、閉鎖花で確実に子孫(種子)を残し、その後、花を開いて遺伝子交換を図るという
2段構えの繁殖システムで、この辺りにも帰化植物の逞しさというか、したたかさを感じさせます。

良く似た遺伝子交換のシステムは、スミレ科にもみられますが、スミレの場合は通常の花で
遺伝子交換を行った後に閉鎖花を付けるので、順序としては全く逆です。


キキョウソウ <キキョウ科 キキョウソウ属>  帰化植物


  ↓ 画像はクリックで大きくなります
キキョウソウ















キキョウソウ

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アシナガバエの仲間 ?

2011-06-09 22:43:38 | 昆虫

テイカカズラの葉に止まっていた ハエの一種です。

体の大きさと比べてかなり長い脚を持っているのでアシナガバエの仲間ではないかと思いますが
この仲間はかなり種類が多くてその上、研究も遅れていてる分類群で、一部を除けば、
ほとんど和名は付けられていないようです。

一般的な資料に頼るアマチュアの昆虫愛好家では残念ながら、同定の深入りはできません

  ↓ 画像はクリックで大きくなりますアシナガバエの仲間

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イヌコモチナデシコ(犬子持撫子)

2011-06-08 19:39:36 | 双子葉離弁花

ヨーロッパ原産の帰化植物で、ナデシコ科の2年草(越年草)です。
木津川の河川敷では、水辺からやや離れた砂礫地で群生しているのが見られます。

河原は水辺が近いので、一見、水的条件に恵まれているようですが、砂礫は保湿力が
低く、必ずしも植物の生育に適しているとはいえません。
特に、川の水が少なくなる夏場の河原は砂漠状態と言っていいでしょう。

にも拘わらず、この植物が砂礫地を選んで進出するのは、乾燥には強いが、他の植物との
競合は苦手という性質からだと思います。

この河川敷でも、保湿力のよい粘土質を含んだ土壌でできている堤防の土手などでは
アカツメグサ、シロツメグサ、コメツブツメクサ、ミヤコグサ、カラスノエンドウなど乾燥には弱いが
競合には強いという全く逆の性質を持つ、マメ科植物が優勢で、このイヌコモチナデシコの姿は
ほとんど見られません。

  イヌコモチナデシコ <ナデシコ科 イヌコモチナデシコ属>

  ↓ 画像はクリックで大きくなりますイヌコモチナデシコ

 

 

 

 

 

 

  

イヌコモチナデシコ

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