山と自然の雑学ノート

山歩き&散歩道で出会った植物などの記録

マメアサガオ~荒地に咲く白い星

2008-08-29 06:32:26 | 双子葉合弁花

マメアサガオ <ヒルガオ科 サツマイモ属>

近鉄電車の線路沿いの荒地でヒルガオに似た白い花を見つけました。
家に帰って調べてみると、北アメリカ原産の帰化植物マメアサガオで、
日本に渡来したのは、比較的新しく第二次世界大戦後、輸入穀物に混入しての上陸らしいです。
花の大きさはせいぜい2㎝ぐらいで、あまり目立つものではありません。

これがまたサツマイモ属というのも私には驚きでした。サツマイモといえば、
私の住んでいる城陽市の特産品で「寺田イモ」と呼ばれるおいしいものがあります。
あれがヒルガオ科に属するとは知りませんでした。




ところで、この花は原産地のアメリカでは whitestar(白い星)と呼ばれているそうです。
この形を見れば充分納得できます。

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荒見神社~静かな祈りの空間

2008-08-24 18:27:43 | Weblog
買い物客で賑わう城陽市最大の百貨店、平和堂アルプラザ城陽の駐車場から
西の方を見ると、古墳のように鬱蒼と木の繁った森が見える。

旧冨野村の産土神として祀られてきた荒見神社の森だ。
アルプラザで買い物をした帰りにたずねてみた。

この神社は歴史的に由緒ある建造物なのだが、
木で隠れて境内の中が外から見えにくいため参拝する人は意外に少ない。

私も鳥居をくぐったのは、今回がはじめてだ。

 
鳥居をくぐると、すぐに薬医門とよばれる寺院風の門がある。
神仏習合時代のなごりを今にのこしているようだ


 
表の通りの喧噪をよそに境内は静まりかえっていた。なにかほっとする雰囲気がある。
手前が拝殿、奥が本社、本社は三間社流造の桃山様式、城陽市では数少ない国指定の重要文化財
拝所の上には唐獅子が彫刻がされている

  
本社の右に御霊社(末社)がある。こちらは一間社流造の小さな社、奉納されている絵馬の中に写真の様な
変わったものがあった。これは逆厄落し(さかやくおとし)と呼ばれるもので、他ではあまり見られないようだ

  
境内の東にある菊水の神座、地下水が湧き出ている。傍らに石碑があり、
「菊水は長命の泉にしてこの水は荒見の神がその身に召します水の衣なり・・・」
と記されている。水に対する根強い信仰が窺える

この神社は祭神の多いことも特徴、五柱の祭神が祀られている。
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サクラタデ~秋の訪れ

2008-08-24 11:45:19 | 双子葉離弁花

サクラタデ <タデ科 イヌタデ属>

最高気温を更新した今年の夏ですが、2~3日前から少し平均気温が下がったようです。

そうは言っても、日中の外気温は未だ30度前後、決して涼しいという状態ではありません。
それでも涼しいと感じてしまうのはどうしてでしょうか?

地球温暖化が色々話題になっていますが、人間は意外と順応性の良い生き物かもしれませんね。

ところで、自然界では知らない内に少しづつ秋が近づいている様です。秋の花サクラタデが、休耕水田で
花を咲かせていました。

タデと言えばこの諺がすぐ頭に浮かびます。
「蓼食う虫も好き好き」意味はどうやら「もの好きな奴もいるものだ」ということらしい。少し耳が痛い気がします。


細い茎に疎らに花を咲かせます


近づいて見ると、本当に桜の花の形をしています。


この写真だけなら桜に見えてしまいそうです

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マルバルコウ

2008-08-21 20:11:23 | 双子葉合弁花

マルバルコウ <ヒルガオ科 ルコウソウ属>

熱帯アメリカ原産。日本に渡来したのはかなり古く、江戸末期(1850年頃)の様です。

鑑賞用に栽培されていましたが、現在ではかなり野生化して、道端の灌木などに

絡みついて咲いているのを見かけます。

花はいかにも南国生まれらしい派手な朱赤色で、小さいながらもかなり目立っています。



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ミズキンバイ

2008-08-19 23:47:36 | 双子葉離弁花
ミズキンバイ <アカバナ科 チョウジタデ属>

山で見る黄色い花で、シナノキンバイ・ボタンキンバイ・キンバイソウなど、キンバイの付く名前のものは色々ありますが、
それらは、いずれもキンポウゲ科の草花です。

一方、こちらはアカバナ科。花の形がキンバイソウに似ているところからこの名前が付けられた様です。
水田の間にある用水路に咲いていました。岸から水面を這うように伸びています。

農業用水路も最近では、コンクリートのU字溝が使われている所が多くて、この様な生態を持つ植物にとっては厳しい状況
ではないでしょうか。除草剤にも弱いそうです。

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タマガヤツリ & アゼガヤツリ

2008-08-18 06:59:30 | 単子葉類

タマガヤツリ <カヤツリグサ科 カヤツリグサ属>

名前のとおり、短い花穂が集まって玉型を造っています。水田や沼の浅瀬など根が少し浸水する様な環境を好み、

乾燥を嫌うため、畑地や畦の様な、水のない場所には生えません。






アゼガヤツリ <カヤツリグサ科 カヤツリグサ属>

これも名前が示す通り、あぜ道や路傍でよく見かける蚊帳吊草

花穂は整っていて、ちょうど不動明王の持っている諸刃の剣の様な形をしています。

前掲のタマガヤツリとは対照的に浸水を嫌う性質があり、ほどよく湿っている位の環境がベスト

水田の中にはほとんど生えません。左下に一本ヒンジガヤツリが見えています。

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ヒメムツオレガヤツリ

2008-08-16 22:14:25 | 単子葉類

ヒメムツオレガヤツリ <カヤツリグサ科 カヤツリグサ属>  

北米原産の帰化植物。
よく似た品種にキンガヤツリ(別名ムツオレガヤツリ)があります。こちらは熱帯アジアの原産で
小穂の長さは本種の1.5倍ほどあり、8~9月にかけて花穂が明るい黄金色に変っていくそうです。
本種はこの後、茶褐色に変化するものと思われます。

学名はCyperus ferruginescensとなっていましたが、アメリカの政府系検索サイトNPWRCで画像を確認したところ、
どうもイメージが違う様でした。最もこの写真のイメージに近かったのは、Cypers esculentusで和名があるのか
どうかは分かりません。興味のある方は下記のURLをクリックして下さい
http://www.npwrc.usgs.gov/resource/plants/floramw/species/cypeescu.htm">npwrc
 

かなり大型、背丈は60㎝にもなります。


小穂はキンガヤツリに比べやや短い。重要の固定のポイントです。

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ユウゲショウ

2008-08-15 09:48:52 | 双子葉離弁花
ユウゲショウ <アカバナ科 マツヨイグサ属> 別名 アカバナユウゲショウ

原産地南アメリカの多年草。明治時代に園芸用に輸入されたが、現在ではほとんど
栽培されず、主に西日本で野生化している。

「夕化粧」・・・何となく色っぽい響きの名前が付けられているのだが
朝にする化粧と、夕方にする化粧がどう違うのか?
化粧をしない男性の私には分からないが、多分昼間に比べ少し濃い目なのだろう。

この花、名前は夕化粧だが、朝に花を開き、夕方の四時位には花を閉じてしまう。
どうも命名した人の意図が読めない。










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ハス~一蓮托生

2008-08-13 20:55:33 | 双子葉離弁花

ハス <スイレン科 ハス属>     栽培種

原産地は、インド亜大陸と思われる。日本には中国→朝鮮を経て仏教文化と共に渡来したようだ。

従って最古のものは六世紀後半には既に日本に渡来していたと考えてよさそうだ。

浄土思想では、阿弥陀如来が治める極楽浄土に咲く神聖な花とされていて、人は皆、善人も悪人も

死んだ後に極楽浄土に咲く一つの蓮の上に生まれるとされている。これを仏教用語で一蓮托生と言う。

この考えは、決して悪を容認したものではない。人が本来持っている仏性を信じ、悪人を諭す意味が込められている。

生まれつきの悪人はいないというスタンスなのだろう。







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カヤツリグサの遊び方

2008-08-12 20:18:08 | 単子葉類

先月から少しカヤツリグサにハマっていますが、ここでカヤツリグサの語源になった
昔の子供の遊びを再現してみました。


① まず、不要な根と穂の部分を切り離します




② 次に一方の先端から丁寧に裂いていきます。そして写真の状態で留め、
次に反対側 (この写真では上部)の先端から慎重に裂いていきます。




③ 上手く裂けたら、今度は丁寧に広げます。これで蚊帳の形が完成しました。つまり蚊帳を吊った

状態を上から見た形です。千切れずに完成させるにはかなり集中力が必要です。

単純な遊びですが、実際にやってみると結構おもしろい。暇つぶしに一度挑戦してみませんか。

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コゴメカヤツリ

2008-08-11 06:47:35 | 単子葉類

コゴメカヤツリ <カヤツリグサ科 カヤツリグサ属>

小穂は実ると稲の穂の様に垂れ下がり、鱗片は丸くて米粒の様な形をしている。

華期の始まるのは、カヤツリグサより約一か月ほど遅く、八月に入ると草むらの中で一際めだってくる。

一般的には本種を含めてカヤツリグサと呼んでいるようだ。



コゴメカヤツリの小穂。鱗片は丸く、米の様な形に見える

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イヌホタルイ

2008-08-09 17:16:12 | 単子葉類

イヌホタルイ <カヤツリグサ科 ホタルイ属>

水田や蓮田などによく生える。水田では、この草の茎に稲の害虫でカメムシの仲間アカスジカスミカメ

が産卵をするため一般には有害雑草とされている。

アカスジカスミカメは、稲の籾から吸汁することによって米に被害を与える害虫で、吸汁された米には黒い斑点

ができて斑点米と呼ばれ商品にならないそうだ。





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ヒデリコ

2008-08-09 11:44:13 | 単子葉類

ヒデリコ <カヤツリグサ科 テンツキ属>

水田の畦を好む。日照りや乾燥にもめげずに生えていることからこう呼ばれている。

頑張っている割には存在感が薄い・・・・あまりにも地味で目立たないからだ。





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テンツキ

2008-08-06 06:33:38 | 単子葉類

テンツキ <カヤツリグサ科 テンツキ属>

点々と米粒が散らばった様な形なのでこう呼ばれているのだろうか。

兎に角カヤツリグサの仲間は個性豊かな顔をしていて面白い。

雑草が生い茂る中でも存在感があるようだ。 色はいずれも緑か茶色で目立たないものばかりである。

ご存じ谷啓さんの「美の壺」ではないが、カヤツリグサ鑑賞の壺は「独特の形を楽しむべし」というところでしょうか。



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アイダクグ

2008-08-03 20:20:34 | 単子葉類

アイダクグ <カヤツリグサ科カヤツリグサ属> 別名 タイワンヒメクグ

ヒメクグに比べると、ほとんど見分けがつかない。
茎が少し長いことと、鱗片の竜骨部分に小刺があることで、見分けがつく。

ただし、小刺もルーペを使用しないと見えない。肉眼ではほとんど判定不能。
一般的に畑の雑草として、邪魔者扱いされているので、持ち帰って家庭で栽培することに問題は無さそうだ。

湿地を好むので、家庭で栽培するには、底に穴の無い鉢で湿気を保つとよい。


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