山と自然の雑学ノート

山歩き&散歩道で出会った植物などの記録

ガガイモ(鏡芋)

2013-08-27 23:14:09 | 双子葉合弁花

久しぶりに降った雨がもたらしたものなのか、ここ2~3日は朝夕の過ごしやすい日が続いています。

このまま涼しさへ向かうとも思えませんが、あの37℃や38℃といったとんでもない異常高温は

どうやら峠を越したように思います。

気が付けば、農道の傍らに一斉に咲きだしたこの花・・・

今年も8月の終わりという自身の出番を決して忘れてはいなかったようです。

和名はガガイモで、漢字で書けば「鏡芋」ですが、”鏡(がが)”はスッポンの別称で、葉の形や

模様がスッポンの甲羅に似ていることによるそうです。

この草は主に、地中に延びた地下茎によって広がるようですが、名前に”芋”がつくものの

地中に芋らしきものは見られません。

花弁には顕著な毛があり、先端は5裂していて中央の溝には密が多いのか、小型の赤蟻が

潜り込んでいることが多いようです。

中央に丸く突出しているのは雌蕊で、雄蕊はその周りに密着するように付いていますが

隠れていて見えません。

ガガイモ<ガガイモ科 ガガイモ属>  蔓性多年草
































更にレンズを近付けて撮ろうとしたところ画角に入ってきたのは1頭のイチモンジセセリ・・・
思いもかけず、面白い絵が拾えました

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ヒカリゴケと早太郎伝説~光前寺

2013-08-20 22:56:13 | Weblog

木曽駒ケ岳の下山後、少し時間に余裕があれば立ち寄ってみたい場所のひとつにロープウェイ乗り場への

シャトルバスが出る菅の台バスセンター近くに天台宗の名刹で、光前寺というお寺があります。

この寺の参道の両脇にある石垣の石と石の間には、普通は中部以北の山岳地帯でしか見られない

準絶滅危惧種のヒカリゴケ(光苔)という珍しい苔を見ることができます。

このヒカリゴケは、その名が示すように、暗い場所でエメラルドグリーンに光っていますが、

それ自体が発光しているのではなく、原糸体に含まれるレンズ細胞が、入ってくる僅かな光を

反射することによって発光しているかのように見えます。
















写真中央の石の間にあるのが、そのヒカリゴケですが、光っているのが判るでしょうか?
肉眼でも角度によっては光っているように見えません。















もう少し拡大してみました。
ストロボを使ったほうが判り易かったかもしれません。(反省)

 

 

 

 


 



 


こちらは本尊不動明王を祀った光前寺の本堂、不動明王は秘仏で、もちろん撮影は禁止















こちらは昔、この寺で飼われていたという伝説の強い山犬、早太郎の木造です。こちらは撮影  でした















さて、この早太郎についての伝説ですが、私が説明するより、この説明板を読んで頂くとよくわかります。
実を言うと文章を考えるのが面倒だったりして















境内に咲いていたレンゲショウマ。
小さなランプのような雰囲気の可愛い花です。
















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木曽駒ケ岳周辺の花

2013-08-14 15:15:04 | 登山記録

宝剣岳登頂後は、中岳を通って木曽駒ケ岳を目指しますが、登山道は広く傾斜も緩やで、これといった

危険個所もなく、歩きやすいコースです。

登山道の脇には、千畳敷カールでは見られなかった、背丈の低い植物の花が色々観察できます。

 

コケモモ<ツツジ科 スノキ属>  常緑小低木
和名は「苔桃」で、苔は地面を覆うという意味で、蘚苔類の苔ではありません。背は低いものの
ツツジ科の樹木で、ブルーベリーの近縁種です。花は秋には赤い実になり、食べられます。 














 

ゴマノハグサ科 シオガマギク属>  多年草
和名は葉が4枚輪生することから付けられたようですが、必ず4枚ということでもなさそうです。ヨツバシオガマ















ミヤマアキノキリンソウ<キク科 アキノキリンソウ属> 多年草
和名は「深山秋の麒麟草」で、アキノキリンソウの高山型近縁種です。黄色が鮮やかなことから
コガネギク(黄金菊)とも呼ばれます。
ミヤマアキノキリンソウ














ヒメウスユキソウ<キク科 ウスユキソウ属> 多年草
ヨーロッパアルプスに咲く、エーデルワイスの近縁種で、中央アルプス固有種のウスユキソウです。
ウスユキソウの仲間では最も小さい種類ですが、形の上ではエーデルワイスに一番良く似ています。
ヒメウスユキソウ














ヒメウスユキソウ(同上)
ヒメウスユキソウ














コマクサ<ケシ科 コマクサ属> 多年草
花の形が馬の顔に似ているところから和名は「駒草」です。少し大袈裟ですが、高山植物の女王
などと呼ばれています。
コマクサ














イワツメグサ<ナデシコ科 ハコベ属> 多年草
高山に生えるハコベの仲間です。一見、10弁花に見えていますが、2深裂した5弁花です。
1.5cmほどの小さな花ながら、群生する姿は見事です。
イワツメクサ














タカネツメクサ<ナデシコ科 タカネツメクサ属> 多年草
これも、1.5cm程の小さな花、集まって咲いている姿が何とも可愛らしいタカネツメクサです















ゴゼンタチバナ<ミズキ科 ゴゼンタチバナ属> 多年草
ミズキ科の草本で、稜線上では主にハイマツの根元に小さな群落を作っています。4枚の白い花弁のように
見えているのは総苞弁で、花そのものは小さくてあまり目立ちません。
ゴゼンタチバナ














ウサギギク<キク科 ウサギギク属> 多年草
北方系のキク科植物で、千島やアリューシャンの草原にも咲いているそうですが、適度な湿り気が
必要らしく、砂礫などの乾燥した部分には生えず、他の植物の群落に入ることで水分を確保しているようです。
草丈のわりには大輪の花を咲かせ、明るい黄色の花は稜線では目立っています。
ウサギギク














木曽駒ケ岳は山岳信仰の山、霧の中を降りてくる白い道衣姿の人達とすれ違いました。















頂上に着きました。残念ながらガスで展望はありません。































頂上には二つの駒ケ岳神社があります。
此方は木曽側にある「木曽駒ケ岳神社」です。















此方は伊那側に建つ「伊那駒ケ岳神社」です

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宝剣岳へ

2013-08-13 22:19:33 | 登山記録

千畳敷カールのシンボルである宝剣岳を左に眺めながら、八丁坂を稜線へと向かいます。















稜線に出た所が「乗越浄土」と呼ばれる分岐点。右に向かうと伊那前岳方面。

左へ向かうと宝剣岳・木曽駒ケ岳方面になります。画像は右手の伊那前岳方面。















此方は左手前方の山小屋「宝剣山荘」です。

宝剣岳への登山道は小屋の左手を登ります。頂上までは約20分。














これから登る宝剣岳の頂上は生憎ガスに覆われ始めました。

残念ながら展望は期待できません。















頂上直下の鎖場、足下はしっかりしているので別に不安感はありません。















 頂上に到着です。最高点の岩の上には先客がいました。  

 まあ別に此処まで登る必要はないとは思いますが・・・  

 来たからにはこの岩の上に登ってみたいですね(笑) 

                            

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咲き乱れる高山植物~中央アルプス

2013-08-07 22:33:03 | Weblog

夏山に咲き乱れる高山植物の花に逢いたくて、凡そ40年ぶりに木曽駒ケ岳を訪れました。

当時は寿司詰め状態の夜行列車で木曽福島駅まで行って、そこから木曽側の2合目まで

タクシーに乗ってアプローチしたものですが、今は高速道路を車で走って中央高速の駒ヶ根 IC

までが京都から約3時間、そこからバスに乗り換えてロープウェイの駅までが30分、ロープウェイに乗ると

僅か7分で標高2612mの千畳敷カールに到着してしまいます。

家を出てから4時間あまりでこんな所まで来れるとは・・・

当時を知る私は、そこに長い歳月の流れというか、登山環境の大きな変化というものを感じました。

まあ、そんな事はさておき、先ずは千畳敷カールに咲き乱れる高山植物の花をご覧ください。

コバイケイソウ<ユリ科 シュロソウ属> 多年草

あまりユリ科の花らしくありませんが、群生する様子は見事です。昨年は全く花を付けなかったので

心配されていたそうですが、今年は例年にない見事な咲きっぷりです。コバイケイソウ
















コバイケイソウ















ハクサンイチゲ<キンポウゲ科 イチリンソウ属>  多年草

漢字では”白山一花”と書き、高山のお花畑に咲く代表的な花の一つで、清楚な白い花がとても印象的です。

背景に見えている黄色い花はシナノキンバイのようです。

ハクサンイチゲ















ハクサンイチゲ














 

チングルマ<バラ科 ダイコンソウ属>  小低木

和名は“稚児車”が転訛したものだそうです。茎の先に径2~3㌢の愛らしい花を1個つけます。

背丈は10㌢ほどですが、茎は木質で樹木に分類されます。チングルマ















チングルマ













 

モミジカラマツ<キンポウゲ科 モミジカラマツ属>  多年草

千畳敷カールでは、コバイケイソウの群落に混じって所々で見られます。和名は掌状に裂けた葉をモミジに

花を落葉松の葉に似ていることに由来しますモミジカラマツ















 ミヤマキンバイ<バラ科 キジムシロ属> 多年草

ミヤマキンバイ















シナノキンバイ<キンポウゲ科 キンバイソウ属>  多年草
シナノキンバイ















ミヤマダイコンソウ<バラ科 ダイコンソウ属>  多年草
ミヤマダイコンソウ















クロユリ<ユリ科 バイモ属>  多年草

元々、北地の草原に生えるユリ科の多年草なので、関西に住む私達には馴染みの薄い花ですが、
千畳敷カールではごく普通に見られます。

クロユリ















チシマギキョウ<キキョウ科 ホタルブクロ属>  多年草

高山の岩石の割れ目や砂礫地に生えるキキョウ科の多年草ですが、如何にも高山植物らしい雰囲気に

高山にやってきた実感が湧いてくる花の一つです。
チシマギキョウ

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