山と自然の雑学ノート

山歩き&散歩道で出会った植物などの記録

アカメガシワ(赤芽槲)の新葉

2012-04-26 17:33:19 | 植物(木本)

アカメガシワは人里に近い平地に多く自生する落葉高木です。

農道脇などにも普通に生え、この時期に芽吹く新葉は鮮やかな赤色で私達の目を

楽しませてくれます。

しかし、この新葉の赤い色は、葉自体が赤い色をしているのではなく、実際は表面に多数ある

赤い色のした鱗片の色です。

試しにコインなどで軽くこすってみると鱗片が剥がれて、地の緑色が出てきます。

この鱗片は葉の生長と共に自然に脱落し、花の咲く6月頃には赤い新葉は完全に姿を消します。

アカメガシワ <トウダイグサ科 アカメガシワ属>

雌雄異株で、6月に淡い黄色の花を咲かせます。雄花は多数の雄蕊を多数球形に付けますが

雌花は雌蕊のみであまり目立ちません。

和名の「赤芽槲」はこの時期の新葉の赤い色に由来し、槲は食物を載せる広く大きな葉を

意味し、一部の地域では古くは神事に使われていたようです。

アカメガシワ















アカメガシワ

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カリンの花

2012-04-24 22:29:40 | 植物(木本)

都会に住む人にとっては少し馴染の薄い花かもしれません。

「ボケ(木瓜)の花に似ているな」と感じた方もいらっしゃると思いますが、分類の上では

バラ科ボケ属なので、一応、同じ仲間と考られます。

10月頃に熟する果実は固くて酸味が強く、生食はできませんが、ホワイトリカーに氷砂糖と

一緒に漬けこんで花梨酒にすると風邪を引いた時の喉痛を和らげるのに効果があります。

因みにボケの実を漬けこんで作る木瓜酒にもこれと同じ効果があるそうです。

カリン <バラ科 ボケ属>  落葉小高木~高木カリン

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ルリタテハ(瑠璃立羽)

2012-04-20 21:52:45 | 昆虫

広葉樹林の林縁を歩くと成虫で越冬したタテハチョウの仲間が頻繁に見られる季節になりました。

画像はそんなタテハチョウの中でも、紺色の地に瑠璃色の帯模様が特徴的なルリタテハです。

国内に類似品種がいないので、比較的見分けるのが容易な種類です。

幼虫の食草は、山地では主にサルトリイバラ、平地ではユリ科の園芸植物ホトトギスなど。

他のタテハチョウ科と同じく地上で過ごすことが多く、人の気配を感じるとアッと言う間に遠くへ

飛び去りますが、しばらく待つと殆んどの場合、元の場所に舞い戻ってくるので、撮影を試みる

我々にとって、これは有難い習性です。

ルリタテハ<チョウ目 タテハチョウ科>ルリタテハ















ルリタテハ













翅裏の模様は何かの樹皮に似ていますルリタテハ

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コイワカガミの蕾

2012-04-19 22:10:12 | 双子葉合弁花

日曜日は滋賀県の金勝アルプスにコイワカガミの様子を見に行ってきました。

例年ならもう咲き始めているはずですが、残念ながら開花したものはありませんでした。

全体に開花は10日程遅れているようです。

蕾の状態から判断するとGWには可愛いピンクの花が見られるのは間違いなさそうです。

コイワカガミ <イワウメ科 イワカガミ属> 多年草コイワカガミ

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アリアケスミレ(有明菫)

2012-04-18 22:43:34 | 双子葉離弁花

これも昨日のスミレと同様、平地に多い種類です。

棲息環境はスミレのように、舗装道路のコンクリートとアスファルトの境目やひび割れた

アスファルトの裂け目などに生えているのをよく見かけます。

葉はスミレとそっくりですが、花は白色系で、側弁や唇弁に紫色の筋が入っているのが特徴。

和名は「有明菫」で、花の色を有明の空に見立てたものです。

アリアケスミレ<スミレ科 スミレ属>  多年草

アリアケスミレ

 

 

 

 

 

 

 


 

アリアケスミレ

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スミレ(菫)

2012-04-17 22:31:35 | 双子葉離弁花

スミレは田園都市等で市街化区域の側溝とアスファルトの境目などで群生しているのを

よく目にします。

山地ではほとんど見ることはなく、どちらかと言うと、人里に生える都会派のスミレです。

人間の場合は「都会派」は一種の褒め言葉で、洗練されたとか、センスが良いといった

イメージになると思いますが、厳しい環境に生き抜くしたたかさと言う点では我々人間の

都会派とも共通点があるような気がします。

根はかなり深く、上部を摘まんで引き抜くことはかなり困難なようです。

春には画像のような濃い紫色の開放花を多数咲かせ、花粉の媒介によって多様な遺伝子

を持った種子を形成しますが、それ以後は閉鎖花を次から次へと咲かせ、自家受粉で

効率良く種子を作り続けます。

和名の「スミレ」は横から見た姿が大工道具の「墨入れ」に似た形であることから

スミレ <スミレ科 スミレ属> 多年草

スミレ














スミレ








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シハイスミレ(紫背菫)

2012-04-16 17:54:04 | 双子葉離弁花

シハイスミレは山地特有のスミレで、市街地や農耕地では見られない種類です。

それほど標高は高くなくても、兎に角、山地で日当たりが良く、やや乾燥した水はけの良い

場所というのが絶対の生育条件のようです。

タチツボスミレなどのような群生は見られず、生育場所の周辺に少数が点在するような

生え方をしています。

和名は「紫背菫」で、この名は葉の裏が赤紫色をしていることに由来します。

距は細く後に跳ね上がっています。

シハイスミレ <スミレ科 スミレ属> 多年草

シハイスミレ

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シキミ(樒)

2012-04-15 18:35:40 | 植物(木本)

シキミは暖地の山地に自生する常緑の小高木で、西日本では葬儀などの仏事に使われる

ことで、一般に馴染の深い植物です。

サカキに似た全縁の葉からツバキ科の植物と間違えそうですが、以前はモクレン科に分類され

現在ではシキミ科に分類されることが多いようです。

3月中旬~4月下旬に葉腋に淡黄色で直径3㌢ほどの花を咲かせますが、生花店でこの花を

付けたものがほとんど扱われていないので一般にはあまり知られていません。

花には線香のような香りがありますが、葉、茎、花、根など全木が有毒で、特に9~10月に8~

12個の袋果が星形に並ぶ果実は猛毒のアニサチンを含む種子を出します。

この果実の乾燥したものは、近縁種のトウシキミの果実を乾燥して作られる中華料理の香辛料

「八角」に極めてよく似ていますが、山地に自生しているものはまず有毒の日本原産種と考えて

間違いないと思います。

シキミ <モクレン科またはシキミ科 シキミ属> 常緑小高木

別名でハナノキとも呼ばれますが、カエデ科に同名の植物があるため殆んど使われません。

名前の由来は「四季美」とする説や、種子が有毒であることから「悪しき実」が変化したもの

とする説などがあります。

シキミ

 

 

 

 

 






シキミ















シキミ

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ソメイヨシノ

2012-04-12 22:03:45 | 被子植物離弁花

昨日の雨は「花散らし」とか言われていたようですが・・・

今朝の朝日に透かしてみる桜には透明感がありました。


































 

こちらは今日のオマケです。気まぐれに高速で飛び回る燕を狙ってみました。
何しろ機材が貧弱なものでこの程度です。トーゼン私の動態視力も問題ですが

 

 

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サギゴケ(鷺苔)

2012-04-05 21:58:29 | 双子葉合弁花

サギゴケは河川近くや山地の湿った草原に群生するゴマノハグサ科の多年草です。

名前に”苔”と付けられていますが、苔類ではなく、小さくて地面をびっしり覆う姿を

苔という言葉で表していると思われます。

匍匐茎を伸ばして繁殖し、春には根元の葉の間から花茎を伸ばして唇形の花を疎らに

咲かせます。

花の色は画像のように紅紫色のものが一般的ですが、白い花を付けているものも稀に見られ、

白い花のものを単にサギゴケ、紅紫色のものをムラサキサギゴケと呼んでいます。

しかし植物学者の間では同一種の変異として両者を区別しない考え方もあります。

サギゴケ <ゴマノハグサ科 サギゴケ属>  多年草 

サギゴケ















サギゴケ















サギゴケ

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キブシ(木五倍子)

2012-04-02 23:12:09 | 植物(木本)

この時期になると低山の谷筋などでよく見られる光景です。

これはキブシと呼ばれる落葉低木の花ですが、何となく春のリズムを感じさせる

微笑ましい姿です。

キブシは漢字では「木五倍子」で、五倍子とはウルシ科のヌルデの葉にできる虫瘤に含まれる

タンニンを利用した染料のことです。

秋に実るこのキブシの果実は五倍子の代用品として、黒の染料を作るのに使われることから

「木五倍子」という名が付けられています。

しかし、花が咲くのがこの時期で、実が熟すのが秋といいますから、かなりのんびりとした

種作りを行う木ですね。

雌雄異株で、雌株に雌花、雄株に雄花が付きますが、蕾の状態ではまだ判別できません。

キブシ <キブシ科 キブシ属> 落葉低木キブシ















キブシ


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ハクモクレン(白木蓮)

2012-04-01 18:26:20 | 植物(木本)

ハクモクレンは中国原産の落葉高木で、3~4月にかけて白い大きな花を枝一杯に咲かせます。

主に公園樹や庭木などに用いられますが、100%植栽されたもので、同じモクレン科のコブシや

タムシバの様に、山野に自生するものはありません。

こういった白い大きな花の撮影は順光では白飛びもしやすく、立体感を出すのに苦労しますが、

少し日が西に傾いた午後3時~4時頃に逆光気味に撮ると上手く撮れるようです。

ハクモクレン















ハクモクレン













今回、撮影に使ったレンズはキヤノン純正のEF50mm F1.8Ⅱという単焦点レンズ。

標準価格は12,600円で、実勢価格は9000円前後だったと思います。

今時、メーカー純正のレンズが新品で1万円を切るというのは驚きという他ありません。

外観はプラスチック製で、お世辞にも高級感があるとはいえませんが、秘めた性能は高く、

特に合焦点の鮮鋭さは見事で、大口径ならではのボケ味にもクセがありません。EF50mm F1.8 Ⅱ

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