アオジはホオジロ科の鳥で、冬期には平地の薮や河川敷でよく見られる鳥です。
しかし、同じホオジロ科のカシラダカのように北方から飛来する冬鳥ではなく、山地や高原から
比較的温暖な平地へと移動する程度です。このように季節によって、短距離の移動を行うものは
漂鳥と言って、留鳥や渡り鳥とは区別しています。
雌雄の特徴は、♂は目先が黒色をしていますが、♀には目先の黒色はなく、全体的に♂より淡い色をしています。
この時期、繁殖地には♂が先ず現れ、大きく口を開いて他の♂と威嚇し合い、縄張り争いが始まります。
♀が現れるのは、♂同志の縄張り争いがある程度落ち着き、気候のうえでも少し暖かくなる頃で、
つがいが形成されると♂は枝先でさかんに囀ります。
アオジ <スズメ目 ホオジロ科> 漂鳥
クサカゲロウの越冬成虫に出会いました。
クサカゲロウというと、温かい季節に活動する昆虫というイメージが強いのですが、実は
成虫で越冬し、小春日和の日には冬でも飛び回ります。
この仲間は、国内で約40種が棲息していますが、画像のものはおそらく、比較的どこでも見られる
ヤマトクサカゲロウだと思います。
本来は名前が示すように薄緑色ですが、越冬型はこのように黄金色と呼びたくなるような
美しい色をしています。
幼虫はアリジゴクに似た形で、アブラムシを捕食する益虫のため、生物農薬として利用されることが
ありますが、成虫はアブラムシの分泌する甘露だけを食べ、アブラムシ自体の捕食はしません。
ヤマトクサカゲロウ <アミメカゲロウ目 クサカゲロウ科>
新しい年が明けて、既に10日余りが過ぎてしまいましたが
この一週間というものは、ひたすら風邪に悩まされた日々でしたそれも、
粘性の高い痰が絡んで咳が出るため、夜もロクに眠れない厄介なタイプ・・・
こういった場合、お医者さんの対応は「水分をよく取って、体を温かくして寝て下さい。
取り敢えず咳止めを3日間出しておきます。」というのが一般的?
まあ、それですんなりと治れば問題ないんですが・・・
その後、喉の奥から次々と上がって来る痰と咳に悩まされること約1週間、ようやく
体の免疫力が風邪を克服するまで続くようです。
まあ、患者さんの本音で言えば、大事なのは、如何に速く痰を出しきってすっきりしたいかということなんでしょうが
そのためには、痰の的確な喀出方法を教えてほしいものです。
一つの方法としては、先ず水を少しづつのんで喉を湿らせておきます。次に鼻からいっぱい息を
吸いこんで息を溜め、最後に大きく口を開けてゆっくりハアッ~と息を出しきったところで咳をしてみると
案外楽に痰が出せるようです。
少し、タイトルとは無関係な話になりましたが、今日の画像は冬に北海道から渡ってくる
冬鳥のシメです。黙々とムクノキやエノキなど、ニレ科の果実を地面で食べていることが多いので、
あまり目立たないというか、地味なタイプの鳥です。
人間の世界でも言えることですが、「目立たない奴ほど面白い」というのはここでも真実で
この鳥さんにはちょっと失礼ですが、ずんぐりとしたオッサン体形?太い嘴・・・
それに極めつけは、この盗っ人面(笑)と言ったらいいんでしょうか?
頬かむりをしたようなひょうきんな表情です。
シメ <スズメ属 アトリ科>冬鳥
北海道で繁殖し、冬は本州以南で越冬する冬鳥、渡りの時期にちいさな群れを作るものの
冬場は餌場に集結するが、単独行動が多く、非繁殖期の越冬中にカップリングが成立する
ことはありません。尚、夏の繁殖期にはつがいで行動します。
葉がすっかり落ちて、裸木になった冬の雑木林を歩いてみると、枝先に黄緑色の美しい繭が
ぶら下がっているのがよく見られます。
葉がある内はこれも立派な擬態になるのですが、この時期はかなり目立つ存在です。
これはヤママユ科のウスタビガという蛾の仲間が作った繭ですが、この中に蛹は入っていません。
羽化したのは昨年の10~11月頃で、これはその抜け殻といってもいいでしょう。
雌の成虫が羽化するとすぐに雄の成虫が飛んできて交尾し、雌はこの繭の表面に産卵します。
成虫にはカイコ蛾などと同じく、吻口のような食物を採る器官はなく、羽化は生殖だけが目的で
子孫を残した後は早々に命を終えるようです。
この繭の構造を少し詳しく見て見ると、上の水平なところが出口で、左右を2本の指で摘まんで
軽く押してみると大きく開きます。
底には小さな穴が開いていますが、これは水抜き穴で、内部が水浸しになるのを防いでいます。
しかし、「本能」ということで片づけてしまえば、それはそれまでなんでしょうが、これほど複雑な
構造物をどのウスタビガも間違いなくこの形で完成させるというのはやはり不思議という他ありませんね。
尚、ウスタビガのウスタビは漢字で「薄手火」で提灯を意味するそうです。