キタテハは初夏から夏に発生する夏型と、秋に発生して成虫で越冬する秋型が
あります。画像のキタテハは秋型で、翅表の色は夏型に比べて赤みが強くなり
鮮やかなオレンジ色をしていて、翅のギザギザした切れ込みは深くなります。
暖地では冬の小春日和にも花壇の花を飛び回っているのが見られます。
キタテハは初夏から夏に発生する夏型と、秋に発生して成虫で越冬する秋型が
あります。画像のキタテハは秋型で、翅表の色は夏型に比べて赤みが強くなり
鮮やかなオレンジ色をしていて、翅のギザギザした切れ込みは深くなります。
暖地では冬の小春日和にも花壇の花を飛び回っているのが見られます。
かなり艶やかなピンク色が目立つ体長15mm程のノメイガ亜科の蛾です。
アメリカ原産の外来種で、2019年に岐阜県で侵入が確認されて以後、急速に
各地で目撃されるようになりました。
撮影時はオシロイバナの葉に止まっていましたが、幼虫の食草はシソ科アキギリ属
のサルビアなどで公園の花壇などで見られることが多いようです。
現在、環境省のレッドリストにはありませんが、16の都道府県で絶滅危惧種に選定される
希少な種類のバッタです。(京都府カテゴリー絶滅危惧種Ⅱ)
主な特徴は複眼にある6本の縦筋と、前胸上面に和名の由来となった両側に淡黄色の
縁取りのある黒い大きな斑紋です。
所謂「原っぱ」と呼ばれるイネ科植物の疎に生えるような空き地で普通に見られたバッタ
だったと思われますが、そういった空き地が土木開発による土壌や植生の変化によって
棲息環境が失われ、本種の急激な減少に繋がったと思われます。
キオビミズメイガ
ツトガ科/ミズメイガ亜科
前翅長は20~24mm、本種は体長と比べてかなり長い脚が特徴。
ミズメイガ亜科の蛾は幼虫期を淡水中で過ごし、水中の蘚類を食草としています。
これは蛾の仲間としては珍しい生態と言えます。
シロモンノメイガ
ツトガ科/ノメイガ亜科
前翅長は10mm程、黒地に水玉模様のかなりお洒落な雰囲気を持った小さな蛾です。
農地周辺の草地などで見かけますが、どちらかと言えば山地に多いようです。
幼虫の食草は特定されていません。
ヒトリガ科/コケガ亜科 前翅長20~28mm
渓流沿いで見かけるコケガ亜科に属する蛾で、幼虫は地衣類を食べて育ち
蛹化する際に自身の毛で繭を作ります。
成虫の前翅には白地に鮮やかな赤色の帯と黒斑があり、♂はこの黒斑が2個に
別れていることが多いようです。
ヒトリガ科/コケガ亜科 ♂前翅長14mm ♀前翅長19mm
ヒトリガ科の中でも特に色合いの派手な種類です。画像の個体は♂ですが
♀も同様の模様で、全体に模様の色が淡いようです。
幼虫の食草は地衣類や落葉などで、植物への食害はなさそうです。
体長20mm程の小さなキリギリスの仲間で、昼間に草藪でジリジリという小さな声で
鳴いています。
幼虫はガラス細工のような光沢のある黒とオレンジの2色を配置したデザインが美しく、
キリギリスの仲間に特有の髪の毛の様に細く長い触覚をもっています。
食餌は笹やイネ科植物の柔らかい葉が主食。
涼しい林内を弾丸の様なスピードで飛び回るセセリチョウの仲間で、チャバネ系と比べると
明るいオレンジ色の翅が目を惹きます。
本種は翅裏に黒いリング状の斑紋が見られますが、近似種でよく似た種類のコキマダラセセリは
この部分が白い色なので本種と見分けられそうです。
幼虫の食草はイネ科植物。
「上手く化けた」というか、植物の一部になり切ったような姿ですが
カメムシ目/頸吻亜目/アオバハゴロモ科に分類される昆虫、アオバハゴロモです。
ウンカやヨコバイなどに近い昆虫ですが、体長は約10mm。これらの仲間では大型です。
クワ、エンジュ、イチジク等の樹木では柔らかい当年枝に発生して樹液を吸います。
学名では Geisha distinctissima(芸者?)ですが、幼虫が体に纏う蝋物質で植物の茎などが
粉まみれになることから俗名で「しらこばば」とも呼ばれます。
山地で見られる体長15mm程のセセリチョウの仲間。
林縁などで素早く飛び回りながら色んな花で吸蜜します。
幼虫の食草はコチヂミザサやカヤツリグサの単子葉植物。
同じ環境でキマダラセセリ、コキマダラセセリ、スジグロチャバネセセリなど
よく似た種類が活動しているので翅裏と翅表、両面の確認が必要です。
夜間に自動販売機の照明に誘われて飛来していたヤママユです。
沖縄県を除く日本本土で見られるチョウ目最大種で、翅の開帳寸法は120~150mmの蛾。
黄褐色、灰褐色、茶褐色など色にはかなり個体差があります。幼虫の食樹はクヌギ、コナラ等。
別名を「天蚕」と呼び、明治期~昭和初期までは、萌黄色の繭から絹繊維の一種、天蚕糸(てんさんし)
が生産されていました。現在、長野県の安曇野天蚕センターで天蚕飼育が復活再開されている例を
除けば組織的生産は途絶え、天蚕糸は「幻の糸」になっているようです。
ハゴロモ科はカメムシ目でウンカなどと同じ頸吻亜目に属する昆虫です。
成虫の翅端までの長さは9~13mm、頭部はセミに似ています。
幼虫は腹端にロウ物質でできた毛束を付けていて、ハゴロモの名はこの毛束を
天女の羽衣に見立てた命名のようです。
幼虫の種名は特定できませんが、2種の成虫を候補として挙げておきます。
☟ ベッコウハゴロモ
☟ アミガサハゴロモ
真夏の強い陽光が差し込む林道上でもがいていた、体長60mm程の大型の
カミキリムシです。
和名はウスバカミキリで、厚みが薄く軟質な上翅の特徴に由来します。
夜行性で飛翔性が高く、灯火にも飛来しますが、この時は歩くこともおぼつかない
モゾモゾとした動きをしていました。夜になると一転して行動が活発になるようです。
成虫の食性はよく判りませんが、幼虫は生木の枯死部分や、立ち枯れ、倒木の
材部を食害し穿孔します。しかし、これらは材木として利用されるような良質な
ものではないため、重要な害虫とはみなされていないようです。
シャクガ(尺蛾)は幼虫が尺取虫の形態を持つ蛾の総称です。
シャクガ科は鱗翅目(蝶・蛾)ではヤガ科に次ぐ大きな科で、世界では24,000種近く
日本では900種近くが報告されています。
山林内を歩くと草木の葉に止まっている多彩な模様のシャクガに出会うことが出来ます。
種名の判らないものが圧倒的に多いのですが、独特の模様や色合いはデザイン的にも興味
深いものがあります。
マルモンシロナミシャク(ナミシャク亜科)
幼虫の食草はユキノシタ科のツルアジサイ、イワガラミ、ノリウツギ・・等
ウスキヒメアオシャク(アオシャク亜科)
幼虫の食草はカバノキ科、ブナ科、ツツジ科、カエデ科、アジサイ科・・等
フタマエホシエダシャク(エダシャク亜科)
幼虫の食草は主にツツジ科
ウラベニエダシャク(エダシャク亜科)
幼虫の食草は主にスイカズラ科
トンボでは珍しく長距離の壮大な旅をするトンボです。
初夏に南西諸島などからやって来て、繁殖しながら北上を続け、秋には個体数が
最大になりますが、本土では越冬できず死滅します。
確認したわけではありませんが、高校野球選手権大会が行われている夏の甲子園で
飛んでいるのも実はこのトンボだそうです。
アカトンボに似ていますが、胴体はややくすんだ黄色~褐色で、ハネビロトンボ亜科という
アカトンボとは別のグループに属しています。
胸部側面にアカトンボの仲間に見られるような太い縞模様がないことで、見分けられる
と思います。