山と自然の雑学ノート

山歩き&散歩道で出会った植物などの記録

ヤマトシリアゲムシ(大和尻上げ虫)

2009-05-13 21:51:53 | 昆虫
5月に入って昆虫たちの動きが活発になってきました。

この時期に山道を歩くと、木の葉の上で愛嬌を振りまいているのがこの虫、

尾尻の先端をサソリの様に巻き上げているところから、シリアゲムシとよばれています。

このサソリの毒針の様な形をしているのは♂の交尾器で、実際は下付器と共にY型になっています。

画像に写っているのはヤマトシリアゲムシで、初夏に現れるものはこの様に黒い色をしていますが、

晩夏に現れるものはべっ甲色をしているので、以前はベッコウシリアゲムシと呼ばれていました。

違う種類と思われていたようです。食餌は死んだ他の昆虫の体液や、草花の蜜など

見掛けによらず、優しい虫さんです。


ヤマトシリアゲムシ<シリアゲムシ目 シリアゲムシ科>




コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コバノガマズミ

2009-05-13 06:28:31 | 被子植物合弁花

初夏の山道を歩くと、よく似た花が沢山咲いています。

中々見分けるのが難しいものです。

主にスイカズラ科とバラ科で、これとよく似た木ではカマツカ、サワフタギなどがあります。

コバノガマズミは、ガマズミ属の特徴の一つである、縮緬状の葉で区別することができ、

また他のガマズミ属のガマズミ、ミヤマガマズミなどに比べ名前が示すように、葉は小振りです。


コバノガマズミ<スイカズラ科 ガマズミ属>




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ツクバネウツギ(衝羽根空木)

2009-05-11 22:59:02 | 被子植物合弁花

大正池グリーンパーク(京都府綴喜郡)の日当たりの良い山道に咲いていました。

長さが3㎝位のラッパ型(植物学では筒状鐘形)の白い花です。

ツクバネウツギといって、花の内側に黄色い網目があるのが特徴、

5枚のプロペラのような蕚は、花が落ちた後も残り、ツクバネウツギの名前は

これを羽根衝きの羽根に見立てたものです。

良く似た花には、オオツクバネウツギ(花長約4㎝)、コツクバネウツギ(花長約2㎝)があります。

いずれの木も、仲のよい夫婦のように本年枝の先端に2個の花が付きます。


ツクバネウツギ<スイカズラ科 ツクバネウツギ属>




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ムシカリ(虫狩り)

2009-05-10 22:09:13 | 被子植物合弁花

比良山系蓬莱山の稜線付近では白いムシカリの花が今、最盛期を迎えています。

ムシカリは漢字で書くと「虫狩り」ですが、これは種を作るための本花(両性花)とは別に、

虫を呼び寄せるための大きな装飾花を持っていることに由来しているのではないかと思います。

一部の図鑑では「虫が葉を好んで食べるため・・」と書いていますが、他の木の葉と比べこの木が特に

食われているようには見られません。

別名をオオカメノキ(大亀の木)と呼びますが、これは縮緬状の葉の形が亀の甲羅に似ているからです。

非常に良く似た木にヤブデマリがありますが、装飾花の5枚の花弁の内、1枚が極端に小さく4弁花

のように見える点で見分けることができます。


ムシカリ<スイカズラ科 ガマズミ属> 別名オオカメノキ




コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コイワカガミ(小岩鏡)

2009-05-09 17:56:29 | 双子葉合弁花

今日、比良山系の蓬莱山から小女郎が池に向かう縦走路で、今年になって初めてコイワカガミ(らしき)の花を見ました。

例年はもう少し遅かったように思いますが、今年は何もかもが少しずつ早く咲いているのかも知れません。

ところでタイトルに「コイワカガミ」と記しましたが、この同定にはあまり自信がありません。

図鑑で見るとオオイワカガミでないことは容易に判りますが、イワカガミとコイワカガミを何処で見分けるのか?

今のところ私にはよく判りません。

取り敢えずここで私がコイワカガミとした理由をいくつか挙げますと、花茎が5~7㎝と短い、幼葉は赤味を帯びて

内側に巻きこんでいる、花の数が5~6個位とやや少ない、見つけた場所が比良山系の稜線(亜高山帯)で

やや乾燥した草地(笹原)、何よりも見た感じが如何にも「おチビちゃん」ということでした。


コイワカガミ<イワウメ科 イワカガミ属>








こちらの花は白に近いピンク色ですが同じ花だと思います。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヘビノボラズ(蛇上らず)の花

2009-05-07 22:33:35 | 植物(木本)
山地の渓流沿いや湿地のそばで、稀こんな木を見かけます。

それほど高くならず、高いものでもせいぜい1m位の高さで、

茎には葉の生えている基部に細く鋭い棘があります。

葉は長楕円形でやや皮質、表面に蛇の鱗を連想させる赤茶色の斑模様があり

通る人の目を引きます。

名前はヘビノボラズ・・・正式の和名ですが、民間で昔からそう呼ばれてきたのでしょう。

変な名前ですが、一度聞いたら忘れられません。

名前の由来については、この鋭い棘を見れば説明するまでもないでしょう。

こんな迷惑?な名前をもらったこととは関係なく、今はこんな可愛い花を咲かせています。

花弁、愕片、雄蕊が各6個と雌蕊が1個で構成される花で、秋には他のメギ科の木の様に

赤い実を付けます。分布は主に中部地方以西の山地で、渓流沿いなどに限定されます。


ヘビノボラズ<メギ科 メギ属> 別名トリトマラズ




コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

イタドリハムシ(痛取葉虫)

2009-05-06 17:33:27 | 昆虫
イタドリやギシギシの葉を食べるハムシの仲間で、川の土手や草地で普通によく見かける甲虫です。

オレンジ色の斑紋は複雑で、個体によって様々な変化があり、観察には面白い形をしたものを探す楽しみがあります。


イタドリハムシ<甲虫目 ハムシ科>


この斑紋、私には「お猿さんの顔」に見えてしまうのですが・・・

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヤマツツジ(山躑躅・山杜鵑)

2009-05-05 16:07:51 | 植物(木本)
GWの鶏冠山、ミツバツツジの花はすでに終わり、モチツツジもやや盛りを過ぎていました。

変ってこの色鮮やかなヤマツツジが見頃を迎えています。

花の色は赤に近いものや朱色のものなど、場所によって多少の違いがあるようですが、

柔らかな新緑とのコントラストは見事で、当分はこの花が山の主役を勤めそうです。

ここでは見られませんが、花が白色の品種はシロヤマツツジと呼んでいるそうです。


ヤマツツジ<ツツジ科 ツツジ属>





昼食のため、カメラをリュックに入れた直後にいきなり現れたクロアゲハです。慌ててカメラをとり出してパチリ!
何とかフレームインできましたが、上手くは撮れませんでした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ナミハンミョウ

2009-05-04 08:12:01 | 昆虫
日本には22種+8亜種のハンミョウが棲んでいますが、その中の最大種がこのナミハンミョウです。

体長約20㎜、カラフルな前翅と美しいブルーメタリックの頭部は日本産甲虫目の最美麗種とも言えます。

道路や空き地など平坦な地面を敏捷に走り回り、蟻やミミズなどを手当たり次第に襲っては捕食する

獰猛なハンターです。

幼虫は地面に掘った穴に住み、通りかかった小さな昆虫を引きずり込み、捕食します。

最近一部の業者が英名の「タイガービートル」の名でこの虫をペット用に販売しているそうです。

飼育することに異論がある訳ではありませんが、遠い少年時代に、この虫の美しさに魅かれて

後を追いかけた私としては、やや複雑な想いです。


ナミハンミョウ<甲虫目 ハンミョウ科 ハンミョウ亜科>






前方から見たナミハンミョウ、美しい後姿とは裏腹に開いた大顎が不気味です


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ルリタテハ

2009-05-03 20:00:37 | 昆虫
今年初めて見たルリタテハです。

樹液の出ているアラカシの周りを数匹が翔びまわっていました。


ルリタテハ<鱗翅目 タテハチョウ科> 成虫は樹液や腐果に集まる。 幼虫の食草はサルトリイバラ、サンキライなど


休息時には水平に翅を広げていることが多いようです


翅裏は枯葉もしくは樹皮に似せた模様をしています


ここはルリタテハ君お気に入りの樹液酒場です


美味しい樹液に目が無いルリタテハ君です。


樹液酒場のボス、オオスズメバチもやって来ました。これには敵いません。


占有行動で何かに襲われたのか、翅の傷んだものも見られます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カンサイスノキ(関西酢の木)

2009-05-02 21:52:35 | 植物(木本)
湖南アルプス鶏冠山の麓、桐生キャンプ場の中で見つけた可愛い花・・・

どうやらカンサイスノキと呼ばれるスノキの仲間で、ウスノキとの自然交雑種だそうです。

そう言えば、花の形はスノキと言うよりむしろウスノキによく似ています。

分布は本州の東海以西と四国

スノキの名前の由来は、葉を噛むと酸っぱい味がすることによります。


カンサイスノキ<ツツジ科 スノキ属>






コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

キリ(桐)

2009-05-02 08:24:14 | 植物(木本)
キリは植物分類学での見解が分かれていて、見る図鑑によってゴマノハグサ科、ノウゼンカズラ科、キリ科と

科名に違いがあります。そういえば花の色や形はゴマノハグサ科のウルップソウに似ているし、花の形だけを見れば

ノウゼンカズラに似ていないこともありませんが、私のようにアマチュアで趣味として花を楽しんでいる者からすれば、

何も無理矢理ゴマノハグサやノウゼンカズラの親戚にしてしまわなければならない理由がよく分かりません。

キリは木材としては、軽い、湿気を通さない、割れや狂いが少ないなどの優れた特性から、高級家具の材料として

珍重され、「桐箪笥」、「桐下駄」などは高級品の代名詞、また難燃性があるため、金庫の内材にも使われます。

地域特産品としては、福島の会津桐、岩手の南部桐が有名。

成長が早く、昔は女の子が生まれるとこの木を植え、嫁入りする時にこの木で箪笥を造って

嫁入り道具にする風習がありました。


キリ<キリ科 キリ属>   (科名はゴマノハグサ科またはノウゼンカズラ科とも)




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする