山と自然の雑学ノート

山歩き&散歩道で出会った植物などの記録

シロバナタンポポ(白花蒲公英)

2015-03-31 17:10:30 | 双子葉離弁花

最近では見ることの少なくなったシロバナタンポポですが、城陽市内の建築廃材置き場に隣接する

荒地で見つけました。

現在、日本に生えているタンポポの多くは、明治時代に渡来した、ヨーロッパ原産の外来種である

セイヨウタンポポですが、シロバナタンポポは数少ない在来種のタンポポで、元来、日本でタンポポと

言えばこの白い花のタンポポを指していたようです。

 

明治時代に渡来したセイヨウタンポポは、染色体が3セット(3n)で、正常な減数分裂ができないため

単為生殖で種子を造ります。

このような生殖方法は、遺伝子交換によるは新たな発展、進化は期待でませんが、生殖のために

パートナーを必要としないため、効率的に種子を造り、環境条件さえ合えば爆発的な繁栄をとげることが

できます。セイヨウタンポポが日本の「タンポポ戦争」で圧倒的な勝利を収めたのには、優れた環境順応性と

単為生殖が有利に働いていたと思われます。

 

これに対して、カンサイタンポポなどの在来種の多くのタンポポは染色体が2セット(2n)で、生殖には

減数分裂で配偶子(花粉)を造り、受粉によって他の株と遺伝子交換を行う必要があります。

つまり、近隣に生殖のパートナーを持つことが必要不可欠なわけです。

 

因みに、このシロバナタンポポは5セット(5n)の染色体をもち、在来種では珍しく単為生殖によって

種子を造ることができます。ただし、環境への順応性という点ではセイヨウタンポポに劣っているのか

城陽市内でも、ごく限られた場所でしか見られないようです。

シロバナタンポポ <キク科 タンポポ属> 

 

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ユキワリイチゲ(雪割一華)

2015-03-24 11:42:20 | 双子葉離弁花

ユキワリイチゲはイチリンソウの仲間で、城陽市内では早春に高塚林道の道沿いなどで見られますが

種を付けて拡散するタイプではないのか、あまり広がりをみせていないようです。

陽光を受けると開花しますが、花弁のように見えているのは花弁状の愕片です。

ユキワリイチゲ<キンポウゲ科 イチリンソウ属>  多年草

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アマナ

2015-03-20 11:54:10 | 単子葉類

白内障手術が終わって退院してから1週間が過ぎました。

ようやく洗髪や洗顔が許されるようになりましたが、外出には念のため保護眼鏡をかけています。

手術から1ケ月位は、眼を打ったり強く押すと傷口が開き、出血するなどのトラブルにつながるようです。

1日4回点眼の目薬も3ケ月くらい続けなければなりません。

 

さて、今日の画像は、久しぶりに歩いた木津川堤防で見つけたアマナです。

城陽市では、第二名神高速道路の建設や、堤防改修工事に伴う周辺の整備で、絶滅が心配される野草の

一つですが、昨年に新しい土が入れられた場所では姿を消したものの、古い土が地表に出ているところでは

数度の草刈りにも影響を受けず、今年も可愛い花が姿を見せてくれました。

なお、昨年に堤防道路の改修が行われた寺田地区の土手では「梅の里青谷つくり里山部会」の呼びかけで、

ボランティアによる保護のための移植が行われました。

アマナ <ユリ科 アマナ属> 多年草 

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