山と自然の雑学ノート

山歩き&散歩道で出会った植物などの記録

ムネアカオオクロテントウ

2023-05-29 15:23:43 | 昆虫

2016年に日本国内への侵入が確認された外来種のテントウムシですが、

現在までのところ、生態系への悪い影響などは確認されていません。

ただ、テントウムシは攻撃性の高い昆虫で、他の種類のテントウムシの幼虫を捕食

する種類もあり、生息数によっては将来、在来種の生態系を脅かすかも知れません。

体長は6~8mmで、テントウムシの仲間では大型。

台湾、東南アジア、中国南部が原産。生態ではマメ科植物を食べるマルカメムシ

を盛んに捕食するため、クズやカラスノエンドウなどのマメ科植物で見られるようです。

 

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コジャノメとヒメジャノメ

2023-05-27 08:04:42 | 昆虫

よく似た模様のジャノメチョウ亜科の2種です。

色合いを比較して、コジャノメの方が濃い(暗い)色をしているのが分かると思いますが、

これは、あくまで比較できた場合です。

単独でも見分けられるポイントは、下翅の大きな蛇の目紋の上にある小さな蛇の目紋の数。

これが4個であればコジャノメ(画像上)で、3個ならヒメジャノメ(画像下)です。

その他では、ヒメジャノメは蛇の目紋の外側にある折れ線グラフの様なラインがくっきり

と見えますが、コジャノメはやや不明瞭。

コジャノメは林内の薄暗い場所を好みますが、ヒメジャノメは比較的開けた明るい場所を

好むようです。

  ↓ コジャノメ

  ↓ ヒメジャノメ

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樹液酒場に常駐するキスイムシ2種

2023-05-24 15:27:22 | 昆虫

クヌギ、コナラなどの樹液の滲み出た木には、樹液を求めて様々な昆虫が集まって

きます。カブトムシ、クワガタムシ、カナブンの他、ジャノメチョウの仲間、それに

危険なオオスズメバチ等です。そんな樹液を囲んで、色んな昆虫が集まる場所を

「樹液酒場」と呼んでいますが、そこに生まれ、卵から成虫になるまでの一生を

過ごしているのがこのキスイムシの仲間。

体長は成虫で10~15mmと小さな甲虫ですが、蜂などの大きな昆虫が来てもあまり逃げず

相手の下に潜り込んでやり過ごしています。

正に、「一所懸命」の生き様!

幼虫は樹液の他、この場所で生まれた他の昆虫の幼虫も食べます。

 ↓ ヨツボシケシキスイ(ケシキスイ科)

 ↓ ヨツボシオオキスイ(オオキスイムシ科)

 

 

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ナギ(梛)

2023-05-23 16:13:36 | 裸子植物

マキ科ナギ属の常緑高木ですが、本州では自生状態のものは殆どなく

神社の境内木として植えられているものが一般的です。

原産地は四国、九州、沖縄などで、奈良の春日神社や和歌山の熊野速玉神社

では、古くからこの木が神事に使われていたのか、大きな群落があり、各地

へは熊野信仰に結びついて広がったとも考えられます。

葉は平たく幅があり一見、広葉樹を思わせますが、中央脈が無く、20~30本の

細い葉脈が縦に走る針葉樹で、縦方向に引っ張っても千切れないことから

「縁結びの木」として珍重されます。

 

 

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フトカミキリ亜科2種

2023-05-22 16:31:26 | 昆虫

クヌギやコナラなどの伐採倒木では、何種類かのカミキリムシが見られますが、

倒木という環境に同化したような、少し地味でゴツゴツした姿の2種です。

どちらも動きは鈍重で、素早く飛び立つことや、速足で逃げるのは苦手で緊急時の

逃げる手段は地上落下するしか手はないようです。

 

  ↓ ゴマフカミキリ 黒と淡紅の斑模様が特徴です。

 

  ↓ ワモンサビカミキリ ワモンは「輪紋」? 不明確な白い輪のような

              模様がある様にも見えますが、和名の由来は不明です。

 

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カクムネベニボタルとアカハネムシ

2023-05-18 17:26:47 | 昆虫

似たような姿をした2種の甲虫ですが、ある昆虫が毒を持たない無害な種であるのに、毒のある

別の昆虫に擬態することをベイツ型擬態と言います。

画像の2種では、毒のある本物はベニボタル科のカクムネベニボタル(画像上)で、見間違えるほど

よく似た姿に擬態しているのがアカハネムシ科のアカハネムシ(画像下)です。

これによって鳥などによる捕食を免れていると考えられています。

  ↓ カクムネベニボタル(有毒種)

  ↓ アカハネムシ(無毒種)

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カワトンボ

2023-05-15 15:06:21 | 昆虫

渓流沿いをヒラヒラと翔び回る、金緑色の胴体が美しく繊細なトンボです。

日本に棲息するカワトンボ科のトンボは5種7属で、その内カワトンボ属は

東日本型のオオカワトンボと、西日本型のアサヒナカワトンボに分類されます。

体長は東日本型で48~64mm、西日本型は42~57mmということですが

一応、58mm以上なら東日本型、47mm以下なら西日本型という判断はできない

こともないのですが、48~57mmのサイズの個体では判定基準にはなりません。

翅の支脈の網目では東日本型が繊細で、西日本型は粗いと言われています。

2種が混棲するところで比較できる条件が揃えば判定ができるかも知れません。

何れにせよ、違いは僅かで一般の昆虫愛好者に同定の深入りは困難かと思われます。

ここは地域的な変異があるという知識だけで充分ではないでしょうか。

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ミズタビラコ

2023-05-10 16:08:12 | 双子葉合弁花

山地の渓流沿いだけで見られる、ムラサキ科キュウリグサ属の多年草です。

同じムラサキ科でも、道端や農地に生える、キュウリグサやハナイバナは花冠の

径が2mm程度ですが、このミズタビラコは約3mm、僅か1mmですがこのサイズ

で1.5倍の差は大きく、渓流沿いで存在感を見せています。

 

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エゴノキ

2023-05-07 16:39:03 | 被子植物合弁花

雑木林に普通に生える落葉小高木で、和名は果実の味が「えぐい」ことに由来すると言われて

いますが、果実の皮に含まれる有毒のエゴサポニンには麻酔効果があり、すり潰すして川に流し、

魚とりに使われたりしました。(もちろん違法な漁です)

木材としては幹があまり太くないため、用途はあまり広くありませんが、和傘の頭と、柄の

中間の開閉時に上下する場所に「ろくろ」と呼ばれる和傘独特の部品が必要で、これを作る

のに用いられるのが、このエゴノキの材です。もっとも現在、「ろくろ」は殆ど生産されていません。

エゴノキ科エゴノキ属

 

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ハラグロオオテントウ

2023-05-06 17:10:32 | 昆虫

体長12mmもある大型のテントウムシで、桑の木の害虫クワキジラミを捕食するため、

主にヤマグワ(桑)やその周辺で見られます。

捕食されるクワキジラミは腹吻亜目の昆虫で、アブラムシやウンカに近い種類です。

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シキミ(樒)

2023-05-05 15:44:34 | 被子植物離弁花

以前は花の形の類似性からモクレン科に分類されていましたが現在は

マツブサ科シキミ属とされている常緑性の小高木です。

葉や茎にイリチン、果実にはアニサチンという有毒物質を含み、特に果実は植物界

では唯一、劇物に指定されているほどの猛毒です。

原産地は中国、仏教と関わりの深い植物で、奈良時代中期に唐から日本に渡り

律宗を開いた鑑真和上によってもたらされたと言われています。

土葬が行われていた古い時代には、遺体を荒らす野生動物を遠ざけるため、この有毒

の樒を埋葬場所の回りに沢山植えたり、棺の中にも樒の枝を敷き詰めたりしていたようです。

そうした風習の名残りなのか、主に関西地方の葬儀や仏事では今も樒が多く使われています。

尚、現在市販されている抹香は樒の葉や樹皮を乾燥させて粉末にしたもので作られています。

 

 

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模様の変化が大きいナミテントウ(並天道)

2023-05-03 12:05:25 | 昆虫

都会の住宅地から農村までの幅広い環境で見られるテントウムシの仲間で、一般に

テントウムシの代表格のように思われるナナホシテントウより、数の上では本種

の方が多い種類かも知れません。

少数派のように思われるのは、同じ種類の昆虫とは思えないほど色や模様の変異が

大きく、100パターンは下らないからだと思います。

ここに取り上げたのはその一部です。

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ナワシロイチゴ(苗代苺)

2023-05-01 11:52:57 | 被子植物離弁花

日当たりの良い道端の溝や、川原の土手に生えるバラ科キイチゴ属の落葉低木で、

和名は6月の苗代の頃に実が熟し食べられることに依ります。

別名ではサツキイチゴ(皐月苺)と呼ばれますが、こちらは花の咲く時期から

付けられた名前ようですね。 

花は萼だけが平開し、花弁は雄蕊の葯と雌蕊の柱頭は上に飛び出しますが

花弁は枯れるまで閉じたままです。その後、萼は受粉が行われると再び閉じます。

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