山と自然の雑学ノート

山歩き&散歩道で出会った植物などの記録

カワラバッタ(河原飛蝗)

2015-10-31 10:05:07 | 昆虫

河川敷の砂礫で活動するバッタ科の昆虫です。

本州の西日本に多く見られる種類で、環境省のRDBに指定はありませんが、各府県のRDB指定状況は

大阪、兵庫、岡山、広島が絶滅危惧種Ⅰ類に、三重、山口で絶滅危惧種Ⅱ類に、奈良、和歌山、滋賀

で準絶滅危惧種に、鳥取では絶滅種に指定されています。

尚、京都府では以前は絶滅危惧種Ⅰ類とされていましたが、近年は木津川河川敷での生息がかなり

見られ、河川改修などで環境悪化が懸念されながらも、全体としては生息環境が維持されているため

絶滅寸前種に変更されています。

河原の砂礫に見事に同化したような体色は一見、見つけ難いようですが、警戒心が強く、人が近づくと

すぐ飛び立つので生息地で探すのにそれほど苦労はしません。

飛ぶ時に見せる後翅の鮮やかな青い色が同定のポイントになります。

 カワラバッタ <鞘翅目 バッタ科 > 

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エンマコオロギ(閻魔蟋蟀)

2015-10-16 10:48:14 | 昆虫

エンマコオロギは体長が24-34㍉で、日本産コオロギでは最大の種類です。

産卵期を迎える、10月初めの頃から住宅地でも鳴き声が聞かれますが、夜更けて聞くその声は

美しくも寂しげで、私達をしんみりとした静寂の世界へと導いてくれます。

エンマコオロギ <直翅目 コオロギ科 コオロギ亜科> 

 ↓ エンマコオロギ(雄) 翅に複雑な筋模様があって、これをすり合わて鳴き声を発生させます    

   ↓ エンマコオロギ(雌)腹部先端に長い産卵管を持っていることで見分けられますが、翅の筋模様は

   整っていて鳴き声を出すことはできません。

  ↓ 産卵中の雌、長い産卵管を地中深く突き刺して産卵します。雑食性のバッタ目ではよくある

    ことですが、交尾後の雌が産卵する前に雄を襲って捕食することがあります。

 ↓ こちらは雌のエンマコオロギを、ほぼ正面から撮ったものですが、複眼の上縁に沿って白い

眉状斑があり、その顔が怒りに眼を吊り上げた閻魔大王に似ているからこの名が付けられたという

説があります。似ていると言えば似ているし、似ていないと言えば全く似ていない?

仮面ライダーそっくりという人もいるかも知れません。さて、あなたにはどう見えるのでしょうか・・・

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コカマキリ(小螳螂)

2015-10-15 17:33:31 | 昆虫

疎らに草が茂った河原の砂地でよく見かける、褐色をしたカマキリの仲間。

オオカマキリのように、草むらに隠れて獲物をねらうのではなく、歩きながら地面で生活する

バッタやコオロギを捕食しています。

体長は約7cm位で、オオカマキリと比べるとかなり華奢な体つきをしています。

ほとんどはこの個体のような褐色をしていますが、稀に緑色型の個体も見られます。

4枚目の画像を見ていただくと、前肢(鎌足)の内側に赤・白・黒の斑模様が見えていますが、これが

本種の判りやすい特徴。

コカマキリ <カマキリ目 カマキリ科>

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オオカマキリ(大螳螂)

2015-10-13 17:28:19 | 昆虫

皆さんも一度はご覧になったことがあると思いますが、ヨーロッパに伝わる美術作品の中には「死神」を

描いたものが少なからずあります。

一神教であるキリスト教の文化圏で、なぜ「死神」というようなキャラクターが生まれたのか私には

よく判りませんが、描かれているキャラクターの特徴として、黒いローブと呼ばれるフード付きの外套を

纏った骸骨の姿で、右手に西洋で使われている大きな草刈り鎌、左手には砂時計といったスタイルが

最もオーソドックスなもののようです。

砂時計は人の寿命を表現したもので、砂が完全に流れ落ちた時、直ちに右手の大鎌で命を絶ち切り

死者を黄泉の国へと連れ去るというお話です。

 タイトルからかなり離れた話になりましたが、この大きな鎌を振りかざしたオオカマキリの姿から

ついそんなキャラクターを連想してしまいました。

 

オオカマキリはカマキリ目カマキリ科に属し、体長は70-95cm、日本では最大のカマキリです。

主に草むらに生息しバッタやコガネムシを捕食しますが、獲物をすばやく追いかけるタイプではなく

草むらに身を潜め、近くに来たらそっと距離をつめ、射程距離に入れば鎌足で素早く相手を捕える

という作戦をとっています。

鎌足のグリップ力は抜群で、昆虫だけではなく、時には小さなカエルやトカゲなどを餌食にする

こともあります。

つまり、バッタであれコガネムシであれ、一旦この鎌足に捕えられれば、決して死を免れることはできない。

優秀なハンターであると同時に、捕食される者には正に恐ろしい死神と言えます。

オオカマキリ <カマキリ目 カマキリ科>

鎌足の付け根は黄色い、近似種のチョウセンカミキリはこの部分がオレンジ色をしています。

後翅が濃い紫褐色をしているのも本種の特徴、チョウセンカマキリは色が薄い

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秋深まる南アルプス~仙丈ケ岳へ

2015-10-09 08:33:49 | 登山記録

不安定な天気が続いた今秋ですが、10月4日から一週間の好天が期待できるという絶好のチャンス!

妻と一緒に、以前から登ってみたかった南アルプス仙丈ケ岳に出かけました。

伊那市の平地ではまだそれほど紅葉は進んでいませんでしたが、南アルプス林道バスが山岳地帯を

進むにつれてカツラ、ヤマブドウ、ナナカマド、カラマツなどの紅葉黄葉が鮮やかな色どりで目を楽しませ

てくれました。

仙丈ケ岳は南アルプスの女王と呼ばれ、日本百名山と花の百名山の両方に選ばれた美しい山で

一般に女性に人気が高いと言われています。

登山道もよく整備されているので、女性に優しい山とか何とか書いてあったような気がするのですが?

そこはやはり標高3000mを超える山、女性に優しい=老人にも優しいではないようです。

喘ぎながら登る自称マイペース派?の我等高齢者を尻目に、経験は浅くとも体力抜群の若い山ガール達は

足取りも軽くすいすいと・・・悔しいけど勝ち目はありませんよね

五合目大滝の頭付近の紅葉

六合目付近から見下ろした小仙丈尾根の風景です

紅葉したウラシマツツジ(六合目付近で撮影)

赤い実をいっぱいに付けたオオカメノキ 

コケモモ、小さな実が何とも愛らしいですね

鳳凰三山を左手に眺めながら小仙丈ケ岳に向かいます

小仙丈ケ岳から見る甲斐駒ケ岳&摩利支天の雄姿、ここから見る黄葉の裾模様も実に素晴らしい

鋸岳とその奥に八ヶ岳連峰が見えています

小仙丈尾根から仙丈ケ岳頂上を望む

仙丈ケ岳頂上から見る北岳と富士山、日本の高山1位と2位のツーショットです

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アレチウリとスズメバチ

2015-10-01 10:09:02 | 昆虫

北アメリカ原産で猛烈な繁殖力から生態系に重大な影響があり、特定外来生物に指定されている

アレチウリが花期を迎えています。

アレチウリはこの時期に咲く花の中では、比較的蜜が豊富で、この蜜に誘因された昆虫達がこの花に

飛来しますが、その中で特に目立つのはスズメバチの仲間です。

日本国内で見られるスズメバチの仲間は、最近新たな外来種として加わったツマアカスズメバチを

含めて約9種類ですが、城陽市域の木津川河川敷に広がるアレチウリ群落ではオオスズメバチ、

コガタスズメバチ、ヒメスズメバチの3種類が観測されました。

3種類の内、国内最大種のオオスズメバチは個体数では少ないものの、毒性が強く、人が刺されると

死ぬこともある危険昆虫です。

気性も荒いので、傍を通る時には刺戟しないように特に気をつける必要があります。 

↓ オオスズメバチの働き蜂と思われる個体、コガタスズメバチとよく似ていますが、胸部小楯板が黄色い

  ことで見分けられます。

↓ コガタスズメバチ、オオスズメバチによく似ていますが、やや小さく中型のスズメバチ、顔の中心に

  ある頭楯(とうじゅん)の下の突起が3つであることから見分けられます(オオスズメバチは2つ)

  胸部小楯板が黒いのも見分けるポイント

 ↓ こちらはヒメスズメバチ、腹部先端が黒いことで他のスズメバチと容易に見分けられます。

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