山と自然の雑学ノート

山歩き&散歩道で出会った植物などの記録

チョウトンボ(蝶蜻蛉)

2011-07-30 23:37:53 | 昆虫

文化パルク城陽の近くの水生植物栽培池で見かけたチョウトンボです。
蝶なのか蜻蛉なのか判らないような名前が付けられていますが、トンボの仲間で
和名は後翅の幅が広く、翔び方が蝶のようにひらひらと舞うことからのようです。

光の当たる角度によっては青い金属光沢を放つ黒い翅が眺める私の目を
大いに楽しませてくれました。

飛翔写真も試みましたが、どうも衰えた動態視力とお散歩用の250㍉ズームでは
お見せできるような写真は撮れませんでした。

このトンボは流水には棲息せず、主に池や沼などで夏になると見られる種類ですが、
シオカラトンボやナツアカネなどに比べると個体数はずっと少ない方で、それだけに
此処ではまだ豊かな自然が残されているのだと思います。

チョウトンボ<トンボ目 トンボ科>

  ↓ 画像はクリックで大きくなりますチョウトンボ

 

 

 

 








チョウトンボ

 

 

 

 

 







チョウトンボ

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キリギリス(螽斯)

2011-07-25 06:56:19 | 昆虫

ギィーッス・・・チョン 声はすれども姿は見えず・・・
子供の頃からの習い性とでも言うのでしょうか?草むらの脇を通ると
今もって生い茂る夏草の中に潜む声の主が気になって仕方がありません。

もっとも今、私が手にしているのは、虫取り網ならぬデジカメ・・・

警戒心が強く、少しでも気付かれると一瞬にして草むらの奥へと姿を隠す気難しさ
がこの虫への興味をそそります。

雑食性ですが、どちらかと言うと肉食性が強く、他の昆虫を捕食しているシーンを
よく目にします。家で飼育観察する際の餌としては、ドッグフードなどの動物性が良いでしょう。

先日、新聞の折り込み広告を見ての話ですが、ホームセンター等ではこのキリギリスの♂が
1匹680円位で売られていることを知りました。

私の子供の頃には夏になると、竹製の虫籠に入れて売り歩く人がいて、ある意味
「キリギリスいらんかね~ぇ」という長閑な売り声と共に夏の風物詩ともなっていたものです。

「商品化されている」という点では、今も昔も同じなのかも知れませんが、ホームセンターで
扱われる人工養殖されたキリギリスには、どうも季節感が感じられません。

ところで、「キリギリス」は、本州~九州に生息するバッタ目キリギリス属の
総称で、亜種などを認めず、単一の種類と見なしていた時代の標準和名です。

バッタ類の研究が進んだ現在では生息地域や形態の違いから、少なくとも
ニシキリギリス亜種とヒガシキリギリス亜種に分類され、さらに各地に生息する
ものの変異からの細かな分類がすすめられています。

主なものでは、シコクキリギリス(四国)、ミナミキリギリス(九州)、ツシマキリギリス(対馬)
フジサワキリギリス(藤沢市)、ヤマキリギリス(中部山岳地帯)などがありますが、
昆虫の分類では比較的研究が遅れている分野で、未分類のものも多く、それだけに
興味深いものがあります。

ただ一般的な知識としては、ヒガシキリギリスとニシキリギリスの2系統がある
ということでよいような気がします。

ヒガシキリギリスに属するものの特徴としては、一般的に翅が腹端に比べてかなり短く、
それに対してニシキリギリスに属するものでは腹端とほぼ同じ長さになります。
この特徴から判断すると、画像のものは多分、ヒガシキリギリスでしょう。

尚、北海道にはハネナガキリギリス、沖縄県ではオキナワキリギリスが生息しますが
本州~九州に生息するものとは別系統に分類されているようです。 

   ↓ 画像はクリックで大きくなりますキリギリス♂

  

 ヒガシキリギリスと思われる♂の個体
 翅は腹端よりかなり短い
 名前から関東以北の分布と
 思われがちですが少なくとも
 近畿では両者は混生しています。

 

  



キリギリス♂

 

 

 

 

 

 


キリギリス♀

 

 此方は剣のような産卵管を持つ
 ♀の個体です

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ヒバリの若鳥

2011-07-23 23:07:29 | Weblog

水田にまだ水が張られている今の時期、農道で昆虫や草の種を啄んでいる
ヒバリの姿をよく見かけます。

どうやら、この春に生まれて成鳥になったばかりの若鳥たちのようです。
春に空高く囀って縄張り宣言をしていた警戒心の強い親鳥とはちがって、警戒心は
それほどでもないようで、小さな群れでの行動しているようです。
冠羽を立てていないなど、どこか幼い雰囲気を残しています。

  ↓ 画像はクリックで大きくなりますヒバリの若鳥

 

 

 

 

 







ヒバリの若鳥

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シオカラトンボ(塩辛蜻蛉)

2011-07-20 17:47:26 | 昆虫

シオカラトンボは人里近くで最もよく見られるトンボで、和名は成熟した雄の胸部や腹部が
青白く塩が吹き出したような体色に変化することに由来します。

雌や未成熟の雄は地色の黄色に黒い斑紋があり、ムギワラトンボと俗称されます。

一般的に体色が青白く変化するのは雄だけで、雌は変化しませんが、稀に見られる
同色型(アンドロモルフ)と呼ばれる雌は、雄のように体色が変化します。

同色型の雌は複眼の色が緑色をしていているので、複眼の色が青い雄とは見分けが
可能と言われますが、実際にはかなりの観察慣れが必要でしょう。

シオカラトンボ <トンボ科 トンボ亜科>

   ↓ 画像はクリックで大きくなります 
シオカラトンボ♂

 成熟した♂の個体
 複眼の色は青色で
 腹部第8節~10節
 は段階的に細くなり
  スマートな楔形

 

 

 

 


シオカラトンボ♀

  

 成熟した♀の個体、腹部第8節は
 ♂に比べ太く、ややずん胴、
 複眼は緑色









 

シオカラトンボ未成熟♂

 

  此方は腹部が少し青くなってきた
 ♂の未成熟個体と思われます。

 



 

 

 

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ハグロトンボ(羽黒蜻蛉)

2011-07-19 21:54:08 | 昆虫

他のトンボのように、素早い動きやホバリングをせず、黒っぽい翅をまるで蝶のように
ひらひらさせて飛ぶトンボです。

平地の農業用水路など、比較的流れが緩やかで、水草の生える環境で発生することの多い
カワトンボの仲間です。

若い成虫は水辺を離れ、薄暗い環境で群れているので、体色が黒っぽいことと合せ
あまり良い印象はありませんが、成熟すると水辺に近い明るい環境で個別に縄張りを
作ります。

♀は画像のように全身が黒っぽい色をしていますが、♂は腹部が金属光沢のある
緑色をしていることで見分けられます。

 ハグロトンボ<カワトンボ科>

   ↓ 画像はクリックで大きくなりますハグロトンボ

 

 

 

 

 

 

 

 
ハグロトンボ

 

 止まっている時も
 時折、蝶のように
 翅を開きます。

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アオモンイトトンボ(青紋糸蜻蛉)

2011-07-18 09:33:19 | 昆虫

水田で見られるイトトンボの代表的なもので、♂の腹部第8節と9節
美しい空色をしていることから、アオモンイトトンボと呼ばれています。

体長が約4㌢ほどの小さなトンボで、水面近くに飛びまわるブユなどの微小な
昆虫をホバリングしながら捕食します。

近似種には本種より少し小さな体をしている、アジアイトトンボがいますが、
腹部の第9節と10節が空色になっていることで区別できます。
但し、何れも4㌢以下の小さな昆虫なので、捕獲してルーペで観察するか
写真を撮って確認するしかありません。

♀には同色型と異色型があり、異色型の♀の未成熟の個体は全身が美しい
オレンジ色をしています。

アオモンイトトンボ<イトトンボ科 アオモンイトトンボ属>

  ↓ 画像はクリックで大きくなりますアオモンイトトンボ(♂)

 

 

 

 

 

 




アオモンイトトンボ(異色型♀)

 

 

 

 

 

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アオメアブ(青目虻)

2011-07-15 22:20:24 | 昆虫

緑色に輝く美しい複眼と黄褐色の体が特徴のムシヒキアブの仲間です。
画像の個体は木津川堤防の土手で撮りました。

お洒落な外観とは裏腹に生態は至って獰猛で、コガネムシやトンボなど、他の昆虫の
背後から長い脚で抱きつき、その体液を吸います。

静止状態からの行動は素早く、これに狙われた獲物はまず逃れることはできません。

アオメアブ<ハエ目 ムシヒキアブ科>

   ↓ 画像はクリックで大きくなりますアオメアブ

 

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トノサマガエル(殿様蛙)

2011-07-14 22:39:40 | Weblog

トノサマガエルは以前は水田で見られる蛙の最優占種でしたが、現在ではその地位を
ヌマガエルなどに奪われた感があります。

原因としては、稲の品種改良によって、出穂から収穫までの期間が短いものが栽培される
ようになり、水田に水の張られる期間も昔に比べて短くなっていることが考えられます。

現在このトノサマガエルが多く見られるのは、水田よりもその周囲の用水路などで、より安定した
水量に恵まれた場所です。

城陽市内に生息する近似種としては、ダルマガエルがあげられますが、両者の明確な識別ポイントと
しては、トノサマガエルには鼻先から尻まで背中線と呼ばれる明確な線模様があることです。

意外に思われるかも知れませんが、トノサマガエルは西日本の固有種で、関東以北には
生息していません。関東でトノサマガエルと呼ばれるものの多くはトウキョウダルマガエルで
背中線のないダルマガエルの仲間です。

しかし、トノサマガエルにも個体による変異が多く、背中線の不明確なものや、全く無いものも
観察されるので、背中線が無いというだけではダルマガエルであるという同定はできません。

   トノサマガエル<アカガエル科>

  ↓ 画像はクリックで大きくなりますトノサマガエル

 

 

 

 

 

 

 



トノサマガエル

 

 

 

 









トノサマガエル


 








 

 

トノサマガエル


 この個体もトノサマガエルだと
  思いますが
 背中線は見られません。
 

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ガガブタ(鏡蓋)

2011-07-07 06:57:43 | 双子葉合弁花

ガガブタは池や沼に生える浮葉植物で、7~9月に葉柄の基部から多数の花茎をのばし、
先端に白色の小さな花を付けます。

花冠は2㌢ほどで深く5裂し、さらに裂片の縁は糸状に細かく裂けます。
開花しているのは午前中だけで、昼過ぎには水中に沈んで見えなくなります。

比較的、岸辺の浅い所で繁殖し、特に水深の浅い所では水底の泥に根を下ろして定着しますが
水深の深い所では根を下ろさず、水面を浮遊しています。

絶滅危惧種ではありませんが、最近は生息できる環境が少なくなったこともあり
見る機会はかなり少なくなったように思います。

和名は「鏡蓋」で、丸く艶のある葉を鏡に見立てたものですが、ガガはスッポンの別名でもあり
何らかの関連があるかもしれません。

ガガブタ <リンドウ科またはミツガシワ科 アサザ属>  多年性浮葉植物

  ↓ 画像はクリックで大きくなりますガガブタ

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アブラコウモリの赤ちゃん

2011-07-05 21:48:22 | Weblog

我職場の商品倉庫は屋根と壁の間に少し隙間 のある構造上、スズメや小動物の侵入が絶えません
その中でも夏期に侵入の著しいのがこのアブラコウモリです。

京都の南部地域はこのアブラコウモリが多く、糞害に悩まされているところが少なくありません。

朝、倉庫の中を見渡してアブラコウモリの姿を見るのは珍しいことではありませんが、よく見ると
まだ体に毛も生えていない赤ちゃんコウモリです。

この動物との付き合いは長いのですが、まさかここで子育てをしていたとは・・・・


しかし動物の赤ちゃんというものは、あの恐ろしいライオンでさえ可愛いものですが、これは何とも
グロテスクとしか言いようがありません。

ネットで調べてみると「6~7月に子を産む」と書かれていました。・・・・なるほどね


アブラコウモリ <コウモリ亜目 ヒナコウモリ科>

  ↓ 画像はクリックで大きくなりますアブラコウモリ

 

 

 

 

 

 

 

 

アブラコウモリ

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