山と自然の雑学ノート

山歩き&散歩道で出会った植物などの記録

カンザキアヤメ (寒咲き菖蒲)

2011-02-28 06:44:30 | Weblog

城陽市内を歩いていて菖蒲らしい花が咲いているのを見つけました。

我が城陽市は地下水や無数の小川など、豊富な水に恵まれていることから、菖蒲や

カラーなどの水生植物の栽培が盛んなところです。

特に菖蒲は「市の花」にも選ばれ、市章にも菖蒲をデザインしたものが

使われているほどで、城陽市のシンボルともなっています。

ですから、市内を歩いていて菖蒲が見られるのは当たり前と言えば当たり前・・・

しかし、少し春の兆しがみえてきたとはいえ、今はまだ冬の寒さが残る2月末です。

園芸種の花には門外漢の私ですが、冬に咲くこんな菖蒲があるとは全く知りませんでした。

調べたところ、地中海沿岸~西アジアが原産地の菖蒲で、日本では2~3月に咲くことから、

和名は「寒咲き菖蒲」と名付けられている品種のようです。

葉は日本産の菖蒲に比べて細く、深い緑色で、花茎は葉に隠れるほど短いです。 

      カンザキアヤメ <アヤメ科 アヤメ属>  常緑多年草  地中海沿岸原産

               ↓ 画像はクリックすると大きくなります

 

 

 

 

 

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シロハラ (白腹)

2011-02-26 22:41:11 | Weblog

シロハラは中国東北部からロシア沿海地方にかけて繁殖するツグミの仲間で、10月頃に越冬のため

 本州の中部以南の暖地に渡来する冬鳥です。

体形はツグミによく似ていますが、腹部が全体に白く、ツグミに見られる胸部の斑模様がありません。

越冬中は林下の地面を跳ね歩き、落ち葉の下にいる昆虫の幼虫や、ミミズなどを探して食べます。

雌雄はほぼ同色ですが、雌は顔や腹部が白っぽく、薄い眉斑があります。

尚、この鳥は冬鳥でありながら、近年、中国山地の一部では春になっても渡去せず、繁殖するものが

確認されています。

            シロハラ <スズメ目 ツグミ科>    冬鳥

            ↓ 画像はクリックすると大きくなります

 

 

 

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ハシビロガモ (嘴広鴨)

2011-02-25 06:43:58 | Weblog

中国東北部やシベリアから越冬のために日本に飛来する淡水ガモの仲間です。

雄はマガモのように頭部が緑色をしていますが、マガモに比べると少しくすんだ緑色で、

 嘴の色は黒く、名前が示すように、大きくて幅の広いのが特徴です。

カモの仲間は、嘴の縁が櫛の歯のようになっていて、食物を濃し取ってたべますが、ハシビロガモは

 櫛の歯が細かく、他種のカモが食べられないほど小さなプランクトンや草の実も食べます。

            ハシビロガモ <カモ目 カモ科>    冬鳥

             ↓画像はクリックすると大きくなります

           ↓ 此方は♂のハシビロガモ、羽衣羽と呼ばれる繁殖羽の成鳥です。嘴は黒く
            眼の虹彩は黄色い色をしています

           ↓ 此方は♀のハシビロガモ、全体に褐色で、黒褐色の斑模様があります。
            嘴は黒褐色で目の虹彩は黒い

 

 

 

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ホシハジロ (星羽白)

2011-02-23 06:56:34 | Weblog

再び京都府宇治市の木幡池に来ています。今日のUPはホシハジロです 。

潜水して食物を採る海ガモの仲間ですが、先日UPしましたキンクロハジロなど共に、淡水域を好み

海に出ることはほとんどなく、主に湖沼や池などで生活しています。

また、市街地の調整池や大きな池のある庭園や公園に飛来することも多く、比較的身近に見られる種類です。

冬期に越冬のため渡来するこの鳥の主な繁殖地はシベリア地方と思われますが、日本でも夏の北海道で

一部が繁殖するといわれています。本州以南で見られるのは10~4月位まで

          ホシハジロ <カモ目 カモ科>    冬鳥

             此方は♂、頭部から首が赤褐色で、眼は赤い色をしています

            ↓ 画像はクリックすると大きくなります

            此方が♀、頭部から首は褐色、眼は黒に近いこげ茶 

         ディスプレーと呼ばれるカモ類共通の求愛ポーズ、一般的には♂が♀に対して行いますが、
          この個体は♀です。単なる羽繕いの動作かも?

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トラツグミ (虎鶫)

2011-02-21 19:37:09 | Weblog

昨年はNHKの人気ドラマ「ゲゲゲの女房」の影響で、ちょっとした妖怪ブームが生まれましたが、

日本の伝説上の妖怪で鵺(ぬえ)と呼ばれるものがあります。勿論、想像上の生き物ですが、

その姿たるや、顔は猿で胴体は狸、手足が虎で尾は蛇というものだそうです。

昔の人はこんな生き物が本当に居ると信じていたようで、夜になると「ヒューヒュー」と寂しげで

気味の悪い声が森の何処からともなく聞こえてくると「あれは鵺の声に違いない」と思ったそうです。

後世になって声の主がこのトラツグミだということが判明してからも、鵺鳥(ぬえどり)などと呼ばれ

不吉な凶鳥として長い間、人々に忌み嫌われていたようです。

 

このトラツグミは主として森林の中で生活し、林床の落ち葉を掻き分けて、隠れているミミズや昆虫を

食べますが、冬期には木の実なども食べます。生活型は留鳥または漂鳥で、寒冷地に生息するものは

冬期に暖地移動しますが、ツグミのように長距離の渡りはしません。

大きさはツグミ類の中では最大で、ヒヨドリと同じ位です。

            トラツグミ <スズメ目 ツグミ科>     留鳥または漂鳥

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ヤブツバキ (藪椿)

2011-02-20 19:42:17 | 被子植物離弁花

ヤブツバキは本州以南の山地や沿海地に自生する野生のツバキで、「聚楽」や「京唐子」など、いくつかの

園芸種ツバキのルーツでもあります。

園芸種には斑入りや八重の美しいものが数多くありますが、清楚さや凛々しさなど、ツバキの花が持つ本来の

美しさからいえば、やはりこのヤブツバキに尽きるのではないでしょうか。

           ヤブツバキ <ツバキ科 ツバキ属>   常緑高木

            ↓ 画像はクリックすると大きくなります

 

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梅の花

2011-02-19 06:29:02 | Weblog

昨日、私の携帯電話に何通かのメールが入っていました。「お誕生日おめでとうございます・・・」

あまり意識はしていませんでしたが、そう言えば確かに誕生日・・・

人からお祝いメッセージをもらって始めて自分の誕生日に気付くのも変なんですが、

還暦を過ぎてからというもの、この日は改めて自分の「老い」を知らされる日のように思えてなりません。

私には、誕生日が近付いたことを優しく教えてくれるものがもう一つあります。

それがこの梅の花、毎年蕾が膨らんでちらほら咲き始めるころが私の誕生日です。

此方は春の足音を聞くようで、なにかほのぼのとしたものを感じさせます。

春を待ちわびて美しく咲くこの花のように、本当はこの日を無事に迎えられたことを素直に喜ぶべきでしょうね

            ↓ 画像はクリックすると大きくなります

 

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カイツブリ (鳰)

2011-02-17 21:33:58 | Weblog

カモ類と生活圏を共にしていることや、足にひれがあることなどでカモの仲間と思われがちですが、分類上は
カイツブリ目・カイツブリ科として区別されています。

潜水が得意で、水に潜って、小魚や水生昆虫などを食べますが、潜った場所からかなり離れた水面に浮かび上がる
ことが多いようです。カモ類との外観上の大きな違いは、嘴が平型ではなく、先端が尖ることです。

           カイツブリ <カイツブリ目 カイツブリ科>  留鳥

            ↓画像はクリックすると大きくなります

           可愛いイメージとは異なり、目は意外に鋭い

 

 

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マヒワ (真鶸)

2011-02-15 22:54:55 | Weblog
冬になると越冬のため中国東北部などから飛来するアトリ科の冬鳥で
大きな群れで行動し、波がうねるように群れで波状飛行を見せます。

カワラヒワと比べると黄色い部分が多く、やや華やかな色合いで、
体の大きさはカワラヒワよりやや小さい。

実際はこの画像よりずっとスマートな体形をしていますが、この日は気温がかなり低く
寒さに耐えるために体を大きく膨らませています。

カワラヒワ <スズメ目 アトリ科>  冬鳥(北海道と東北の一部では漂鳥)

雄(↓)は頭頂部と喉が黒く、顔から腹は黄色で、下腹の脇に縦斑が数条あります


雌(↓)は上面が黄緑で、下面は黄白色に縦縞が混じり、頭頂部と喉は黒くありません。


枝先に木の実が少なくなったこの時期は地上で落ちた種子などを啄んでいることが多い
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クロジ (黒鵐)

2011-02-13 09:29:35 | Weblog
暗い森林に住む黒い鳥、その上、枝の入り組んだ低木の下などに居ることが多いため
人目に触れることは少なく、一般的には馴染の薄い鳥だと思います。

しかし、雄は黒に近いダークグレーの色合いが何とも素敵で、私の好きな鳥の一つです。
警戒心が強いと聞いていましたが、餌探しに忙しい?のか、此処ではそれほどでもないようでした。

普段は低木の下で地上の種子などを食べていますが、繁殖期には昆虫など動物質も食べます。
生活型は基本的に留鳥または冬期に国内で暖地移動する漂鳥ですが、サハリンやカムチャッカ半島に
生息するものは冬鳥として本州中北部まで飛来するそうです。


クロジ <スズメ目 ホオジロ科>  留鳥または漂鳥

此方は♂の個体、和名が示すように黒い色をしています。暗い森の中では見付けること自体が困難です




此方は♀の個体、少しアオジに似ていますが、頭部の縞模様が特徴、腹部は黄色くありません。




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バン (鷭)

2011-02-11 22:13:46 | Weblog
今朝は温暖な京都の南部地域としては珍しく夜半から降った雪が少し積もっていました。
しかし雪が積もったといっても湿気の多い”ベタ雪”で正午過ぎには雪も止み、積もった雪の
ほとんどが溶けてしまいました。

午後からは少し日差しもあったので、宇治市の木幡池に水鳥の観察に出かけました。
画像は池畔の農地で餌を探しているところを見つけたクイナ科の鳥、バンです。

クイナほどではありませんが、警戒心が強く、今日はこれ以上近付いての撮影は
できませんでした。

八幡市の三川合流付近では時々見る鳥ですが、この木幡池で見るのは初めてです。
分類学上は「ツル目」ということですから、姿は少々ブサイクでも鶴の遠い親戚
ということになるのでしょうか?

雑食性で水中では浅瀬を歩いて昆虫や草の実などを食べます。一応泳ぐこともできますが、
足に水かきは無く、あまり得意ではありません。

繁殖は1シーズンに2~3回あり、雛の成長は早く、最初に生まれた雛は2回目以降の
子育てを助けるという親孝行な習性を持っています。


バン <ツル目 クイナ科>  留鳥または漂鳥

画像で見ると大きな鳥のように見えますが、全長は32㌢程、ハト位の大きさです。


嘴に続く赤い部分は額板と呼ばれますが、この個体は繁殖期前の若鳥で額板はまだ未発達です
繁殖期には赤い部分が頭頂部近くまで届く大きさになります。


此方は赤い額板が発達していない若鳥
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天ケ瀬ダムのヤマセミ (山翡翠)

2011-02-09 19:34:25 | Weblog
ヤマセミは一般に警戒心が強く撮影が難しい鳥と言われています。
宇治川上流にある天ケ瀬ダムは近年ヤマセミの生息地として多くの野鳥愛好家に
知られるようになりました。

最近は週末になると朝早くから撮影ポイントには10名を超える人達が高倍率の単焦点レンズを
付けたデジタル一眼レフやデジスコを構えて待機しているのがよく見られます。

しかし、ここに来れば必ずこの鳥に出会えるかというと、事はそれほど簡単ではなく、3~4時間
待っても1度も現れないこともざらです。

また、カワセミなどとは比べ物にならないほど警戒心が強く、100㍍離れていても危険を感じると
すぐに飛び去ってしまい、しばらくは同じ場所に戻ってこないのも撮影する上で厄介な問題の一つです。

私の職場からここへは車で10分足らずで行けるので、昨日は昼休みの時間帯を利用して偵察に
出かけました。

撮影ポイントに到着してしばらくすると、上流方向から鳩より少し小さい位の鳥が飛んできて対岸に
止まるのを発見! 早速ファインダーを覗いて見ると確かにヤマセミです。

しかし、すぐに飛び立ったので「逃げられたぁ~」と思いきや、なんと! 此方に向かって飛んでくる
ではありませんか

そして更に更にラッキーなことには私の居る眼下の岩に・・・信じられない

週末にここへ来て、半日待っても出会えない人もいるというのに、私は僅か10数分で撮影に成功・・・
何か申し訳ない気がします。

ヤマセミ <ブッポウソウ目 カワセミ科>  留鳥
黒と白の斑模様と立った冠羽がよく目立つ鳥です。日本に住むカワセミ科では一番大きく、全長は約30㌢程、
山地の渓流や湖沼に住み、水中にダイビングして魚などを食べます。
個体数はそれほど多くなく、やや希少な存在です。









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アカゲラ (赤啄木鳥)

2011-02-07 22:20:23 | Weblog
下腹部と尾筒が赤いことからアカゲラと呼ばれるキツツキの仲間です。
少し距離があったので被写体を大きく捕えることができませんでした。しかし鳥と風景との
比率では鳥の大きさはむしろこの程度がいいような気がします。

それよりも、問題はどうも鳥にピントが合っていない・・・木を叩きながら螺旋状に下から
上へ移動するこの鳥の目まぐるしい動きにAFが付いていってません。

さて、このアカゲラですが、基本的には渡りをしない留鳥で、主に里山などの広葉樹林に生息し
他のキツツキ科の鳥と同じように、嘴で木の幹を叩いて昆虫類を食べますが、雑食性で秋~冬には
果実や木の実も食べ、時として農耕地などでは地上に降りて食物を探すこともあります。

繁殖期には木に巣穴を造り、雌雄が交代で抱卵し、雛に餌を運びます。
雌雄の外観上の特徴は、雄は後頭部が赤く、雌は赤くありません。全長は約23㌢ほどで、近似種に
全長が30㌢弱のオオアカゲラなどがいます。

アカゲラ <キツツキ目 キツツキ科>  留鳥



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ホオジロ (頬白)

2011-02-05 23:14:59 | Weblog
ホオジロは冬鳥ではありませんが、寒冷地に住むものは冬期に暖地に移動して越冬します。
京都府下ではほぼ1年中見ることができる鳥ですが、冬期には北からの移動組が加わり、個体数は
かなり増えてくるようです。

大きさは、スズメ位ですが尾羽はスズメと比較するとやや長め、白と黒の顔が特徴的です。
非繁殖期は川の土手などで10~20羽の小群れで過ごすことが多く、地上を跳ね歩いて
イネ科植物などの種子を食べます。

春の繁殖期にはつがいで縄張りを持ち、昆虫を主に動物質を食べるようになり、雄は枝先などに
止まって「一筆啓上仕り候」と聞きなされる、複雑な囀りを始めます。


ホオジロ <スズメ目 ホオジロ科>  留鳥または漂鳥






此方は同じホオジロ科の似た鳥、シベリアなどから冬期に飛来する冬鳥のカシラダカです。
冠羽が立っているのが特徴で、在留中はホオジロと混群で過ごしますが、4月末には渡去します。
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コガモ (小鴨)

2011-02-03 20:07:30 | Weblog
隣町の宇治市にある木幡池には色んな種類の鴨達が冬鳥として飛来しています。
その中の一番小さな種類がこのコガモです。

大きさはハトよりやや大きい位でしょうか、日本で見られる淡水鴨では最小だそうです。
草食性で水辺を歩きながら、イネ科植物の種などを食べます。

この時期、つがいで行動していることが多いのですが、繁殖は北海道と本州の高山湿地で少数が
繁殖する以外は、ユーラシア大陸の北部へ渡ってからのようで、本州以南の平地では残念ながら
雛が泳ぐ姿を見ることはできません。

この鳥は鳥獣保護法(鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律)では狩猟鳥に指定され、肉の
味はマガモに勝るとも劣らないと言われていますが、体が小さく、採れる肉の量も少ないことから
現実には狩猟の対象とはなっていません。

コガモ <カモ目 カモ科>  冬鳥

この個体は雄、全身を弓なりに反らせて下半身を上げ、腰の両側にある淡黄色の三角斑を雌に
見せつけるディスプレーを行います。


こちらの個体は雌、全体に茶褐色で、体が小さいこと以外は他種の鴨とあまり変わりません。


羽づくろいする雄のコガモ、翼の青い部分は「翼鏡」と呼ばれ、雌にも同様の羽根があります。
この個体は青い色をしていますが、緑色のものが一般的です。
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