奇妙な姿をしたこの虫はバッタ目コオロギ科に属する昆虫で、ケラ(螻蛄)と呼ばれています。
一般的には”おけら”の名で親しまれていますが、姿に馴染みがないのは、土中でミミズや草の根など
を食べて生活しているからでしょう。
しかし、この時期には水の張られた水田から退避して、地上に姿を現すことがよくあります。
6本の肢の内、前肢はモグラの前足のように平たい形で、土中を掘り進むのに特化しています。
全体の姿を見る限り、とても空中を飛べるようには見えませんが、広げると意外と長い後翅で、空中を
飛んでの移動も可能だそうです。(私は見たことありませんが)
ケラ <バッタ目 コオロギ科>
さて、ところで競馬などの賭け事に負けて、お財布が空っぽになることを俗に「オケラになる」などと
申しますが、語源はやはり、この虫に由来しているようです。
この虫を前から眺めると両手を挙げてギブアップしている、つまりお手上げ状態に見えるとか?
で・・・実際に前から撮ってみました
ギブアップに見えるかどうかは御判断にお任せするとして、けっこう可愛い顔してますね
競馬に負けてこんな可愛い顔はできんじゃろ???
カメムシの仲間は、いわゆる不完全変態で、孵化した幼虫は概ね成虫と同じ体形で成長し、蛹という
過程を通らず成虫になります。
しかし、模様や色はその間に同じ昆虫とは思えないほどの色んな変化を見せます。
この3枚の画像は、いずれもミナミアオカメムシの幼虫で、上段から順に、3齢幼虫、4齢幼虫、
5齢幼虫となります。
成虫はアオクサカメムシなどと同じ単色の緑色で、違いを見分けるのはかなり難しくなります。
こういった不完全変態をとげる昆虫の場合は、昆虫図鑑も、成虫の画像だけでなく、幼虫期の姿を併載するか
幼虫図鑑のようなものがあると便利なのですが、作った図鑑が売れるかどうかという出版社の事情から
考えるとかなり難しいのでは?
ところで、カメムシと言えば、敵から攻撃を受けた場合に発するあの悪臭が頭に浮かびますが、
中学生時代に、小型のカメムシを捕えるのに吸虫管という器具を使ったことがあります。
筒型のガラスビンから2本のビニールチューブ出ていて、その一本を虫に近づけ、もう一本のチューブを
吸うことで、小さな昆虫を吸い取るというものですが、吸い取った瞬間に口中が悪臭に満たされ
喉の奥は毒ガスの刺戟でヒリヒリ・・・改めてこの虫の持つ化学兵器の威力を思い知らされたものです。
ミナミアオカメムシ <カメムシ科 アオカメムシ属>
元々熱帯地域に住むカメムシですが、荷物や船舶などに伴って日本に上陸した帰化昆虫です。
稲に被害を与えるアオカメムシの仲間ですが、特定の植物を食べる単食性ではなく、幅広い植物の茎から
汁を吸って生きているようです。
私にとって久しぶりの山行になりますが、2年前に一度登った奥秩父の甲武信岳です。
今回は、見ごろを迎えた十文字峠のアズマシャクナゲを見るのが目的で出かけました。
幸い、十文字峠のアズマシャクナゲは丁度見頃で、美しい花を存分に見ることができました。
出発地点の毛木平駐車場付近の雑木林に咲き乱れるコナシ(別名ズミ)の純白の清楚な花は
とても素敵で、華やかなシャクナゲの花とはまた別な感動を与えてくれました。