山の湿地や渓流沿いに生えるサトイモ科の多年草です。
花は葉が伸びない内から咲き、仏像の光背に似た仏炎苞が開くと、中の付属体が
現れ悪臭を発します。この悪臭はこの植物にとっては重要で、種を作るのにキノコバエ
を誘引して花粉を媒介してもらう必要があります。
当地で見かけるのは珍しいことなので貴重な一株と言えます。
山の湿地や渓流沿いに生えるサトイモ科の多年草です。
花は葉が伸びない内から咲き、仏像の光背に似た仏炎苞が開くと、中の付属体が
現れ悪臭を発します。この悪臭はこの植物にとっては重要で、種を作るのにキノコバエ
を誘引して花粉を媒介してもらう必要があります。
当地で見かけるのは珍しいことなので貴重な一株と言えます。
和名は花盛りの頃には、根生葉がほとんど枯れて無くなることからの命名。
「葉が無い」⇒「歯が無い」⇒「歯なしの姥」という駄洒落です。
しかし、蕾の時期に見る姿は瑞々しい大きな艶のある葉を付け、花は開花時には
水平方向に展開しますが、蕾は垂直に上に向かって伸びています。
蕾と花のイメージが大きく変わるので、山野草愛好家には同定泣かせです。
尚、開花は地域によって違いますが7中旬頃です。
↓ こちらが開花時の姿です
サトイモ科テンナンショウ属の多年草で、一般的にマムシグサと総称される
種類と比べて、葉や仏炎苞は全体に大振り、仏炎苞は長さ20cmに達し舷部は
濃紫色で付属体は白色で太く、先端が丸くなっています。
茎(偽茎)にはマムシグサに見られるような紫色の斑紋はありません。
山地の林内でやや開けた場所に生える多年草です。
一部の図鑑では「ユリ科」と書かれていますが、正確にはユリ目/イヌサフラン科/チゴユリ属で
ユリ科の植物とは別のグループになります。
チゴユリに近い種類で、稀に同属のチゴユリと自然交配でホウチャクチゴユリという雑種を
作ることが知られています。
和名は「宝鐸草」で宝鐸は風鐸とも呼ばれ寺院建築の軒先に吊るした風鈴状のもので、花の
形が似ていることによります。
海にちかい林に生える種類のようですが、近くの私有地で植栽されていました。
マムシグサなどと同じサトイモ科テンナンショウ属の多年草ですが
かなり特異な形で、小葉3枚で構成された大きな葉が2枚、葉柄の間から
やや低い花茎を出し、仏炎苞に包まれた肉穂花序を付けています。
仏炎苞も特異な形で、口辺部が耳状に張り出し舷部は袋状に巻き込んだ形な
ので、付属体(肉穂花序)は外からは見えませんでした。
和名は仏炎苞の形が昔の鐙(馬具)に似ていることからのようです。
サトイモ科テンナンショウ属の多年草です。
花の苞はサトイモ科に特有の仏像の背後にある炎を象った飾りに似ていることから
仏炎苞と呼ばれ、この中にある付属体に花序を形成しています。
仏炎苞の色は緑~褐紫色と変異があり、葉の形や大きさにも変異が見られ、また
地方変異も多く、固有の名称が付けられているものも多くあります。
広義の「マムシグサ」はテンナンショウ属のうち、固有の種名を持つものを含め、特異な
形質の種類を除いた標準的な植物群の総称です。
華やかな蘭の花のイメージとは程遠いのですが、暗い常緑樹林下に暗紫色の
小さな花を疎に咲かせるラン科植物です。
花の構成は左右対称、外花被3個(背萼片1個+側萼片2個)、内花被3個(側花弁2個+唇弁1個)
でラン科植物の条件を満たしています。
<ラン科 クモキリソウ属 多年草>
山地のやや湿った林下に生えるラン科の多年草です。
和名は淡緑色の花がトンボの飛ぶ姿を連想させることから。
花は未だ蕾の状態ですが、開花すると径1cmで、距の長さは1.2~1.5cm程です。
<ラン科 ツレサギソウ属 多年草>
山地の湿った場所や渓流沿いに生えるユリ科の多年草です。
花の色には変化が多く、一般的には淡紅色~濃紅色などが多い
のですが、白色のものも見られます。
但し、シロバナショウジョウバカマと呼ばれるものはこれとは別種のようです。
<ユリ科 ショウジョウバカマ属>
照葉樹林の落ち葉が堆積した暗い林下に咲く、ラン科の植物で落ち葉の養分を
根に付着した共生菌を介して得る腐生植物。
葉緑素は無く全体的に白色に近い、和名は明治時代に長崎県で発見した
田代善太郎氏の名に因んで付けられたもの。
<ラン科 トラキチラン属 腐生植物>
環境省カテゴリー 準絶滅危惧種(NТ)
常緑林のやや暗い林床に生えるラン科の多年草です。
花茎は15~30cmで梅雨期の6~7月、茎の中間から先端にかけて暗紫色の
風変りな花を5~10個まばらにつきます。
花弁は唇弁と側花片2枚、萼片は背萼片と側萼片2枚という構成です。
<ラン科 クモキリソウ属 多年草>
エンレイソウは広葉樹林の湿った林下に生えるユリ科の多年草です。
「奥ゆかしい美しさ」という花言葉があり、森の中では何か不思議な雰囲気を
醸していることで山野草ファンの目を引く植物のひとつです。
茎は高さ20~40cmで、先端に7~15cmの広卵形の葉が3枚輪生しています。
4~6月に茎の先から花柄を一本出し、緑または褐紫色の地味な花を一個さかせます。
一般にユリ科の花は、萼片に相当する外花被3枚と花弁に相当する内花被3枚で構成
されているものが多いのですが、本種には内花被はありません。
しかし、6個ある雄蕊や、先端で3裂した柱頭の形にはユリ科の特徴がよく現れています。
鱗茎は漢方薬に用いられ、催吐や緩下に効果があるそうですが、全草に有毒サポニンを
含んでいるため、摂取量を誤ると嘔吐や下痢などの中毒症状を起こします。
エンレイソウ <ユリ科 エンレイソウ属> 多年草