山と自然の雑学ノート

山歩き&散歩道で出会った植物などの記録

野生朝顔(外来種)

2012-09-29 16:41:24 | 双子葉合弁花

連日の猛暑続きであった今年の夏もようやく終息し、いよいよ本格的な秋が始まりました。

気が付けば来週の月曜日は早や10月・・・もうそんな時期なんですね~

 

田園都市とでも言ったらよいのか、都市化が進んでいるとはいえ、まだまだ農地の方が多く、

住んでいる地域を都会と田舎に分けてしまえば、やはり

田舎と呼ぶ他はないであろう我が城陽市・・・

良い点と言えば身近な自然を通して、季節の移り変わりを

肌身に感じられることでしょうか?

 

農地では特産の無花果や寺田芋と呼ばれるサツマイモなどが収穫期を迎えています。

この時期に市内の農地や小川の畔を歩いていていて

特に目に付くのが、道端の草に蔓を絡めて咲いている野生の朝顔です。

園芸種の朝顔は既に花期の終わりを迎えていますが、此方はこれから花の最盛期を

迎えようかというところ、11月の末頃までは花が楽しめそうです。

植物分類学的にはヒルガオ科サツマイモ属となり、サツマイモの仲間です。

アメリカアサガオ <ヒルガオ科 サツマイモ属>

名前からも分かるように、熱帯アメリカ原産の朝顔で、路傍の雑草やフェンスの金網 に

絡まって咲いているのをよく見かけます。

日本朝顔に似た青い花ですが、花柄は短く、花冠の径は3cm位、中間に肥厚した抱葉

が一対あるのが特徴です。葉は朝顔のように3裂したものと丸葉のものがありますが、

丸葉のものはマルバアメリカアサガオと呼んで区別されることもあるようです。 アメリカアサガオ

 









 

 



 アメリカアサガオ


 


 

 

 

 

 

  

 

 

マメアサガオ <ヒルガオ科 サツマイモ属>

帰化種の朝顔では最も繁栄した種類ではないかと思います。

畑地、小川の畔、道路の分離帯、列車の線路沿いなど、比較的に水的条件に恵まれた

場所では圧倒的な繁殖力を見せています。

和名は「豆朝顔」で、花冠の径が約1.5~2.0cmと小さいことから名付けられたものです。

同属のホシアサガオとの相違点は、葯がやや濃いめの赤い色をしていること、顎が

肥厚していて種子ができると反りかえること、花柄に疣状の突起が見られること等で見分け

ることができます。(いずれも帰化植物です)

また、葉の形は朝顔ように3裂したものから丸葉まで多くの変異が見られます。

第2次世界大戦直後、野菜の種子や穀物に混じって上陸したと考えられています。 

マメアサガオ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マメアサガオ

 

 

 

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ツルマメ(蔓豆)

2012-09-25 21:48:46 | 双子葉離弁花

ツルマメは明るい草地などに生える蔓性のマメ科植物で、考古学的には縄文時代の土器に

ツルマメ種子の圧痕が発見されていることなどから、日本で栽培される大豆は本種の改良した

ものと考えられています。

8~9月に葉の脇に咲く蝶形で紫色の花は約8㌢ほど、10月にできる豆果は長さ2~3㌢で

齧ってみると確かに大豆の味がします。

ツルマメ <マメ科 ダイズ属> 1年草

ツルマメ















ツルマメ















ツルマメ

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クサネム(草合歓)

2012-09-24 21:44:57 | 双子葉離弁花

水田や川の畔になどに生えるマメ科の1年草です。

花期は8~10月頃と比較的長いので、撮る機会はたっぷりあると思っていましたが

ふと、近所の水田を見ると既に豆鞘(節果と呼びます)ができてしまっていました。

約1時間ほど畦道を歩いて、ようやく花の残っているものを見つけて撮ったのがこれです。

約1㌢程の蝶形で淡黄色ですから、離れて見ている分にはどうっていうことのない花ですが、

近付いてジックリ見ると、中心部の朱色のグラデーションは中々絵になります。

クサネム <マメ科 クサネム属> 1年草 

和名は草でありながら葉がネムノキのように、夜になると休眠運動で閉じることから

クサネム















クサネム

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ヒヨドリジョウゴ

2012-09-23 22:32:45 | 双子葉合弁花

林の縁などの中低木に絡むナス科の多年草、ヒヨドリジョウゴの花です。

大きさは約1㌢程の白い花なので、目立つ存在ではありませんが、形は5枚の花弁が

極端に反った個性的なものです。

10月下旬頃から果実が赤く熟すと途端に人目を引くようになり、和名は「この果実を

ヒヨドリが好むことから」と言われていますが、この果実は有毒で、実際にヒヨドリが食べる

かどうかは疑問です。

ヒヨドリジョウゴ <ナス科 ナス属> 多年草 蔓性ヒヨドリジョウゴ

 















ヒヨドリジョウゴ

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ホオノキの果実

2012-09-19 22:12:27 | 被子植物離弁花

このところ、朝夕は”めっきり涼しくなりました”とは言えないまでも、少しは初秋を

感じさせる気温にまで下がってきました。

それでも今日の最高気温は31.8℃と、9月半ばにして未だ”30℃越え”をキープして

いるのは凄いと言えば凄いことですね。


ただ、今夏と今秋のこうした猛暑の天候は、紅葉には好条件だというのが大方の見方で

今年の紅葉は時期は平年並みで、色は鮮やかということです。

まだ少し先の話になりますが、大いに期待してもいいんじゃないでしょうか。


さて、今日の画像ですが、さあこれは何でしょうか?

実はこれ、ホオノキの果実なんです。

花は大きくて優雅な雰囲気なので人気も高く、また大きな葉は朴葉味噌などに使われて

いるので、それなりによく知られています。

しかし、果実となると・・・姿が美しいということもないし、食べられるという話も聞いた

ことがありません。

当然ながら注目度も低いのですが、研究熱心な(物好きな)人もいて、この中にある

種子を齧ってみると、ミョウガのような香りがするそうです。

民間薬として風邪、嘔吐、疝気に用いられることもあるようですが、詳しいことは分かりません。

<モクレン科 モクレン属 落葉高木>

ホオノキ果実

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ミヤマアカネ(深山茜)

2012-09-14 21:41:13 | 昆虫

翅の縁紋から内側へ褐色の太い帯状の斑紋がある少し珍しいアカトンボです。

和名にミヤマ(深山)と付いていますが、それほど深い山ではなく、里山などの中流あたりで

見ることが多い種類です。

一度飛び立つと、かなり遠くまで移動するので、撮影は慎重さが必要。

画像の個体は翅の縁紋が赤みを帯びているので、♂だと判断できます。

♀はこの部分が白色で、腹部の色はもう少し淡く、どちらかと言うと黄色に近い橙色です。

分布は東日本に多く、西日本ではやや少ない。

ミヤマアカネ <トンボ科 アカネ属>

ミヤマアカネ

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キマダラカメムシ 北上を続ける南方系昆虫

2012-09-11 22:46:29 | 昆虫

キマダラカメムシは、外来種の大型カメムシです。日本国内で見られるカメムシの仲間では

恐らく最大で、体長は約25~30㍉程あります。

原産地は台湾~南西諸島と見られていますが、日本への渡来は古く、1770年には既に

長崎の出島で棲息が確認されています。

その後は、この昆虫についての記録はあまりなく、九州限定種であると思われていましたが

近年、先ず四国で発見され、その後近畿地方で、更に昨年は東京など関東地方でも発見されるなど、

着実に生息域を北に広げているようです。

食草は一般にソメイヨシノなどの桜類や、その他の街路樹が多いと言われていますが、

木津川の河川敷などでは、イネ科の植物や笹の葉などに止まっているのもよく見かけます。

特に食草には拘らないのは、この昆虫にとっては有利な条件でしょう。

在来種の昆虫の種類や数が減少する一方、こういった南方系の外来昆虫が急速に増える

傾向は今後も続きそうな気配です。

 

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カエデドコロ(楓野老)

2012-09-09 22:41:14 | 単子葉類

8月16日の記事で、ヤマノイモの仲間の葉による見分け方について書きましたが、新たに

もう一種、カエデドコロを追加します。

ヤマノイモの仲間の葉はほとんどがハート形をしていますが、このカエデドコロは珍しく

3~9裂した卵心形で、カエデの葉に似ているところから、この名が付けられています。

雌雄異株、花被片は6個で黄橙色が特徴。

オニドコロと同じく、ムカゴは付けず、繁殖は主として種子によって行われますが、

分布はオニドコロに比べて、ずっと少ない方だとおもいます。

紛らわしい名前のものでは、モミジドコロというのがありますが、これとは別品種。

カエデドコロ <ヤマノイモ科 ヤマノイモ属> 多肉根は有毒

カエデドコロ















カエデドコロ

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ツルボ(蔓穂)

2012-09-08 16:57:54 | 単子葉類

このところ西日本では日常化している午後3時を過ぎての突然のゲリラ豪雨、この時間帯を

主に車で移動している私には殆んど影響はありませんが、歩いている人を見ると突然の雨に

対応できず、びしょ濡れという方も結構多いようです。

 

雨が日常化しているのなら、傘を持ち歩けば良いと思うのですが、相変わらず若者を中心に

日本人の傘離れは進んでいるようです。

雨が降るまでは邪魔物意外の何物でもない、最近のように洗車機の中を通るような突然の

豪雨では、傘をさしてもささなくても一緒だ、家へ帰るのだから少々濡れても良い、などがその

理由のベスト3に挙げられています。

 

下校時の中学生や高校生では、雨に濡れることは既に織り込み済みなのか、雨の中を

平然と歩いているのが普通で、それを見て「気の毒に・・・」などと要らぬ心配をするのは

昭和生まれの我々団塊世代だけなのでしょか?

 

さて、ところで先週の金曜日が二十四節季の一つ「白露」でした。

「中々、暦通りには涼しくならないな~」と思っていましたが、今朝は近くを流れる川の畔で

生えている草に露が付いているのを発見しました。 

3日遅れとはいえ季節はゆっくりと秋に向かっているのは間違いなさそうです。

 

今日の花は木津川の土手で目立ち始めたユリ科の多年草、ツルボです。

タイトルの右の括弧内に漢字表記しています”蔓穂”は一般的に使われているものですが

和名の由来ははっきりしていないそうで、鱗茎が丸く、ツルツルしていることから”ツル坊”

とする説もあるようです。

通常の花期が8月~9月ですから、先ずは順調に咲いていると言っていいでしょう。

咲くべきものが咲いているというのは、何となく安心感があります。

ツルボ <ユリ科 ツルボ属> 多年草

ツルボ















ツルボ

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スズメウリ(雀瓜)

2012-09-02 22:28:05 | 双子葉合弁花

9月に入って、さすがに朝夕は少し涼しさを感じるようになりましたが、手紙の書き出しで

「朝夕はめっきり涼しくなりました・・・云々」と書くような状態でもなさそうです。

こんな時期を「初秋」と呼ぶべきか、それとも「晩夏」といったほうがいいのか・・・などと少し

悩むところですが、最近は通信手段の I T 化で手書きの手紙などほとんど見ることも書くことも

随分と少なくなりました。

こんな時、久しぶりに誰かに手書きの手紙をもらったりすると、何とも新鮮で飛び上がりたいほど

幸福な気分になれるから不思議なものです。

秋は手紙を書いてみるにはいいシーズンかもしれません。

ところで、街の公園などでは、キョウチクトウ、ムクゲ、サルスベリなどの夏の花が未だ元気に

咲いていて夏健在といった感じですが、山野では既に秋の草花が顔を出し始めています。

今日の画像は、木津川河川敷の草むらで見付けた可愛いスズメウリの花と果実です。

スズメウリ <ウリ科 スズメウリ属>

ウリ科の1年草ですが、蔓の先端が地中に潜って越冬することもあります。

果実は径が1cm程で、熟すると白くなり、カラスウリに対して、ずっと小さいことから

スズメウリの名が付けられています。
スズメウリ

 

 

 

 

 






スズメウリ

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