山と自然の雑学ノート

山歩き&散歩道で出会った植物などの記録

タイサンボク(泰山木)

2014-05-30 11:18:38 | 被子植物離弁花

アメリカ中南部原産のモクレン科常緑高木。

日本へ渡来はかなり古く、1873年といいますから明治政府によって廃藩置県に続く

地租改革が行われた頃の話です。

 

樹高は20㍍以上にも達するかなりの高木で、私は小学生時、校舎に沿って植えられていた

この木を蔦って屋上から校庭に降りていた想い出があります。

「忍者ごっこ」のようなものですが、今から思えば随分危険で無茶な遊びをしたものです。

 

この花に関しての想い出をもうひとつ。

この花は果物のような甘い香りが強く、ひょっとしてこの太い花芯は食べると美味しいのではないか?

などとアホなことを考えた私は花芯を折ってガリッと齧ってみたのです。

で、結果はと申しますと・・・何とも酷い苦みが口いっぱいに広がり、その不味さたるや

今もって忘れることができないほどです。

ところで、この花は食用にはなりませんが、この花の香りの成分はジバンシィなどの香水の

原料として使われているそうなのでご参考のため。

タイサンボク1















タイサンボク

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オオヨシキリ(大葦切)PART2

2014-05-28 18:40:04 | Weblog

繁殖期を迎えたオオヨシキリの雄。

縄張りを示すいくつかのソングポストを巡回しながら、朝から夕方遅くまで絶えることなく

濁った声でさえずり続けます。

体に比べて少し大き目の嘴を精一杯に開き

天に向かってさえずる姿には独特の存在感があります。

オオヨシキリ















オオヨシキリ

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ナワシロイチゴ(苗代苺)

2014-05-27 17:15:02 | 被子植物離弁花

河原の土手でよく見かけるイチゴの仲間です。

和名はナワシロイチゴで、6月の苗代の頃に実が赤く熟すことからこの名が付けられています。

小さなバラの蕾の様な形の花は、萼が開いた後にも花弁が開くことはありません。

花の構造としては雌蕊の柱頭の先端が僅かに開いた花弁から顔を覗かせているだけで

その周りを取り巻く雄蕊は短く、花の中に隠れていてその基部に密を溜めています。

いったい、こんな状態でも受粉を助けてくれる昆虫が居るのだろうか?

ふとそんな疑問が頭をよぎります。

撮影していると1頭の蜂が飛来して、この花をこじ開けようとしていました。

がしかし、凡そ10秒で退散・・・

花弁が落下した後の花を見ると基部の合着した雄蕊が露出しているのが判ります。

花弁はおそらく自家受粉を避けるための役割を果たしているのでしょう。

花弁は首尾よく遺伝子交換が行われた後に落下するものと思われます。

ナワシロイチゴ <バラ科 キイチゴ属> 落葉低木 

ナワシロイチゴ















ナワシロイチゴ















ナワシロイチゴ

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ニワゼキショウ(庭石菖)

2014-05-18 18:44:17 | 単子葉類

近くの幼児公園の敷地いっぱいに、ニワゼキショウの花が咲いていました。

以前からこの時期、芝生やクローバーに混じって少しは咲いていましたが

今年はこの花を踏まずに公園の中を歩けないほどの咲きっぷり。

公園で遊ぶ子供の数が極端に減っているのも一因でしょう。

こんなところにも、少子化の思わぬ影響はあるようです。

ニワゼキショウ <アヤメ科 ニワゼキショウ属>  北米原産・帰化植物

ニワゼキショウ

 

 

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コバノガマズミ(小葉莢蒾)

2014-05-16 20:15:45 | 被子植物合弁花

4~5月、本年枝の先に散房花序を出して、白い花を多数咲かせる。

 近付いて見ると花冠は5㍉程で、先端は5裂していて、長い雄蕊が繊細さを感じさせる。

風の強い日には撮影に苦労するパターンだ。

 風が止む一瞬を狙ってシャッターを切った。

コバノガマズミ<スイカズラ科 ガマズミ属>  落葉低木

コバノガマズミ

 

 

 

 

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ミツバアケビ(三葉木通)

2014-05-13 23:02:43 | 被子植物離弁花

アケビの仲間、ミツバアケビの花です。

雌雄同株で、花序は基部に雌花が数個と先端に多数の雄花が付きます。

画像で雌花の花弁のように見えているのは萼片。

普通のアケビは淡紫色でなので比較的目に付き易いのですが、この黒紫色の花は全く目立ちません

比較的乾燥した崖などの樹木に絡んでいるのが見られます。

ミツバアケビ <アケビ科 アケビ属> 落葉蔓性

ミツバアケビ

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フデリンドウ(筆竜胆)

2014-05-10 23:12:27 | 双子葉合弁花

京都府最南端、京都では唯一の”村”である南山城村の標高500㍍のところに童仙房という

小さな集落があります。

綺麗な茶畑や山林にかこまれた地域に小さな水田が少しある程度の山里で、特にこれといった

観光名所もありませんが、明るく開けた高原の快適なカントリウォークが楽しめるところです。

道端のこんな可愛い花や人懐っこい集落の人達に出逢えるのも山里ならでは楽しみ。

 

フデリンドウ<リンドウ科 リンドウ属>  2年草

明るい野原や山地で4~5月に見られるリンドウの仲間、草丈5~8㌢程で、花冠は

先端で5裂し、裂片 と裂片の間には副片があります。 

フデリンドウ















フデリンドウ

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ハマウツボ科の帰化植物

2014-05-06 17:54:46 | 双子葉合弁花

5年ほど前のことになりますが、木津川堤防の土手に突然セイヨウヒキヨモギが大量に

繁殖し始め、初夏の土手を黄色一色に染めました。

当時、植物愛好家の一部には植物の多様性が損なわれるのではないかと心配する人も

いたようですが、こういった新参者の帰化植物は、一時は爆発的繁殖を遂げるものの

その後、定着を果たすと減少に転じ、数の上では既存の生態系と折り合った一定のところで

落ち着くようです。

画像の1~3枚目はセイヨウヒキヨモギで、4枚目以下は最近になって少し目立ち始めた

ヒサウチソウという植物ですが、この2種は以前、花の形状からゴマノハグサ科に

分類されていましたが、何れも自ら光合成を行う一方、ヨモギ属の植物の根に寄生してそこから

養分を吸収するという半寄生植物であるところから、現在では同じ生態をもつハマウツボ科に

移行しています。

セイヨウヒキヨモギ<ハマウツボ科 セイヨウヒキヨモギ属> 1年草帰化植物 

ヨロッパ原産の帰化植物、1973年千葉県で生息が確認され、その後、主に全国の河川敷に

急速に広がった品種

セイヨウヒキヨモギ















セイヨウヒキヨモギ















セイヨウヒキヨモギ













 

ヒサウチソウ<ハマウツボ科 ヒサウチソウ属> 1年草帰化植物

地中海沿岸原産、1982年愛知県名古屋市で初めて生息が確認されました。和名は

帰化植物の研究家、久内清孝氏を記念して命名されました。

ヒサウチソウ















ヒサウチソウ















ヒサウチソウ















ヒサウチソウ

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桐花開く

2014-05-05 10:29:18 | 被子植物合弁花

風薫る季節・・・

青葉若葉を吹き抜ける爽やかな風が、何処からか甘い花の香りを運んできます。

見上げれば頭上に藤色の花が枝から零れんばかりに咲き乱れていました。

キリ<ゴマノハグサ科 キリ属>  落葉高木

キリ














遠くから眺めると藤の花が咲いているように見えます。

「桐花」と「藤花」・・・音読すれば何れも「とうか」となるのは

申し上げるまでもなく、単なる偶然です。
キリ














樹木ながら、ゴマノハグサ科に分類されています。

でも、唇形の花を見ると「なるほど」と頷けます。

但し、「日本の樹木」(山と渓谷社)ではノウゼンカズラ科となっていました。
キリ




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