山と自然の雑学ノート

山歩き&散歩道で出会った植物などの記録

サネカズラ(実葛)

2015-11-18 15:45:46 | 被子植物離弁花

サネカズラはモクレン科の常緑蔓性植物で、枝には粘液が多く、古くは男子の整髪料に用いられた

ことから別名でビナンカズラ(美男葛)とも呼ばれています。

 

「名にし負わば 逢坂山のさねかづら 人に知られでくるよしもがな」

これは百人一首に三条右大臣、藤原定方の歌として収められている一首ですが、現代語に訳すと

★恋しい人に逢えるという逢坂山の、小寝(一緒に寝る)という名を持つサネカズラ(小寝葛)よ、

その名に背かないのなら、その蔓を手繰り寄せるように、あの娘が人知れず私の元へ来る手だては

ないものだろうか・・・といった意味でしょうか?

右大臣と云えば政権のナンバー3くらいでしょうか? ここでは道ならぬ恋の悩みを告白したというより

サネカズラの「実」を「小寝」に掛けた言葉遊び?・・・でしょうね多分

そこんとこは詳しくありませんのであしからず・・・

 

サネカズラ <モクレン科 サネカズラ属> 常緑蔓性

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木津川河川敷のツルウメモドキ(蔓梅擬)

2015-11-13 18:14:11 | 被子植物離弁花

砂礫に覆われた木津川河川敷をこの時期に歩いて気になるのがこの植物です。

今年は大雨で下流の「流れ橋」がまたもや流されるという増水被害がありました。

また、その事を含めてこの植物群落が2㍍以上の水面下に沈むという状況も数回みられました。

にも拘わらず群落が流失しなかったのは、砂礫に育つ植物特有の根の深さでしょう。

河川敷に広がる砂礫の土壌は一見、水的条件に恵まれているようですが、土壌の保湿力が弱く

短期間に柔らかい根を地中深く伸ばせる植物だけが水を得て生き延びられるのです。

山地では地上茎を5㍍以上も伸ばして他の植物に絡みつくツルウメモドキですが、河川敷を匍匐する

地上茎は長くともせいぜい2㍍程度、その分、根への栄養配分は大きく、根の長さは我々の想像を

はるかに超えているのではないでしょうか。

変化する環境に対して、自在に体を変える自然の知恵・・・これ凄いと思います

ツルウメモドキ <ニシキギ科 ツルウメモドキ属> 落葉低木 雌雄異株

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