山と自然の雑学ノート

山歩き&散歩道で出会った植物などの記録

淀姫さんの祠

2014-09-21 22:08:00 | Weblog

城陽市の奈島地区の木津川右岸の堤防下には、ご覧のような小さな祠があります。

この地域は、木津川の水面より低い天井川で、過去に幾度となく水害が起きたため

水難除けとして、奈島地区の人たちに大切に祀られている「淀姫さんの祠」です。

この祠のことは、城陽市観光課の資料にも載せられていて、祠の存在は城陽市内では

それなりに知られているようです。

ところで、この「淀姫さん」って誰?という疑問が当然のように湧いてきますが、近隣の

市町村では、京都市伏見区の淀にある與杼(よど)神社の祭神、豊玉日女命(とよたまひめのみこと)が

海神、大綿津見命(海幸彦)の妹で、水を操る神・水難除けの神として信仰され、これが

「淀姫さん」と呼ばれているようです。 

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ノアズキ(野小豆)

2014-09-20 09:56:55 | 双子葉離弁花

日当たりの良い野原に生える蔓性の多年草です。

左右非対称の花が、アズキの花に似ていることから、ノアズキと呼ばれています。

現在、食用にされているアズキ(小豆)の原種はヤブツルアズキで、分類上アズキ属ですが、

このノアズキはノアズキ属で、全く別系統のマメ科植物と考えられています。

花の大きさは2㌢弱、右捲きにねじれた竜骨弁に、他のマメ科とは一味ちがった

個性的なものを感じます。

ノアズキ <マメ科 ノアズキ属> 蔓性多年草 別名ヒメクズ

ノアズキ















ノアズキ





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コナギ(小菜葱)

2014-09-18 17:58:00 | 単子葉類

水田に生えるミズアオイ科の1年草です。

稲作の渡来と共に古い時代にやって来た、史前帰化植物と考えられています。

繁殖力の強い農業雑草の一種ですが、苗代の始まる頃には除草されているので、一般的には

見る機会が少ないかも知れません。

花は1.5~2㌢で、花の咲き始めと終わりに自家受粉をして種を作ります。

水田では、昔から邪魔者扱いされながらも、根強い雑草として今日まで生き残ってきた

背景には、子孫をより確実に残す、このような繁殖の仕組みが、あったのかもしれません。

和名は「小葱菜」で、葱菜はミズアオイの古名、つまり、「小さなミズアオイ」という意味です。

コナギ <ミズアオイ科 ミズアオイ属>  1年草

コナギ

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タマスダレ(玉簾)

2014-09-11 22:13:26 | 単子葉類

城陽市内を流れる木津川の支流、古川の岸辺に咲いていた花です。

花壇などでも時々見かける花ですが、和名はタマスダレといいます。

中南米原産のスイセン科ヒガンバナ属の多年草で、日本へは明治時代に園芸種として

導入されましたが、その後、逸出したものが野草化して定着したようです。

同属のヒガンバナと同様、全草が有毒で、特に鱗茎(球根部)に有毒成分が多いようです。

誤食による事故としては、2006年にさいたま市の小学校で、2日前に校庭で採取されたものを

ノビルと間違って調理し、食べた18人中、15人に嘔き気の症状が出た例があります。

この時は全員、その日の内に快方に向かったようですが、ノビルとは同じ環境に生えることも

多く、特に山菜のシーズンである春先には注意が必要です。

同様の事故では、ニラと間違ってスイセンの葉を誤食した例もありますが、ノビルやニラには

独特のネギのような香りがあるので、この点を押さえていれば誤食はある程度防げたのでは

ないかと思います。

タマスダレ <スイセン科 ヒガンバナ属> 多年草 

タマスダレ

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コムラサキ(小紫)

2014-09-08 12:10:09 | 被子植物離弁花

クマツズラ科の木本、コムラサキです。

コムラサキの和名は近似種のムラサキシキブに対してのもので、樹高は高いものでも

約1㍍ほどの低木です。山麓や湿地周辺で、稀に自生のものを見かけますが、園芸店などで

「ムラサキシキブ」という名で多数出回っていて、里山などでも美化の一環として植栽される

ことが多く、真の意味での自生はかなり少ないようです。

コムラサキ <クマツズラ科 ムラサキシキブ属> 落葉低木

コムラサキ

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イボバッタ(疣飛蝗)

2014-09-06 22:11:37 | 昆虫

胸部背面と顔面あたりに疣状の突起が多いことから、イボバッタと呼ばれるバッタです。

一見、ヒシバッタの仲間のようですが、分類の上ではトノサマバッタ亜科になります。

「お前に言われたくないよ」って言われそうですが、随分とブサイクな格好をしていますね。

大きさは3~4㌢といったところでしょうか。

このように、葉などに止まっていると分かりやすいのですが、砂利の混じった土の上などでは

かなり発見が難しく、この疣だらけの体も、外敵から身を守るための擬態としての役割を果たして

いるのかも知れません。

イボバッタ <バッタ科 トノサマバッタ亜科> イボバッタ















イボバッタ

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アレチウリ(荒地瓜)

2014-09-04 16:43:28 | 双子葉合弁花

画像は外来生物法で特定外来生物に指定されているアレチウリです。

城陽市域の木津川河川敷で、この植物の侵入が確認されたのは、かなり以前のことですが、

これまで目立って大きな群落は見られませんでした。

ところが、今年はそんな状況が一変して、爆発的な繁殖力でクズやカナムグラの生い茂る

在来種の植物群落を覆い尽くしています。

改めて、日本生態学会の「日本の侵略的外来種ワースト100」にもリストアップされている理由を

思い知らされました。

ただ、この場所と城陽市の農業地域とは、木津川の高い堤防で隔てられているので、今の

ところ、深刻な被害は出ていないようです。

それにしても、河川敷では圧倒的と思われていた、クズとの繁茂バトルを制したこの繁殖力は

今後、地域の農業にとって脅威となるやも知れません。

アレチウリ <ウリ科 アレチウリ属> 1年草(帰化植物)  

アレチウリ















アレチウリ















アレチウリ






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ツルボ(蔓穂)

2014-09-03 16:21:20 | 単子葉類

2か月程前に夏草が刈り込まれた木津川の土手に、淡いピンク色のツルボが花を咲かせています。

結構刈り込みに強い花だなぁ~と思っていましたが、この花、初夏の田植え前の草刈り後に

葉を延しますが、盛夏には夏草の下で一旦休眠に入ります。

そして夏草が刈り取られたのを見計らって、おもむろに花穂を延し、そして少し涼しくなった

ところで開花・・・ 何とも不思議な段取りの良さを持ち合わせていますが、人間の与えた

条件に適合できた者が生き残り、そうでない者が淘汰されていった結果なのでしょうか?

地下には直径2㌢程の鱗茎があり、これは昔、飢饉の際に水に晒したものを煮て食べたり

鱗茎から獲れる澱粉粉から餅を作るなど、食糧として役立っていたようです。

そんな状況から考えると、人間との付き合いはかなり古い植物のようです。

 和名は「蔓穂」ですが、蔓はどうもこの花の形状に馴染まない気がします。

ツルボ <ユリ科 ツルボ属> 多年草 

ツルボ















ツルボ















ツルボ

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サネカズラ(実葛)の花

2014-09-02 23:17:00 | 被子植物離弁花

10月初旬頃に赤く熟する、直径30㍉ほどの赤い果実が美しいことから、別名ビナンカズラ(美男葛)

と呼ばれるサネカズラの花です。

直径15㍉ほどの淡黄色の花が、葉に隠れて下向きに垂れて咲くので、少し気付きにくいかもしれません。

基本的には雌雄異株で、雄株には雄花、雌株には雌花が咲きますが、雌雄同株のものや

両性花も存在します。

雄花の中には球形の雄蕊の集合体、雌花には球形の雌蕊の集合体があり、雌花は受粉後に

花床が膨らんで果実を形成します。

サネカズラ <モクレン科 マツブサ属>  蔓性常緑樹

サネカズラの花

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シオカラトンボ & オオシオカラトンボ

2014-09-01 16:13:12 | 昆虫

広い意味でのシオカラトンボは、私達の生活圏で見られる最もなじみ深いトンボです。

”シオカラ”は成熟した♂の体色が、黒地に塩水をかけて乾燥させたように見えることからの

ようですが、♀は、くすんだ黄色の体色から、別名でムギワラトンボとも呼ばれます。

ところで、この良く見られるシオカラトンボにも何種類かありますが、その中でも比較的多く

見られるシオカラトンボとオオシオカラトンボの違いについて少し調べてみました。

シオカラトンボ <トンボ科 トンボ亜科>

狭義のシオカラトンボは本種を指します。成熟した♂の複眼は青い色で、腹部は第3節から後が

急に細くなっているのが特徴です。 

シオカラトンボ♂













成熟した♂の複眼は青い色がはっきりしていますが、♀や未成熟の♂は少し褐色を帯びるようです。
シオカラトンボ♂














此方が「ムギワラトンボ」とも呼ばれるシオカラトンボの♀です。
シオカラトンボ♀














此方は未成熟の♂です。まるで♀のような体色ですが、成熟するに従って徐々に黒化していきます。
雌雄の違いは、腹部先端の交尾器の形で識別できます。
シオカラトンボ♂(未成熟)

 

 








 



オオシオカラトンボ <トンボ科 トンボ亜科>

シオカラトンボと比べて特に大きいという印象はありませんが、腹部はシオカラトンボのように
第3節から急に細くなるのではなく、後方に向かって緩やかに少しづつ細くなっています。
成熟した♂の複眼は茶褐色で、体色は全体にやや青味を帯びています。
 ↓ 成熟した♂の個体
オオシオカラトンボ♂














此方はオオシオカラトンボの♀の個体
オオシオカラトンボ♀

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