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明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

独自のメニューが揃う立ち食い店 西荻窪『笠置そば』

2022年11月19日 | そば、うどん
西荻窪駅南口は、改札出てすぐの場所に、立ち食いソバ店が2軒ある。
1軒は大手チェーンの『富士そば』で、もう1軒は個人店っぽい『笠置そば』
実はこちらもチェーン店らしく、東京・埼玉に計7店舗あることを、こちらのブログ記事で知った。
そういえば昔、高円寺のガード下にも、同名のソバ店があった記憶がある。

個人店だと思っていた理由はいくつかあり、券売機がなく、商品提供と引き換えにお会計すること、
麺の茹で置きをしていないこと(注:私の訪問時は)、うどんが手打ちであること、
そして、他店にはない独自メニューが豊富なことである。

初訪問は、今から5年ほど前。並びにある『戎』などで日が沈む前の酒をたしなみ、シメに立ち寄ったと思われる。
注文したのは「かきあげそば」で、現在の価格は440円。かきあげ単品は、5年前から価格変動はなく120円。


ツユは、立ち食いソバ店ならではの濃い出汁で、かき揚げも、揚げたてではなく平凡だったが、
さっき書いたように、そばは茹で置きではないためか、しっかりとコシがあり、なかなかウマかった。
また、「立ち食いソバ店ならでは」と記したが、こちらのお店はちゃんとイスがあるため、
厳密には「座り食いソバ」なのだが、以降でも立ち食い店として扱わせていただく。

数年後、うどんに興味を持ち始めた頃、こちらが手打ちうどんを提供していると知り、再訪。
注文したのは、立ち食い店どころか、普通の蕎麦店でも見たことのない、「肉じゃがセット」を冷たいうどんで。
セットは、そばorうどん、温かいor冷たいが選べる。「冷」は+20円なので、当時530+20円、現在は600円。
専門店同様、うどんは注文後に茹で始め、さらに冷水で締めるため、完成まで時間がかかった。


お盆を運んできたのはおばちゃんだったが、私の訪問時は、店主らしきおじちゃんのひとり営業が多い。
ぶっかけ風の冷たいうどんは、少々のネギと丼の縁にわさび。


セットの肉じゃがは、小ライスに乗せられた、珍しい「肉じゃが丼」として登場。


上記にお新香が付くのが「セット」。+120円の「定食」だと、ご飯ものの量が倍になり、麺が半分になる模様。
肉じゃがの味付けは薄めで、野菜独特の甘さを感じ、ご飯との相性はイマイチ。あと、ちょっとヌルかった(苦笑)。
一方、うどんは自家製らしく不揃いだが、ほどよいコシと噛み応えがあり、専門店に勝るとも劣らないウマさ。


当時は「ざる」タイプが好きだったので、冷たいうどんを選択したのだが、
温かいツユの「かけ」でも絶対にウマかったと思うし、肉じゃがを入れて食べても面白そうだ。

飲んだシメに立ち寄りたい笠置そばさんだが、こちらは朝早くからの営業ゆえ、夜閉まるのは早く、
すぐ近くの『最後に笑え』さんの営業開始時間(最近は21時)には、すでに閉まっている。
さらに、その後はコロナ禍もあり、しばらく足が遠のいたが、先述した愛読しているブログで、
「もりカレー」という謎メニューがあることを知り、気になったので久々に行ってみることに。
19時頃に訪問したところ「今日はもう終わり」とのこと。また食べログの情報にダマされてしまった。
数日後、18時頃に再訪したところ、残念ながら夏休み(泣)。さすがは「日本一臨時休業に出くわす男」である

※訪問したのは8月12日

閉まっているドアに貼られた、季節限定の天ぷらが気になった。ハモや稚鮎なんて、普通の立ち食い店では扱わないよね。


ハモの天ぷらとは、さすがは京都の笠置(かさぎ)という地名を、屋号の由来にしているだけある…
という情報は最近知ったことで、それまでの私はずっと、「りゅうちそば」と呼んでいた(恥)。笠智衆のせいだ。

数日後、ようやく入店できたので、店内メニューの一部を撮影。まずはそば・うどん。

よくあるメニューに混ざり、「にしん」や黄色い紙の「ニラ玉あんかけ」など、個性的な商品もある。

こちらはセット、冷やしのメニュー。セットや定食とは、さっきの肉じゃがのように、麺+ご飯ものの組み合わせである。


なので、「コロッケセット」はコロッケそばではなく、麺+コロッケ丼である。
こちらも、「目玉焼き」「ひじき」などの珍品が目に付く。「照焼」は何の肉? 「天ぷら茶漬け」とは?
目玉焼き丼はわかるが、ひじき丼は個人的には惹かれないな。600円というのも、ちょっと高い気がするし。
とにかく、笠置そば西荻窪店の独自性というか斬新さをわかってもらえただろうか。
この日私が頼んだ「もりカレー」680円も、斬新というか奇抜(失礼)なメニューのひとつであろう。


上記画像の左上、妙に白く光っている(撮影失敗)のは、小鉢サイズのご飯である。


冷水で締められたそばを、カレーつけダレに浸して食べるのだが、ご飯の使い道がわからん。
カレーダレは、ニンジンなどの野菜の他、そばツユも混ざっているようで水分が多く、
けれどもスープカレーのようなコクはないので、ご飯にかけてもカレーライスにはならない。
だからといって、タレに浸したあとのそばと一緒に食べるのは、明らかに失策であろう。


しかも、キンキンに冷えたそばを付けていくうちに、カレーに含まれる脂肪分が分離してしまった。


そばは、ツユを少しだけ付けて啜るのが粋らしいが、野暮な私はでっぷり浸すので、このような不幸を招く。
ただ、温かいカレーダレで冷たいそばを食べる、発想自体は悪くないと思う。

そういえば、天ぷらの撮影を忘れていたので、つい最近4度目の訪問。
天ぷらケースの真ん前、通称「天ぷらアリーナ」(※そう呼んでいるのは私だけ)に陣取ることに成功。


さっきのハモのような特別メニューは、注文後に揚げるようだが、他の天ぷらは、ケースに入っているもの以外は売り切れ。
80円の「イモ」「かぼちゃ」から240円の「エビ天」「穴子天」まで、多彩な品揃え。「野沢菜漬天」は珍しいよね。
上記画像に収まらなかった部分には「マイタケ」、さらに「本日 せり天が美味しいですよ」のメッセージも。


日によって、おススメ天ぷらも変わるようだ。チェーン店とは思えぬ柔軟さ!
過去には「スープセロリ」「新茶」「うど」「ふきのとう」「モロヘイヤ」などの販売実績もある模様。
この日の私は、温かい「かけうどん」を食べたかったのだが、あいにくの品切れ。
なので「かけそば」320円に「とり天」200円と、これまた珍しい「あした葉」160円を追加。


メニューケースに「あした葉」の札がなかったのは、私が頼んだのが最後の1個だったからである。
具材をアップ。左の鶏天には、生姜風味が付いている。右の明日葉は、そばツユに負けない鮮烈な香り。


明日葉天だけさらに拡大。途中で七味も加えて、ズルズルサクサクと食べ終えた。


野菜嫌いで、明日葉なんて普段は見向きもしない私だが、天ぷらにするとおいしく食べられる。
もちろん、笠置そばのソバとツユのお陰であることは書くまでもない。
店頭看板、そしてノレンに記された、「味のつわもの」の文字が誇らしげだ。



以前、新秋津駅前の立ち食いソバ店『木曽路』さんを紹介した際に、
個人経営の立ち食いソバ店も、(中略)有名チェーン店やコンビニなどに押され、ここ数年でだいぶ姿を消している。と記した。
私の地元立川は、近年なぜか個人店が2軒増えたが、それはレアケースであり、
コロナ禍により、主流客であるサラリーマンの出勤自体が減ったため、苦境に陥ったり、廃業した立ち食い店は多いはずだ。
拙ブログでは、【牛丼チェーン以外の牛丼を食べた】シリーズを不定期に発表しているが、
今後は、【立ち食いソバチェーン以外のソバを食べた】もシリーズ化し、魅力ある個人店を探したいと考えている。



笠置そば 西荻窪店
東京都杉並区西荻南3-11-7
西荻窪駅南口から徒歩約30秒
営業時間 7時45分くらい~19時くらい ※店主に聞きました
定休日 日、祝、その他不定休
コメント (2)
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大正創業の老舗が作る「うそ」「う中」 恵比寿『長命うどん』

2022年05月31日 | そば、うどん
今から1年以上前、とあるTV番組で、ダウンタウンの松本人志さんが、
「赤いきつね」「緑のたぬき」を一緒にして、「紫のいたち」にして食べる”と語っていた。
「赤と緑を混ぜたら、紫じゃなくて茶色では?」「そもそも、松本さんみたいな大金持ちがカップ麺を喰うのか?」
などの疑問を抱きつつも、面白そうなのでマネしてみることに。


粉末スープを2個使うのは塩分過多になりそうなので、緑のたぬき分だけを使用。


スープが薄まらないよう、赤いきつねの方は、熱湯入れて5分たったら湯切り。


カップには当然入りきらないので、丼を用意し、双方を合わせて完成。七味はどっちも使った。


なお、緑~は3分で完成するので、仕上がりにムラが生じないよう、時間差でお湯を入れる必要がある。
今気付いたけど、赤~は普通に作り、緑~を湯切りしていれば、同時にお湯を入れて、5分で完成したのに。
何はともあれ、「紫のいたち」を改めてアップで紹介。なお松本氏は、だいぶ前からこの食べ方を広言していた模様。


府中や国分寺にあるラーメン店『紅』は、太さが異なる自家製麺を使っているが、


紫~はうどんとそばなので、太さだけでなく風味も異なる、過去に経験したことのないテイストである。


油揚げ+そば、かき揚げ+うどんも新鮮だったので、最後まで飽きることなく食べられた。

うどんとそばの双方を出すお店はたくさんあるが、紫のいたちのような「一緒盛り」を提供している店は少なそう。
以前紹介した『山田うどん』には、冷やしの「ざる相盛り」はあるが、温かい「かけ相盛り」はない。


一部地方には存在している「かけ相盛り」を、ウリにしているお店が今年の4月、東京に進出。
そのお店とは、恵比寿の『長命うどん』。前回の『千年ラーメン』に続き、縁起のいい屋号だよ。
本店は名古屋にあり、創業はなんと大正2(1913)年! 100年以上の歴史を誇る老舗店である。
お店では「ミックス」と呼んでいる相盛りは、いつから始めたのかはわからないが、老舗らしからぬ柔軟な発想だよね。
いつから始めたといえば、恵比寿店は開業して1ヶ月以上すぎたのだが、お店のHPなどでは、
「現在はソフトオープンですので、臨時休業などがごさいます」との表記が。
私は、ソフトオープンという言葉を知らなかったが、どうもプレオープンと同意のようだ。
後述するオーダーの仕方とか、試行錯誤中なのかもしれない。

そんな老舗の相盛りうどんを味わうべく、先日久しぶりに恵比寿まで行ってきた。
さすがは山手線内屈指のおしゃれタウン。居心地の悪さは格別(※あくまで個人の感想です)。
非おしゃれの私だけでは不安なので、恵比寿勤務の友人と待ち合わせ、長命うどんに入店。


まずはメニューを紹介。私の撮影より画質が良好な、お店ツイッターの画像を拝借。
こちらが麺類とトッピング。麺はうどん、中華麺、そば、きしめんと4種もある。


下記が夜限定のおつまみや、ドリンク類。


とりあえずオーダーしたいのだが、ここからがちょっとメンドくさい。
1 店員さんから渡されたQRコードをスマホで読み込む
2 表示されたメニュー表から、注文する商品をクリック
3 さらに「注文リストに追加」をクリック
4 すべての商品を選択し終えたら、「オーダー」をクリック
5 最後に「注文する」をクリック

友人に操作を任せたのだが、3と5は不要な気がしないでもない。
あと、厨房から「○○(商品名)入りましたー」のような掛け声がないので、注文がちゃんと伝わったのか不安になる。
結局、「我々のオーダー、通ってます?」と質問し、無事通っていることが判明。
意外にも、女性店員は明朗で、言葉遣いなども丁寧で好感が持てた。
「意外にも」と書いたのは、こちらのように会話せずに注文できるお店は、店員が不愛想だろうと思い込んでいたから。
別の男性店員も、常連らしい女性客と談笑していたし、「操作ができない」と嘆くおっさん客にも、真摯に応対していた。
接客スキルはあるようなので、口頭注文可能にしてもいいんじゃないかね?

オーダーから約10分後、完成した商品が運ばれてきた。
私が頼んだのは「2種ミックス」690円のうどん&そば、通称≪うそ≫と、「生卵」100円。


残念ながらきつね=お揚げがないので、紫のいたちの注文はできなかった。
麺は半玉ずつなので、合わせて1人前。なぜか丼の模様が、『吉野家』の丼とそっくりだ。


ツユをひと口すすると、カツオの風味が効いた、東京風の出汁に近い濃口ツユであった。
生玉子と一味を乗せて、いよいよ麺をすすっていく。


やや細めのうどんは、ムチムチとした歯応えながら、しっかり腰もある。
濃口ツユで食べるうどんは、山田うどんや立ち食いソバなどのような、柔らかタイプが一般的なので、
腰のある麺との組み合わせは新鮮であった。なお、うどんは自家製、ツユは無添加だそうだ。
ただ、相盛りのそばは、妙にねっちょりとした歯触り。茹でたあと、ぬめりを取ってないのかね。
「うどんは自家製」ということは、他の麺は違うのだろうが、調理はちゃんとしてほしい。
こちらは、友人が注文したうどん&中華麺、通称≪う中≫。


中華麺をひと口もらったが、中華というか、細いうどんという印象。


カツオ出汁の風味をジャマしないよう、この麺を選択したのだろうが、
かん水を使用した黄色い麺の方が、いかにも中華らしくて、うどんとの違いを楽しめると思うけどね。

お酒やツマミは頼まず、うどんだけ食べてお会計。ここからがまたメンドー。
1 さっきのスマホ画面に戻り、「お会計」をクリック
2 お店が発行した伝票が、客席に運ばれる
3 客席フロアにある精算機でセルフ会計

※3のセルフ会計用精算機

別にメンドーでもないだろ、と思われるだろうが、我々の会計時は、2の伝票がなかなか来なかったのである。
「たびたびすみません、会計伝票が来ないのですが」と女性店員に告げたところ、
彼女はすぐに厨房に戻り、「申しわけありません」と謝りながら伝票を持ってきた。どうやら、放置されていたようである。
この日、働いていたのは5名。役割分担もあるのだろうが、他の誰かが気付かないのはおかしい。
失礼ながら、我々の訪問時はそれほど混んでおらず、厨房にいた3名は、結構ヒマそうにしていたし。
これなら精算機ではなく、レジを設置し、対人での会計にしてもらいたい。

長命うどんの感想をまとめると、自家製うどんはなかなかウマく、濃口ツユとも好相性
さらに、他の麺と食べるアイデアは面白く、接客担当の店員さんの応対はよかった
だからこそ、そばと中華麺がイマイチなのは残念だし、スマホでの注文、精算機での会計もメンドーだ。
やっぱり、口頭で注文と会計が可能なスタイルにすべきでは? 
コロナ禍ゆえ、客と店員がなるべく接触しないよう、このシステムにしたのかもしれないが、
客との私語は禁止されておらず、さっき書いたように、常連らしい女性客とも積極的に会話を楽しんでいた。
関係ないけど、この女性客がウザかった。夜なのにサングラスかけて、帽子かぶって、胸元の開いた服を着てと、
芸能人のような気取った格好で、ワイン飲んでやがるの。だから恵比寿はイヤなんだよ…。

※退店時に撮影したものの、激しくブレた看板

未食のきしめんも気になるし、うどん+きしめん≪うきし≫も試してみたい。
ただ、恵比寿はちょっと遠いし、なにより街全体から漂うアウェイ感がしんどい。
うどん、そば、中華麺、きしめんを出す店ならば、多摩地区の豊田に『大黒屋』がある。
お店の人にお願いして、≪うきし≫を特別に作ってもらえないかね。



長命うどん 東京本店
東京都渋谷区恵比寿1-14-6
JR恵比寿駅から徒歩約3分
営業時間 11時半〜15時、 17時半〜21時 土祝11時半〜15時半
定休日 日曜、その他不定休
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『山田うどん』で飲み喰いしてきた。

2022年04月01日 | そば、うどん
最盛期には280店、現在も160もの系列店が存在する、埼玉発祥のうどんチェーン『山田うどん』
ガキの頃から、「安いうどん屋さん」として認識していたが、入店したことはほとんどない。
理由は、うどんにあまり興味がなかったのと、徒歩圏内及び行動範囲に店舗がなかったから、だ。
車どころか免許も持っていない私にとって、ロードサイドに店舗の多い山田うどんは、文字どおり遠い存在であった。
同様の理由で、以前紹介した『どさん子』も、なかなか行く機会がなかった。
多摩地区で唯一の残存どさん子、西武柳沢駅前店の廃業は、実に残念である。

山田うどんには、中学生のとき一度だけ、部活で他校に遠征した際、先輩に「昼メシ付き合え」と強引に誘われ入店。
腹が減ってなかったので、餃子だけを注文。価格は確か200円くらい。当時、一番安いうどんが180円くらいだった。
割高に感じたその餃子は、皮が硬くて、全然ウマくなかった。

少年時代から月日は流れ…すっかり中年になった私は、餃子だけでなくうどんも好きになっており、
双方が食べられる店として、山田うどんを思い出し、初めて自分の意思で訪問を決意。
入ったのは、立川駅から徒歩だと30分以上かかる幸町店。東大和市で飲んで、歩いて帰る途中だったかな。
注文したのは「餃子」250円と、「ざる相盛り」480円。


約30年ぶりとなる山田うどん餃子は、値段はさほど変わっていないものの、味自体は良化。
過去の印象が悪すぎたのかもしれないが、そこそこウマい餃子になってる。
相盛りのソバだけ先に食べ、餃子とうどんを記念(?)撮影。ソバの味はフツーであった。


そして、こちらのメイン商品であるうどんは、妙に柔らかく歯応えもなかった。
その頃は、腰のある讃岐うどんの名店を巡っていた時期だったので、特にそう感じたのだろう。
とはいえ、「山田うどんはそういうモノだ」と知っていたので、不満はない。
最後はツユに、餃子とラー油を一緒に入れて食べてみたが、やはりイマイチだった。


自発的入店から数ヶ月後、清瀬駅前に居酒屋業態の『県民酒場ダウドン』がオープン。
こちらで何度か飲み喰いし、今年の1月に初めて温かいうどん=「たぬきうどん」を食べたのは以前記した。


ただし、ダウドンのうどんは、ツユは黒くなく麺も全粒粉入りと、既存店とは異なるらしかった。
文末では「近いうちに山田うどんの本体にも行かなくては」と書いたことだし、
数日後には、黒いツユの温かいうどんを食べるため、武蔵村山市の『シャトー洋菓子店』でケーキを買った帰りに、
近くの村山学園店に寄ってみた。屋号が『ファミリー食堂 山田うどん食堂』に変更してからは初訪問となる。
前にも書いたが、「食堂」の重複が気になって仕方がない。

早く帰宅し、ケーキを冷蔵庫にしまいたいので、飲酒などで長居はせず食事だけ。
注文したのは、一番安い「たぬきうどん」280円と、「ミニかき揚げ丼」350円。


具材はワカメ、ネギ、天かす、そして東日本ならではの黒いツユ。


ひと口すすれば、ほど悪い(←ほど良いの対義語)甘じょっぱさ。そしてうどんは、やはり腰がなくソフトな歯触り。
だがこれこそが、讃岐うどんはもちろん、武蔵野うどんとも無縁だった私が、昔から食べ慣れているうどんである。
昼メシ代を浮かすため、学食にいた友人に「ひと口ちょうだい」とねだり、ひと口どころか大量にすすったうどんや、
競馬で負けて、わずかに残った小銭を確認し、半ベソかきながらすすった駅の立ち食いうどんなど、
いろんな思い出が甦る、懐かしいテイストなのである。ロクな思い出がない気もするが。
ミニかき揚げ丼は、かき揚げを玉子でとじるタイプ。玉子とぶっかけメシが好きな私には、最適のサイドメニューかも。


会計時、「春巻1本無料券」をもらったが、有効期限が1ヶ月だったので使用できず。
天ぷらや大盛無料券でなく、レギュラーメニューにはない春巻をサービスするのが謎である。

その数日後、数年ぶりに立川市の幸町店に徒歩で向かった私を待っていたのは、まさかの臨時休業!


「日本一臨時休業に出くわす男」を自称する私だが、年中無休のチェーン店でくらうとは…(泣)。
まあ同じ通りには、私が愛してやまない『パワー軒』があるので、予定を変更し、濃厚ラーメンをすすることに。
「魚介豚骨醤油らーめん」780円を、+100円の味噌で作ってもらった。パワー軒の味噌ラーメンは本当にウマい。


それからさらに1ヶ月以上たった先日、まん防も明けたので、今度は一杯飲もうかと、懲りずに徒歩で幸町店に向かう。
以前紹介した『たこ焼き たけちゃん』の屋台は、この日はお休み。
食堂としてオープン予定の店舗には、下記の貼紙があった。なんとか4月中には開業してほしい。


しばらくして、山田うどん幸町店に到着。3月にメニューが変わったらしく、たぬきうどんは310円に値上げ。
先述したメニューも現在は、餃子280円、ざる相盛り550円、ミニかき揚げ丼360円にそれぞれ変更されていた。
この日はまず、「ビール中瓶」490円と、パンチ(もつ煮)の辛口版「赤パンチ」470円にコロッケ160円を注文。
ちなみに、普通の「パンチ」は420円、通常200グラムより少ない、130グラムの「ミニ赤パンチ」310円もあった。
すぐにビール(アサヒスーパードライ)が出てきて、その直後に、お盆に乗せられた赤パンチが登場。


以前、ダウドンで食べたパンチと同じく、具材はモツ、メンマ、こんにゃく。
ピリ辛の赤パンチは、ビールとの相性も当然◎。ホッピー&焼酎が飲みたくなるね。
山田うどんは最近、タンメン専門店も出したみたいだけど、煮込み専門店も出せばいいのに。
なお、主なドリンク&おつまみメニューはこちら。私の好きなホッピーやウーロンハイがなくて残念。


しばらくしてコロッケが揚がった。正式名は「彩の国黒豚コロッケ」で、ソースとともに登場。


黒豚由来なのかはわからんが、コロッケ自体は確かに美味しかった。けれども、1個160円という価格は疑問である。
山田うどんは廉価チェーンというイメージがあるので、「かき揚げ天ぷら」190円も、やや違和感がある。
秋津の立ち食いソバ店『木曽路』のように、「50円にしろ」とは言わないけどねえ…。

※天ぷら2個とコロッケで、50×3=150円

フォローするわけではないが、付属のソースが意外とウマかった。香味野菜の風味が効いていたし。


山田うどん独自の特製ソースかな? 「ブルドックソース」みたいな一般的な商品だったら恥ずかしいな。

うどんは温かいのも冷たいのも食べたので、この日はラーメンを食べてみることに。
いろいろ種類もあったが、一番オーソドックスな「昔ながらのしょうゆラーメン」490円を選択。
ただ、ご飯ものと一緒に頼むとお得なようなので、「かつ丼」640円とのセット価格330円で注文。


どちらもハーフサイズなどではないので、相当な食べ応え、そしてカロリーがありそう。


ラーメンは、具材のナルトが端っこ部分で小さすぎる。ナルト愛好家としてガッカリだ。


醤油味のスープがこれまた、学食や社食で出てきそうなタイプ。平打ちの麺がよかっただけに、もったいない。


かつ丼の方は、かき揚げ丼と似たような味付け。トンカツの厚さはなかなかのもの。


ラーメンのスープは残したが、他は全部たいらげた。また医者に「糖質を減らせ!」と怒られちゃうな…。
会計時、今度はカニクリームコロッケor揚げしゅうまいの無料券をいただいた。


これまた、グランドメニューにはない商品だが、どちらも私の好物なので、今度は使用させてもらうかな。

山田うどんは屋号だけでなく、時代とともに、メニューを少しずつ改良している。
野菜を使用した、女性客向けの新商品を提供する一方で、昔からの主要客である、肉体労働者やドライバー、
さらに腹ペコ学生や無駄メシ食らいのオッサン(自分だ)向けの、ガッツリメニューが充実しているのが嬉しい。
いろいろと不満も述べたが、私にとっては今でも、「うどんのチェーン店」といえば山田うどんである。
『丸亀製麺』や『はなまるうどん』などには負けず、これからも頑張ってほしいよ。


※山田うどんこと、山田食品産業株式会社のHP→https://www.yamada-udon.co.jp/
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武蔵村山市にある「立川 うどん1位」のお店 『満月うどん』

2021年12月05日 | そば、うどん
うどんファン歴は約4年半と、まだまだキャリアの浅い私。
ラーメンと違い、うどんのガイドブックは少ないため、ネットの情報を参考にすることもある。
地元にいいお店はないかと、「立川 うどん」で検索すると、食べログの「立川で人気のうどん」というページがヒットする。
ランキング形式でうどん屋さんを数店紹介しているのだが、以前からずっと1位なのが『満月うどん』さん。
住所を確認すると、武蔵村山市三ツ木…隣接はしているが、いつから武蔵村山は立川市になったんだ。
武蔵村山市は電車が走っておらず、主な交通手段が「立川駅からバス」になるため、立川扱いにしているのかね。
ちなみにこのランキング、現在はベスト10のうち1、3、4、6位が武蔵村山市の店舗である。

これまで何度も記しているように、私は食べログの点数や順位なんか一切興味はないし、
むしろ点数で店を選ぶ人間や、点数を付ける連中を軽蔑しているが、
うどんに詳しい友人が、こちらのお店を絶賛していたので、一度は味わいたいと思っていた。
その友人と一緒に、こちらを訪れたのは今から数ヶ月前。現地集合ということで、私は立川駅からバスで向かったら、
鉄道なら新宿に行けるくらいの料金がかかった。隣市なのに悔しい。

バス停から少し歩くと、お店の名物「肉汁うどん」を記載したノボリがみつかる。文字が逆の写真で申しわけない。


こちらが店舗の外観。しばらくすると友人も到着したため、一緒に入店。


カウンター席に案内され、まずは「ビール」550円=サッポロの中ビンを飲み始める。


友人は店主夫妻と顔なじみのため、上記のお新香はサービスかもしれない。
おつまみとして、豊富な揚げ物メニューから、いくつか注文。
右下から時計回りに「たこ竹輪天」、「かしわ天」、「竹輪天」と「えのき天」、「バナナ天」。


価格はかしわだけ180円で、他は120円。「女将オススメ」の表記があるバナナ天は、チョコシロップも提供される。


前回も紹介したけど、バナナって、意外と酒のツマミになるね。
揚げ物はこの他、日替わりメニューの「生かき天」や、


これまたスイーツ系天ぷらで、シナモンパウダーを振って食べる「りんご天」もいただいた。


かきとりんごは価格不明。こちらもお店からのサービスだったかもしれない。
ビールをガバガバと飲み干し、いよいよシメのうどんを注文。
友人は汁なしタイプの「正油バター」600円を、


私はお店名物の肉汁とごまつけ汁の双方が楽しめる、「ダブルつけ汁 肉汁+満担」1180円をオーダー。
「満担」とは、通常のごまタレに、辛口の油とひき肉を加え、担々麺風になるもので、満担なしだと1150円。
正油バターうどんから数分後、予想以上に豪華な商品がやってきた。


うどんには、いわゆる「かて」と呼ばれる、青菜、カボチャ天、モヤシ、ネギなどの野菜が添えられ、


2種のつけタレの他、揚げ玉や先述したオレンジ色の満担タレなど全5皿に、食後用の割り湯まで付いてくる。


たっぷりのお肉だけでなく、お揚げやナスも入る、肉汁には揚げ玉や青菜を、


ごまタレには当然、タレとひき肉を入れて、自家製うどんを浸しズルズルとすする。


ややグレーのうどんは、硬くてコシがある「武蔵野」タイプで、濃厚なタレにも負けないストロングな麺。
モチモチ歯触りの讃岐タイプとは違った、噛み締める快感が味わえる。
味はもちろん、奥様や女性スタッフたちの接客もよく、終始気分よく食事ができた。
残さずたいらげ、お店の方々に「ごちそうさまでした」と告げ、ゴキゲンなまま退店。
アクセスは良好とはいえないのに、客足が絶えないのがうなずけるお店であった。

その日は、ハシゴ酒&うどんの予定だったため、さらにバスで小平市に移動。
バス停に記された、都営バスの停留所が異様に多かったので、つい撮影してしまった。

※花小金井から青梅まで行くらしい

2軒目は、以前紹介した『福助』さん。私も友人も満腹、そして真っ昼間からベロベロになってしまった(苦笑)。

※福助で食べた「月見うどん」の白

福助さんは現在、2月末まで休業中とのこと。再開が待ち遠しいね。
追記 福助さんは1月19日から営業再開するそうです。


つい最近、満月うどんさんにひとりで再訪。13時頃の到着だったが、満席のため10分ほど待った。
店主夫妻に挨拶したかったが、混雑しているのであと回し。
まずはビール&揚げ物。この日は「リッチメンチカツ」180円、「舞茸天」150円、「半熟卵天」120円を注文。


さっき紹介し忘れたけど、こちらのうどんは量や硬さ、さらに太さなども選べる。


この日私が注文したのは、「かけうどん」並盛700円を極太麺に、「ミニチャーシュー丼セット」430円を追加。
極太うどんを新たに打ったのか、しばらくたってビールを飲み終わった頃に提供された。


うどんは確かに前回のよりも太いタイプ。ガキの頃から慣れ親しんだ、関東風の黒いツユで食べる。


ミニチャーシュー丼セットは、香物2種とかき揚げも付く。


ミニチャーシュー丼の単品が380円、かき揚げは120円なので、お得である。
つけうどんは、やや歯応え過多に感じたが、温かいツユで食べるうどんは、ちょうどいい硬さ。
途中で、かき揚げと七味を加えてみた。麺の端っこ、いわゆる「うどんの耳」が嬉しい。


チャーシューは、低温調理のピンク色のものと、醤油で炊いて細かく刻んだ茶色いタイプの2種があり、
昔からある醤油炊きの方が抜群にウマい。このチャーシュー単品でビールを飲みたいくらいだ。

※残った半熟卵天を乗せてみた

低温調理の桃色チャーシューは、最近の意識高い系ラーメン店でよく見かけるけど、
チャーシューは醤油で炊くタイプが一番ウマいと、個人的には信じている。
とはいえ、満月うどんさんの桃色チャーシューも、なかなかおいしかったけど。
全部食べ終えた頃には14時を過ぎており、さすがにお客さんの数も減ってきた。
会計時、店主夫妻に挨拶するつもりだったのだが、所用のためか姿が見えず。
結局、「前回はどうも」と声をかけられぬまま退店してしまった。次回こそ、必ず挨拶しますのでお許しを!

最初の方でぼやいたが、バス代がそこそこかかるので、帰路は思い切って徒歩で立川に戻ることに。
この日の都内最高気温は19度。武蔵村山市は20度くらい? と思えるポカポカ陽気で、歩いていて気持ちよかった。
途中、いろいろと寄り道もしたが、それらの時間を除くと、満月うどんから立川駅まで102分
散歩は嫌いではない私だが、さすがにしんどい距離であった。
それから3日経過した今、このブログを執筆しているのだが、さっきから妙に両足とケツが痛い。
トシをとると筋肉痛が遅れてくるのは知っていたが、まさか3日(と半日)過ぎてから見舞われるとは…(苦笑)。
今度、満月うどんさんを訪問するときは、おとなしくバスで往復しよう、と誓った悲しき中年であった。

おまけ かわいかったのでつい撮ってしまった、お店奥に飾ってあるパンダちゃんぬいぐるみ



武蔵村山 満月うどん
東京都武蔵村山市三ツ木1-12-10
立川バス、都営バスともにバス停長円寺下車、徒歩約2分 
立川駅からは徒歩102分、一番近い鉄道駅は箱根ヶ崎だろうが、それでも徒歩40分はかかりそう
営業時間 11時~15時 夜は現在、月に数度の営業
定休日 月曜、その他不定休あり
※夜営業の日や定休日などの詳細は、お店のHPで確認してください
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朗らかな店主が打つ香川のうどん 高幡不動『咲楽』

2021年07月08日 | そば、うどん
以前やっていた、【近所の飲食店を巡る(ただし、近所=徒歩60分圏内)】シリーズ。
立川から47分ほど歩く高幡不動(モノレールなら10分)では、『四八天丼』で安ウマ天丼を食べた。
その、四八天丼さんのすぐ近くにあるのが、手打ちうどんのお店『咲楽』さん。
以前は、同じ日野市の多摩平という場所にあったが、2年前に高幡不動の駅前に移転。
前の店舗は、立川から徒歩だと推定54分ほどかかりそうなので、少し近くなったようだ(←だから歩くなよ)。

お店のHPには、下記のようなかわいらしい夫妻のイラストが掲載されている。


実際の旦那さん=店主は、もうちょっとコワモテだが(失礼)、イラストと同様、常に笑顔で明るい接客をしている。
お店ではご夫妻の他、二代目候補の息子さんも働いており、新規客の私にも声をかけてくれて、気分よく食事ができた。
元々、うどん店は気さくな店員さんが多い印象だが、咲楽の店主は特に愛想ヨシである。
初訪問時に注文したのは、「瓶ビール」660円(内税表記、以下同)と、「かしわ天」88円に「竹輪の磯部」165円、


そして牛丼好きの私が頼まずにはいられない「牛皿」330円。卵黄のサービスもありがたいね。


ビールは、生だとサッポロエビス770円、瓶は「赤星」の愛称で親しまれているサッポロラガーだ。
天ぷらは薄いコロモの上品な仕上がり。個人的には、もう少し厚いコロモで油っこい、下品な方が好みだ。
牛皿も、うどんに合うような薄口の味付け。黄身ちゃんをゆっくり崩して、肉と絡めて食べたよ。
ビールをもう1本飲んだあと、シメとしてうどんの「かけ」440円を、温かいのでオーダー。

※冷たいのも注文可能

黄金色のダシに、いかにもコシのありそうな麺。見ただけでウマいのがわかるうどんだ。
うどんは当然、店主が毎日打っており、四角い断面の麺は、他の讃岐うどん店と比べるとやや硬めか。
いりこが香るツユは塩分控えめで、力強い麺のコシと、小麦の風味を引き立てる。
数口食べたのち、いつものように残った肉と天ぷら少々、そして卓上にある揚げ玉を追加。


揚げ玉には味がついてなかったが、肉などから旨味が浸み出し、ツユの旨味が増幅。
当然のように、一滴残らず飲み干しお会計。「おいしかったです、また来ます」と告げて退店。

2度目の訪問時も、店主が声をかけてくれて、その後もお酒やうどんのことなど、いろいろと教えていただいた。
香川県で生まれ育った店主が作るのは、当然、讃岐スタイルのうどんだが、
店主が目指しているのは、香川県東部の製麺所のうどんだそうだ。
なるほど、うどん専門店ではなく、打ち立ての麺を安価で提供する、製麺所のうどんか。
とはいえ、香川県にすら行ったことのない、エセうどんファンの私には、あまり理解できないのが申しわけない。
また、塩も特別なモノを使っているそうで、「普通の店はアルカリ性だろうけど、ウチの塩は酸性なんだ」とのこと。
酸性とアルカリ性の違いや、酸性であることのメリットなどは、私にはもちろんわからないのだが、
無知だと思われるのを避け、質問できなかった(反省)。今度行ったとき、改めて聞いてみよう。
とにかく、原材料の小麦粉、塩、水は、品質はともかく、どの店もほぼ同じはずなのに、
打つ人によって見た目も形状も味わいもすべて異なる、うどんの奥深さには、驚かされるばかりだよ。

うどんと同じく、原材料はほぼ同じなのに、銘柄によって味がまったく違うのが日本酒。
私はビールやウーロンハイのような、アルコール度数が低く、安い酒をダラダラと飲み続けるのが好きなので、
日本酒やワイン、焼酎・ウイスキーなどのロックは、なるべく避けているのだが、
咲楽では、店主が笑顔でオススメしてくるので、ついつい頼んでしまう。
これは、名前が面白いので選んだ「恋するバナナ」。


バナナ麹を使用しているらしく、バナナの香りと色(薄目のイエロー)がお酒についている。
こちらは店主が「珍しいお酒です」と推奨してくれた「極超新星 HYPER NOVA」。

※酒をついだグラスが、写ってなくて失礼

ハイパー・ノヴァとは、昔の漫画「ゲームセンターあらし」に出てくる必殺技のような名前である。例えが古いか。
どちらも飲みやすい口当たりで、うどんの食前酒には適していると思うが、
よせばいいのに立川から徒歩で来ている私は、アルコールの吸収が早く、すぐに酔ってしまった(笑)。
なお、日本酒の価格はメニューには660円~と記載されているが、上記のお酒は880~990円くらいだと思われる。
店主も奥様もお酒好きらしく、日本酒は豊富に揃っているので、お好きな方はいろいろ試してみてほしい。
以降では、おつまみとうどんを紹介していく。

ビールに合う揚げ物もいろいろあり、こちらは「メンチカツ」と「野菜のかきあげ」、どちらも165円。


うどん出汁を使用した「水ギョウザ」440円。もちろん、ツユも残さず飲んだ。


メンチと餃子は、自家製ではないかもしれないが、かきあげの野菜は、自家農場で収穫したものらしい。
下記のおでんも、店内のお鍋で煮てある自家製だ。


左から時計回りに「牛スジ」200円、「平天」200円、「玉子」120円。
辛子みそを付けて食べるおでんは、日本酒や焼酎のロックに合いそうだね。

一方のうどんは、こちらが「ざる」で550円。


冷水で締められた例の四角いうどんを、濃口ツユでズルズルと啜っていく。
長さはちょうどよく、ツユの御猪口からハミ出ることはなかった。
盛りつけの見た目はいいけど、妙に長くて食べづらいざるうどんを出す店が、結構あるからね。
こちらは「ぶっかけ」の温495円。かけよりは濃い出汁を、温かい麺にかけて食べる。


苦手な大根おろしを抜いてもらうのを忘れていたが、麺とダシの相性を考慮すると、私はぶっかけが一番気に入った。

そして、3度目の緊急事態宣言が明けたつい先日、久々に飲みに行ってきた。
ご夫妻は相変わらず朗らかで、「生ビール(の樽)を開けた直後に、酒類販売が停止になって参ったよ」と苦笑い。
その樽は結局、「数日間かけて、家族で飲み切った」そうだ(笑)。おそらく、封の空いた日本酒も飲み干したのでは?
この日もまずはビール、そして店主ご推奨の日本酒「水芭蕉」990円(推定)を飲んでみた。う~む、また酔ってしまう…。


おつまみは以前も頼んだ「牛皿」と「コロッケ」132円。


コロッケは半分ソースで、もう半分は卓上のだし醤油で食べたら、意外とイケた。
シメには「釜玉」660円の大盛+110円を選択。ちなみに特盛は+220円だ。
約15分後、茹で立てのうどんが玉子と絡められて完成。


余った牛皿も乗せて「肉ぶっかけ」にした。大好きな黄身ちゃんも残しておいたので、玉子はダブルだ。


釜玉にしてはうどんが硬く感じたが、ズルズルと一気に啜って噛みしめ、「ごちそうさまです」。
ご夫妻の接客と、ウマいうどんやお酒に元気をもらい、いい気分になって退店。
さすがに帰路は歩かず、おとなしくモノレールに乗ったよ(乗車後、座席で即熟睡)。

そういえば、書き忘れていたが、ここ咲楽さんではだいぶ前から、
ウィルスを除去する機械を購入・使用している(下記画像右側)。商品名は…忘れてしまった。ゴメン。


上記画像、左側の貼り紙にあるように、こちらではうどんのお持ち帰りもやっているし、
さらに、私は未食だが、イナリ寿司と太巻き寿司というご飯メニューもある。
さらにさらに、午前10時まではきつねうどんなどが、通常よりお得なオール500円で食べられる朝サービスも。
そもそも、立ち食いソバ屋じゃないのに、開店が朝7時というのもスゴイよね。
今度は早朝ウォーキングしてから、咲楽さんで一杯やって(←いいのか?)、うどんで締めようかね。



手打ちうどん 咲楽(さくら)
東京都日野市高幡2-23
京王線高幡不動駅から徒歩約1分、多摩モノレールの駅からは徒歩約3分、立川駅からは徒歩約46分(高幡不動駅は通らず)
営業時間 7時~14時、17時~20時 時勢により変更の可能性あり
定休日 水曜
※今後の営業などの詳細は、HPでご確認ください

※残念ながら、2025年5月で閉店なさったようです
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ラーメンの街で蕎麦をすする 荻窪『春木家本店』

2021年06月25日 | そば、うどん
最近はそうでもないが、TVや雑誌で【ラーメンの街】と紹介されることが多かった荻窪。
提供しているのは、真っ黒な醤油味のスープに中細麺を泳がせ、メンマやチャーシューなどが乗る、
東京スタイルの正統派醬油ラーメンであったが、それでも行列のできる店がいくつかあった。
21世紀に入ると、新たなラーメンが次々と誕生し、某人気店の脱税が発覚したりして、やや勢いが衰えたが、
それでも、「荻窪ラーメン」ブームの牽引役を担っていた、『春木屋』さんは常に高い人気を維持。
つい最近まで、店頭には常に行列ができていたし、コロナ禍の今でもたまに、並んでいる人を見かける。
私が食べたのは20年以上前。単なる醤油ラーメンではない旨味とコクがあり、味自体は満足できたが、
価格は1杯750円。当時にしてはやや割高で、「ウマいけど高いな」という感想を抱いてしまった。
 ※春木屋HPより拝借

上記「中華そば」は、現在850円。20年で100円しか値上げしていないのは、良心的といえる。
ただし、うっかり「ちゃーしゅーわんたん麺の大盛」を頼むと、1900円という驚愕プライスになるので注意。

春木屋さんは駅近くの青梅街道沿いにあるのだが、そこから少し歩いた住宅街の中に、
今回紹介する『春木家本店』がある。経営は別だが、店主は親戚同士とのこと。
そもそも、春木屋はラーメン専門店だが、春木家本店はお蕎麦屋さんなのである。
荻窪にはかつて、やはり親類が営んでいた「餃子の春木家」もあったが、数年前に廃業した模様。
春木家本店にも、だいぶ前に入店し、当時たしか600円くらいの「中華そば」を食べた。
春木屋とは味が違ったが、「フツーの味だな」と思った記憶しかない。

あれから数年後。荻窪在住の先輩から「春木家本店で昼酒を飲もう」というお誘いをいただいた。
大好きな日が沈む前の酒、しかも蕎麦屋で飲むなんて、粋でカッコいいではないか。
野暮でカッコ悪く単純な私は、喜んで荻窪に駆けつけたのであった。

店内はテーブル席と小上がり席があり、我々(3名)は小上がり席で飲ませていただくことに。
最初はビール…ではなく、いきなり「麦焼酎 吉四六」のボトル4000円を注文。
これを、蕎麦湯(無料)で割って飲んだら、短時間でいい気分になれる。
蕎麦湯も、チェーン店『富士そば』のは、ほぼ「ただのお湯」で無味無臭だったが、
こちらは専門店だから、ちゃんと白く濁って粘度があり、蕎麦の香りもしっかりついている。
ここまで書いておいて、焼酎ボトルと蕎麦湯の写真を、撮り忘れてしまい申しわけない。
一応、最初にやってきたおつまみの「もつ煮込み」520円の左端に、びんの一部が映っている。


もつ煮の味は、特にクセのないタイプ。自家製ではないのかもしれない。
ひとり酒ではよく頼む一品だが、いかんせん3人で分けるのは難しい。3品頼むべきだったか。
と、お店の方も思ったのが、これまた私が希望した、中華そばのトッピング「煮卵」。いわゆる味玉だ。
「3つにしましょうか」と提案されたので、そうしてもらった。1個100円×3。


この、細工包丁によるギザギザ模様がいいね。包丁じゃなく糸でやったのかな?


黄身はほどよい柔らかさで、味付けもちょうどよく、素晴らしい煮卵であった。ひとりで3個喰いたくなった。
ここからは、撮影した順番に紹介していく。こちらは「砂肝」550円。


砂肝の旨味をまとった焼きネギが、香ばしくてイケる。
こちらは「角煮あんかけ」800円。わかりづらいが、かなり大きめのお皿で登場。


醤油ベースのあんかけが、大小様々な形状の国産豚肉と絶妙に絡む。
焼酎にも当然合うが、ご飯のオカズにもなるはず。結構な量なので「ハーフ」の注文も可能らしい。
あとは、メニューには載っていないが、お蕎麦屋さんらしいおつまみの「そば味噌」480円に、


同じくメニューになく、壁の貼り紙にあった「刺身ゆば」380円。


我々のために三等分してくれたようで、「形が崩れてゴメンなさい」と店員さんは謝ってくれたが、
こちらこそ、わざわざ手間をかけていただき、感謝しかない。

ちょうど麦焼酎のボトルが空いたので、そろそろシメのお食事に。
せっかくだからソバを食べよう、ということになり、先輩たちは普通のもりそば「せいろ」650円、


私はお店自慢の「粗挽十割蕎麦」850円をオーダー。先輩より高いモノを頼むなっつーの。


店員さんの説明によると、せいろとは麺だけでなくツユも異なり、薬味に大根おろしも付くそうだ。


焼酎が効いたのか、酩酊していたので、ヘタクソな写真(←いつもじゃねえか)でわかりづらいが、
せいろソバが白っぽいのに対し、粗挽十割蕎麦は、白滝のようなやや黒ずんだ透明。
すすったときの印象を文字にすると、せいろがツルツルだとしたら、こちらはズズズズ…となる。
繋ぎを使用していないからか、歯応えがあるのだが、ちょっと食べづらい感も。
お店には悪いが、私のバカ舌には、せいろの方が合っているようだ。

食べ終わったのが、入店してから約90分。当時は規制がなかったので、その後もダラダラ談笑していたが、
「飲食店での滞在時間90分」という、よくわからんルールが作られた最近の東京では、
春木家本店での昼飲み、相当オススメだよ。

なお、我々が飲んでいる間も、常連っぽい客が次から次へと訪れ、食事していたのだが、
彼らの食べている「中華そば」や「タンメン」が、妙にウマそうでね。
次回はひとりで訪問し、食事も楽しもうと思ったのだが、その後は忌々しきコロナ禍があり、
さらには毎度のごとく、臨時休業に遭遇したりで(泣)、なかなか入店できず。
 ※日頃の行ないが悪い私には、よくあることである

ようやく食事ができたのは、緊急事態宣言が一瞬だけ解除された、今年の3月。
入口で殺菌消毒を済ませ、「中華そば」720円に、前回気に入った「煮卵」を追加。
壁のポスターには、「現存する 最古の東京ラーメン 昭和6年…… これだけは変わらない 原点回帰 醤油ラーメン」
という宣伝コピーが誇らしげに記されている。ちなみに、ラーメン専門の春木屋は、昭和24年創業だ。
昭和6(1931)年より前に開業したとされるお店もあるので、本当に最古なのかは疑問だが、
長い歴史があるのは間違いない、伝統の中華そばが運ばれてきた。


チャーシュー、メンマ、三角状のノリにネギ。クラシックな東京ラーメンである。
自家製の麺は、これまた泣かせる細ちぢれ麺。スープは、結構油を含んでいるのか熱々。


思わず「ああ、ウマい…」とつぶやきたくなる、滋味あふれるラーメンだ。
若かった頃の私には、ケレン味のないこのラーメンの真価が理解できず、「フツー」と感じたのだろう。
変わらない味を守り続けるという、春木家本店さんの心意気が、丼内のロゴからも感じさせられた。


スープも全部飲み干し、お会計時に「とても美味しかったです」と告げて店を出ようとしたところ、
会計を担当したお母さんに「あ、帰る前にちゃんと消毒しなさい」と注意された。
おっさんになると、他人に叱られることはほぼなくなるため、なんだか子供の頃に戻ったような感覚。
確かに、入店時は忘れないが、退店時に消毒することは、今までなかった。皆さんもそうじゃない?
昔風の中華そばを食べたあとだし、なんだか懐かしい気分になったところで、改めて退店。

3度目の訪問は、ソバとラーメンは食べたし、今度はうどんだ! と「なべ焼き」1250円を注文。


鍋焼きと言いつつ、実際は「鍋煮込み」程度のお店が多い中、さすがは老舗・春木家さん。
高温で鍋を焼き続けた模様で、うどんがいつまでもグツグツ状態。この土鍋、よく壊れないな。


具材はカマボコ2枚に海老天、生玉子、しいたけ、ナルト、お麩、絹サヤにネギなど。
鍋のフチに触れて、あまりの熱さに声にならない叫びを上げたのち(本当)、小皿にうどんを移し、食べ始める。


通常のうどんにはあまり入らないお麩だが、噛み締めるとおツユがジュワッと浸みだし、なかなかおいしい。
生だった愛しの黄身ちゃんは、半熟に仕上げたかったが、ちょいと熱が通り過ぎたか。


そばやラーメンと同様、うどんも自家製とのことだが、さすがの熱量で、ずいぶん柔らかくなっていた。
あと、楽しみに取っておいた海老天もやはり、「コロモふにゃふにゃ」の残念な状態になってしまった。
具だくさんでお腹は満足したけど、熱々の鍋焼きうどんって、食べるの難しいね。

昔ながらのお蕎麦屋さんゆえ、麺類だけでなく「カツ丼」や「天丼」もある春木家本店。
出前も利用したことがある先輩によると、「カツカレー」もオススメらしい。
ご飯ものだけでなく、さっきも書いた「タンメン」や、うどんのコシがわかる「冷やしたぬき」も食べたいし、
豊富なツマミと一緒に、麦焼酎でゆっくり昼酒も楽しみたい
春木家本店さんには、今後もいろいろとお世話になりそうだ。



春木家本店
東京都杉並区天沼2-5-24
JR、地下鉄荻窪駅から徒歩約6分
営業時間 11時~15時、17時~21時 現在は20時まで
定休日 木曜、その他臨時休業もあり
※ラーメンの『春木屋』は東京都杉並区上荻1-4-6
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名店の隣もやっぱり名店 一橋学園『むぎきり』

2021年05月02日 | そば、うどん
自家製チャーシューが抜群にウマく、月イチでお持ち帰りを購入している、一橋学園の『なにや』さん。


自宅で楽しむだけでなく、お土産に持参しても喜ばれること間違いなし。 


購入後は、お店でそのまま食事したり、近所の『うどんや 武』さんで食べることもあるが、
以前から気になっていたのが、店舗のすぐ隣にある『むぎきり』というお店。
なにやさんとは、店主同士が兄弟なのだが、こちらは手打ちうどんのお店。
毎回、店の前に行列ができていたり、完売で早じまいしていたりと、なかなか入店する機会に恵まれず。
今年ようやく、初訪問することができたが、店内はやはり混雑していた。

少し待ってから、テーブル席に案内される。最近は夜の営業をやめ、メニューも少し絞った模様。


上記以外にも、日替わりメニューや春巻などもある。私はまず、「ビール」550円と「春巻」480円を注文。
厨房では店主らしき男性が、うどんの打ち・茹で・調理などを担当。結構若い方なので、二代目だろう。
運ばれてきたビール中瓶を飲んでいると、春巻が揚がった。


中身は当然熱々ではあるが、片栗粉使用のドロッとしたタイプではないため、口内ヤケドの心配がない。


丁寧に作られているのがわかる一品で、蕎麦前ならぬ「うどん前」に最適であった。
シメのうどんは、「天ぷら」(エビ1本と野菜)1400円を、温かい(かけ)で注文。
この日、周囲の客のほとんどが「野菜天」(野菜5品)950円の冷やし(もり)を頼んでいた。
野菜嫌いの私としては、エビちゃんくらいは居てもらわないとさみしいので。
私が座った席の前には、お運び用の「木製お盆」が並んでいた。老舗っぽくていいね。


そのお盆に乗せられた、お目当ての「天ぷら」うどんが到着。


写真を撮っていたら、厨房のおばちゃんが「反対よ」と、ホール担当のおばちゃんに指示を出し、
そのおばちゃんがやってきて、「さっき左右反対に置いちゃった。ごめんねえ」と、お盆の左右を入れ替える。


私の場合、あとでうどん単品と天ぷら盛り合わせを、それぞれ単独で撮影するので、


左右逆でも気にしないのだが、お店側としては、正しい配置で撮影してほしいのだろう。


いずれにしても、「ちょっとアンタ、左右逆じゃないのよ!」などと、無知な私を叱ることなく、
「反対でごめんねえ」と、やんわりと指摘してくれた、店員さんの真心に感謝したい。
ところで、配膳作法では、うどんが左側でもいい気がするのだが…手前じゃなかったからかな?

肝心の味だが、うどんは平べったい形状で、ちゃんとコシがあるのになめらか。のど越しも最高。


武蔵野でも讃岐でもないが、私の好みに合ったうどんで、とにかくウマい!
しかもこのうどん、丼内にたっぷり入っており、食べ切るのに時間を要した。
東日本らしい濃口ツユとも好相性で、このうどんなら「もり」も、絶対にウマいはずだ。

天ぷらは、ししとう2本、大葉、レンコン、かぼちゃ、舞茸にメインの海老。「野菜天」+海老という構成か。
海老自体もなかなか大きく、ご覧のように、丼には収まり切らないレベル。


この海老天なら、野菜天より450円高いだけの価値があるよ…と納得しながらメニューを再確認したところ、
「天ぷら~~1400円から」の「から」の文字に気付いた。


愛想ヨシのおばちゃんやマジメそうな店主が、ぼったくるとは思えず、心配はしていなかったが、
その下の「特天ぷら 大エビ2本と野菜 2000円から」というメニューも気になる。
私が食べた海老天もじゅうぶん「大エビ」なのに、暫定600円プラスということは、さらにデカくなるのか。
次回は特天ぷら…イヤ、まずは冷たいもりうどんだろう、と再訪を誓いお会計。
わざわざ店主が厨房から出て、お会計をしてくれたので、「とても美味しいうどんでした」と告げて退散。
あ、「天ぷら」うどんのお代は、メニュー表示とおり1400円だったよ(笑)。

店を出ると、入口ドアに「本日売り切れ」を知らせる看板が出ていた。


時刻は12時45分。11時30分開店なので、営業時間は1時間15分。次回はもっと早く来よう。
それにしても、『なにや』さんという名店の隣に、もうひとつ名店があるとは驚きだ。
この近隣に住んでる方が、本当にうらやましいよ。

有言実行、前回より早めに訪問したが、相変わらずお店は大繁盛。
入口付近の待ち客用イスに座っていると、店主が厨房から店外に出て、「売り切れ」看板を出した。
時刻は12時15分。この日は45分で売り切れか!
今回の注文は「つけめん(温肉汁)」800円に、「温泉たまご」120円をトッピング。
先に玉子ちゃんがやってきた。柚子らしき柑橘類の欠片がちょこんと乗っている。


数分後、切り立て、茹で立て、締め立てのうどんが、温かい肉汁と一緒に登場。


冷水で締められたうどんは、大きな器にたっぷりと盛られている。


相変わらず踊るような歯触りとのど越しで、量は多いけどスルスルと胃に収まっていく。
かけのツユと同様、濃口醤油ベースのつけ汁には、野菜やシイタケ、そしてお肉の旨味が溶け出していた。

※温玉も仲間入り

写真はないが、玉子をうどんに絡めたりして、ペロリとたいらげ「ごちそうさまです」。
この日は、前回のおばちゃんより若い女性店員(店主の奥様?)が接客担当だったのだが、
私の会計時だけ、またまた厨房から店主が出てきた。食い逃げされないよう警戒しているのか(泣)。
「今日もおいしかったです」と話しかけ、最近のだいたいの売り切れ時間をたずねたところ、
「今日みたいに早い日ばかりではないですが、仕込みを抑えているので…」と、店主自身も不本意な様子。
品切れや早期売り切れは、客にとっては残念だが、食材ロスを出すわけにもいかないからね。
むぎきりさんだけでなく、コロナ禍のせいで客入りが読めず、仕込み量に苦労しているお店は多い。

3度目の訪問時は、13時を過ぎていたが運よく入店できた。店主が語ったように、日によって差があるようだ。
ただし、その後すぐに売り切れ看板が出され、結果的に私がその日最後の客となった。
お目当ての「カレーうどん」が売り切れていたので、「もり」600円の大盛+200円をオーダー。


ウマいから喰えるだろう、と楽観視していたが、いざ目の当たりにすると、ちょっとピンチと思わせる麺の量。


前回よりもデカい、すり鉢状の器に、例の絶品うどんがビッシリ詰まっている。
冷たいつけ汁は、小麦の甘味を感じるうどんと対照的な濃い出汁。こちらも、やや大きめの容器なので食べやすい。
しっかり味わいたいのだが、満腹中枢が働く前に、一気に啜っていくしかない。
ウマい、おいしい、絶品、最高…と心の中で称賛しつつ食べ進めたが、なかなか減らない。


上記画像は、半分以上食べた状態なのだが、水切りザルなどの上げ底がないのを、わかってもらえたであろうか。
ここからラストスパートをかけ、最後の1本まで余すことなく食べ切る。
満腹感と満足感の双方を得られた、素晴らしいランチであった。帰路、歩くのがツラかったが(苦笑)。
会計時、またまた店主に「大盛は普通の倍くらいありますか?」とたずねたら、
「倍…まではいかないです」とのこと。「それでも多くて大変でした」と返答したら、
「他のお店が少ないんですよ」と、誇らしげに断言。
やや食が細くなったが、今でも大食漢かつ熱血漢(?)を自負する私としては、こういうお店は大好きだ。
美味しいうどんを腹イッパイ啜りたくなったら、第一候補はむぎきりさんだな。
問題は、最速で45分という短すぎる営業時間だ…。

先日、東京では3度目となる緊急事態宣言が発令された。本日5月2日、なにやさんに買い物に行き、
ついでに隣の様子も確認したら、臨時休業となっていた。


コロナが収束すれば、むぎきりさんも仕込みを増やし、夜営業も再開してくれるだろうし、
いつかは、なにやさんとのハシゴ酒&ハシゴ麺にも挑戦したいよ。
いずれにしても、隣り合ったこの2軒とは、末永いお付き合いになりそうだ。



むぎきり
東京都小平市学園西町1-26-26
西武多摩湖線一橋学園駅から徒歩約2分 JRなら新小平駅から徒歩約18分
営業時間 11時半~14時半、17時~19時半 
5月11日まで休業、その後もしばらくは昼営業のみだと思われます
定休日 木、ほか不定休あり 売り切れ店じまいあり
※昼の繁忙時は、電話には出ない模様

※隣の『なにや』さんも、当分は11時半~14時と、昼のみ営業です
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初めてうどんをウマいと感じた店 下高井戸『JAZZ KEIRIN』

2021年04月19日 | そば、うどん
このブログでも何度か取り上げている「うどん」
興味を持つようになったのは、今から4年前。きっかけとなったのは、吉祥寺の『うどん白石』さん。

※写真は「ざるうどん」

こちらで食事をして以来、他のお店も巡るようになり、
讃岐、武蔵野、博多に伊勢など、それぞれの地域やお店で味やスタイルが異なる、
うどんの魅力や奥深さ、なにより美味しさに感銘を受け、現在に至る。

うどんを初めて好きになったお店は、うどん白石で間違いないが、
うどんを初めてウマいと感じた店は、たぶん下高井戸の『JAZZ KEIRIN』だと思う。
屋号からもおわかりのように、ジャズと競輪を愛する店主が開業したうどん店だ。
ジャズの知識は乏しいが、競輪なら詳しい私が、吸い寄せられたのは当然であった。

初訪問は、今から10年ほど前。競輪の車番と同様、9色のうどんがあるようだが、


当時はよくわからなかったので、一番無難そうな「ざるうどん」を注文。
ガラケー画像しか残っていないが、綺麗に盛りつけられたうどんは、見た目だけでなく味もよかった。

※現在、ざるうどんの提供は中止

【東京さぬきうどん】と称するうどんは、私が体験したことのない歯応えとのど越しで、
「讃岐うどんってウマいんだなあ」と、好印象を抱いたものだった。
食後、店主にうどんの感想を述べつつ、自分も競輪好きであることを明かし、意気投合。
以後も何度か通ったが、目的は店主との競輪談義であり、
アルコールとつまみだけ注文し、うどんは食べないときすらあった。失礼だね。
その後、ジャズケイリンさんが都内屈指の名店であることを知って以降は、うどんを必ず味わい、
ときにはうどん→飲み→シメうどんと、2回食べることもある。

こちらのウリは、さっき書いたように9種・9色の「創作うどん」
メニューの一部を撮影(いつもながらヘタクソ)したが、季節によって提供商品が異なり、毎回9種揃うわけではない。




あと、メニュー内の説明にもあるように、「青ぶっかけ」は水菜やわかめが入るうどんで、真っ青ではないし、
お店では紫扱いの「温玉・冷玉ぶっかけ」や「地鶏つけ麺」なども、決してパープルではないので、念のため。
それでも、カラフルで独創的なうどんは、発表した当初は話題となり、他のうどん屋店主たちが勉強に来たとか。

以下で、私が食べたうどんを、競輪の車番とユニフォームの色→1白2黒3赤4青5黄6緑7橙8桃9紫の順で紹介していく。
まずは1番車の白から、「白カレーうどん」900円。


HPの説明では“スリランカ仕込みの辛口”とある。 ※以下も“”内は、HPやメニューの説明を抜粋したもの
店主はかつて、東南アジアでタワシの商人をしていたそうだ。うどん屋さんにしては珍しい経歴だね。
白の由来は、ストライプ柄に振りかけられた生クリームかな? 辛さが和らぐよ。
うどんはもちろん、熱々のカレースープにも負けない、なめらかでコシの強い麺だ。

お次は2番車、「黒カレーうどん」のつけ麺スタイル「ひやあつ」900円。


“和風出汁に黒胡麻の風味”のカレーうどんに、やはり黒ゴマペーストで模様づけ。


ベースのカレーも、白とは異なるらしい。仕込みが大変だろうが、さらにもう1種、
ココナッツミルクとチーズが入る、「Cカレーうどん」930円という商品もある!


私は「玉子」50円も追加し、さらにまろやかに。名前の由来は、ココナッツとチーズの頭文字「C」かな?
どのカレーも個性があり、酒のツマミとして、カレーだけもらいたいくらいだ。

続いて3番車は、冬場の人気商品「赤の煮込みうどん」930円。写真は「辛い」バージョンだ(価格同じ)。


“5種類の味噌をブレンド、肉と野菜たっぷり”の赤煮込みうどんに、唐辛子をプラス。
ほどよい辛さと野菜の甘味が合わさった味噌スープは、最後の一滴まで飲んでしまうこと必至。
店主は特にうどん店などでの修行経験もなく、すべてのメニューが自己流と聞いた。
さっきのカレーの味付けやストライプ模様もだけど、センスがあるんだろうね。
※訂正及び追記 店主はうどん店で働いたことはあるが、作り方は習っておらず、見て覚えたとのこと

4番車「青ぶっかけ」は野菜嫌いゆえ未食、5番車はさっきの「Cカレー」の他、「木の実ぶっかけ」もある。
6番車は店主一番の自信作、“野菜たっぷり煮込みました、当店一番人気”の「緑の煮込みうどん」。
数年前に食べたが画像はない。ゴメン。緑といっても、人参やカボチャなども入っていた。

7番車は、夏期限定の「オレンジぶっかけ」930円。


オレンジ色した“コチュジャンベースのすっぱ辛い出汁”に、ナスの素揚げやゴーヤの天ぷらなど、夏野菜を飾る。
水菜や鶏肉も入っており、うどんにたどり着くのが大変なくらい具だくさんだった。

8番車は、うどんでは珍しいピンク色のメニュー、「桃雪うどん」880円。最近、冬場の提供はお休み。


桃色の正体は、明太子と山芋を混ぜ合わせたもの。せっかくなので別アングル画像も。


斬新かつビジュアルも美しい商品ゆえ、数年前に某店が「新メニュー登場!」と称し、堂々とパクったらしい。
さぞ不快だったはずだが、模倣されるということは、素晴らしい商品の証明にもなるだろう。
私は大根おろしと明太子が苦手なので、あまり満足できなかった(←じゃあ頼むなよ)。

最後の9番車は、さっき触れた「地鶏つけ麺」880円。1日5食・春秋限定だったかな。


紫=醤油という発想だろうか。醤油を使用したつけ汁に、大山鶏の旨味がしみ込み、抜群にウマい。


ラーメン店の「つけ麺スープ割り」のように、ダシの入った容器も提供してくれるので、
うどんを食べ終えたあとは、つけ汁にダシを加え、余す濃くなく飲み干す。
ジャズケイリンさんでは、私は地鶏つけ麺が一番のオススメだ

もちろん、最初に紹介した「ざるうどん」もそうだが、創作メニュー以外のうどんも美味しい。
こちらは温かい「かけうどん」660円。透き通ったダシ汁に、ネギ、ワカメ、天かすが入る。


こちらは冷たい「かけぶっかけ」660円の大根おろし抜き。ざるうどん好きの私は、ぶっかけの方が好みかな。


店主は創作うどんを推すけれど、基本のうどんもウマいのだから仕方がない。
夜はおつまみも提供しているが、私が好きだった「バラ肉味噌焼き」500円は、今はやっていないようだ。残念。


ボリューミーなお肉の下には、素揚げしたナスが隠れている、ビールがすすむ逸品だったのに。


他のおつまみは、揚げた自家製豆腐を、特製タレで食べる「参豆腐」400円や、


「ちくわ天」160円や「かしわ天」270円といった、うどんトッピングの天ぷらなど。


こちらのお店の一番のツマミは、最初の方で書いたように、店主や常連客との競輪談義だね。
お酒はビール小瓶、ウーロンハイ、日本酒にお酒など。昔は「宮杯サワー」のような、競輪にちなんだ商品もあった。

店内BGMは、通常はジャズを流しているが、夜の時間帯は、ナイター競輪の中継を流すこともある。
それに対し、ネット投票で車券を買っている常連客が「差せ!」だの「バカヤロー!」だのと叫ぶことも。
なので時間帯によっては、競輪を知らないお客さんは、居心地が悪いと感じる場合がある…かもしれない。

お店HPの「能書き」というコーナーでは、店主の主張が記されているのだが、
飲食業が低く見られていること、無礼な客が多いことを問題視しておられる。
“準備中の札がかかったドアを開け「ねえ、もう終わり?」と聞く客には「終わり」とそっけなく答えることにしている”
と、相手の口調に合わせただけで、“食ベログに「接客の基本がなっていない」などと書かれてしまう”と嘆いている。
テメエの無礼を棚に上げやがって。だから食べロガーは嫌いなんだ!
実際、ネットでは「店主の態度がよくない」という書き込みは見かけるが、そりゃあ失礼な客には当然でしょ。
とはいえ、確かに素っ気ないというか、ちょっと口調が厳しく感じられるときもあるかも。
こちらのお店は基本、昼は混雑していて、夜は店主ひとり営業。声をかけるタイミングさえ注意すれば、
店主も普通に応対してくれるし、イヤな思いはしないはず…だけどなあ。
この4年間、いろんなうどん店を訪問していくうちに、ファミリー層の客が多いことに気付いたのだが、
ジャズケイリンさんは家族客が少なく、特にお子さん連れはほとんど見かけない。
まあ、私みたいな競輪客が集まるのだから、お子さんの教育上、避けるのは当然か(苦笑)。

ちょいとコワモテで、しかも競輪ファン(笑)と、第一印象はとっつきにくいと思われそうな店主だが、
基本的にはマジメな職人であり、18年間にも及ぶ営業実績があり、飲食業界や競輪界の未来を憂う常識人である。
多少クセはあるけれど、うどん好きならぜひ足を運んで、各種うどんを味わってみてほしい。
競輪好きならなおさら、である。



JAZZ KEIRIN(ジャズケイリン)
東京都世田谷区松原3-30-17
京王線下高井戸駅から徒歩約2分
営業時間 11時半~14時、18時~21時(ラストオーダーは30分前だが土日だけ45分前)
現在は20時完全閉店です
定休日 木曜、年末年始ほか
※売り切れによる早じまいあり
※詳細はお店のHPで→http://www.jazzkeirin.com/index.html
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KじゃなくてC 国分寺『讃岐うどん irico』

2020年12月04日 | そば、うどん
いきなり告白するのもナンだが、私はかなり偏屈な人間である。
食べ物でも人間でも、嫌いな物(者)には見向きもせず、しかも一度イヤになると、半永久的に拒絶し続ける。
実生活だけでなく、著名人にも嫌いなヤツは多いが、その中でも特に嫌いなのがリカコ
タレントだかモデルだか知らないが、初めてこいつの存在を知ったときから一瞬で嫌いになり、
以後約30年間にわたり、わたくし正田が認定する「嫌いな人ランキング」では、常に上位をキープしている。
リカコがいかに不快で、憎悪すべき存在であるかは、わかる人はわかってくれるはずだし、
わからない人には、いくら説明しても理解してもらえないだろうから、ここでは説明しない。
そもそも、令和の時代にリカコの是非を問うたところで、大多数の方は「どうでもいい」と返答するだろうし(苦笑)。
だが、世の移り変わりに関係なく、「オレはリカコを許さない!」と訴え続けるつもりだ。

わざわざ一人称を「オレ」にした、どうでもいい意思表示からスタートした今回のブログだが、
タイトルでもわかるとおり、本題は国分寺のうどん店『irico』さんだ。
 ※お店の名刺

初めて訪れたのは今から2年ほど前。なかなか美味しいうどんを出すとの評判を聞き、しかも閉店が23時(注:当時)と、
うどん屋さんにしては遅くまで営業しているため、別の店で飲んだ帰りに立ち寄ったのだ。
店名の由来は、讃岐うどんでおなじみ「イリコ出汁」だろうが、私個人が最初に思ったのが、
「なぜイリコのコをkoでなくcoにするんだ!?」であった。
RIKACO名義で活動するリカコのせいで、コをcoで表記するお店にも嫌悪感を抱く私。もはや病気だ。
まさか、店主はヤツのファンでは…と恐る恐る(?)入店してみると、店内はダイニングバーのような雰囲気。
だが、入口近くには製麺スペースがあり、間違いなくうどん店だ。
女性店員に「かけうどん」570円と「鳥天」250円を注文すると、タイミングがよかったのか、すぐに出てきた。


酔っていたからかもしれないが、屋号にもなった「イリコ出汁」の香りは、さほど感じられず。


個人的には、十条の『いわい』さんのような、ブワァーっと香り立つタイプが好きなんだけどね。
うどん自体も、都内の「讃岐」を名乗るお店と比較すると、コシはそれほど強くない。
かけうどんは無難な味であったが、大きめサイズの鳥天がなかなかウマく、そちらの方が印象に残った。
卓上メニューを見てみると、豆乳やトマトなどを用いた、創作うどんも得意なようなので、
次回はそれを試そうと思い、この日はお会計。レジ担当は、厨房にいた店主と思われる男性。
「まさか、リカコ好きじゃないですよね?」と、人見知りの私が聞けるはずもなく、この日は黙って退散。

2度目の訪問では、「和風カルボナーラうどん」900円をオーダー。


出汁にクリームを合わせ、ネギ、海苔、鰹節を振りかけた、まさに和風カルボナーラだ。
途中で、愛しの玉子ちゃんをやさしく崩し、うどんやベーコンと絡めたら…当然ウマいに決まってる。


最初と2度目は、酩酊程度だったが、3度目は申しわけないことに、かなり泥酔した状態で入店。
閉店に近い時間だったはずだが、カウンター席は埋まっており、テーブル席に案内された。
注文したのは、季節限定の「特製カレーうどん」900円に、最初の訪問で好印象だった「鳥天」を追加。


鳥天は期待とおり、この日もジューシーかつビッグで美味。


カレーうどんは、具だくさんのカレーソースをたっぷりかけた、私好みのトロトロタイプ。


いかんせん泥酔していたので、味の記憶はないのだが、美味しかったのは間違いない。
なぜなら、途中で「白ご飯」130円と「温泉たまご」100円を追加していたから。


その後は、鳥天やらカレーを乗せて、さらには混ぜたりして「自家製カレーめし」を撮影。
画像自体はあまり美しくないので↓縮小サイズで。ただし、酔っていた割には残さず全部たいらげたよ。
    ※クリックで大きくなる

さて、iricoさんにはここまで、3度利用させてもらった。
その後はコロナもあり、だいぶご無沙汰してしまったが、先日久々に、シラフで入店してみた。
まずはおでんでビールを飲む。瓶ビールはエビスの中で600円。
ドリンク類は他にも、生ビールに酎ハイ各種、さらに日本酒、焼酎などいろいろ揃っているようだ。
冬季限定だと思うおでんからは、「玉子」150円、「焼きちくわ」150円、「牛スジ」200円を選択。

※おでんは、6種で800円のお得なセットもあった

うどんと比べると、おでん出汁は塩分控えめ。ここにうどんを入れてもウマいだろうね。
シメは、つけ汁を試したかったので、冷たい「ざるうどん」570円を避け、「釜揚げうどん」680円を。


お湯に浸かっているから、最後まで温かい。やっぱり寒い時期は「釜揚げ」がいいね!
うどんは柔らかめで、讃岐らしくない気もしたが、ツユに浸すのにちょうどよい長さであった。
「うどんにはこだわってます」と大口叩いておきながら、妙に長くて食べづらい有名店もあるからね。
ツユは濃いめで、残ったお湯を入れて飲もうかと思ったけど、お行儀悪いかな、と遠慮した。
この日は、“香川の伝統料理”との説明書きがあった、「いりこ飯」480円も頼んでみた。


さっきのカレーうどんに追加した、白ご飯と同じサイズの小さいお茶碗に盛られ、
いりこ煮干しの他、アサリ、人参、ゴボウなどが入る混ぜご飯だ。


うどんのお供に最適だけど、量が少ないのに一般的な牛丼より高いのがちょっと不満かな。

さて、最初の方でボヤいた、「屋号のコをcoと表記する問題」だが、
男性店主は、外見から判断すると若く、リカコを知らない、あるいは興味ない世代の可能性が高い。
店主とはいまだに、注文以外の会話をしたことのない私が、「coの理由」を質問できるわけもなく、結局謎のままだ。
そもそも、いまどきcoでリカコを連想する私がおかしい。ある意味、ファン以上にファンではないか(恥)。
まあ私は、絶対にあいつのファンにはならないし、そもそもお店もリカコとは関係ないと思うので、
ファンもアンチも、うどん好きならぜひ、iricoさんに行ってみてほしい。
さっきも書いたが、こちらのお店はバーのような落ち着ける雰囲気で、店主は若い男性。
私のブログでは珍しく、女性客にもオススメできるお店だ。

図々しく女性読者獲得を狙い、次回のテーマも「スイーツ」にする予定。
もちろん、豚の角煮とか甘口カレーなどではなく(笑)、ちゃんとしたスイーツなので乞うご期待!



讃岐うどん irico
東京都国分寺市本町2-22-2 第一鴨下ビル101
JR、西武線国分寺駅から徒歩約4分
営業時間 11時~15時、17時~23時
定休日 水

※12月17日までは21時LO、22時閉店です
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「おウチ」で食べる創作うどん 一橋学園『うどん屋 武』

2020年09月15日 | そば、うどん
以前、「月イチで購入している」と記した、一橋学園『なにや』さんの持ち帰りチャーシュー。
       

購入後は、そのまま店内で食事することもあるが、最近は近所のお店に立ち寄ることも。
それが、今回紹介する『うどん屋 武』さん。なにやさんからは徒歩2分くらいの距離だ。

こちらのお店は、隣駅のうどん店『福助』さんと同様、自宅を改装した店舗で、
閑静な住宅街の中に、突然「うどん」のノボリが現れる


そしてここが、江上さん(注:店主の名字)のお宅でもあり、『うどん屋 武』でもある。


「営業中」の立て札が出ているし、「いらっしゃいませ どうぞお入り下さい」の案内もあるので入ってみる。
    

ドアを開けて中に入ると、奥の方から「いらっしゃいませ~」の声がかかる。


福助さんのときと同じく、知らない人のおウチに入ってしまったような違和感を覚えつつ、
用意されたスリッパを履き、奥の方へ進んでいくと、ダイニングルームにテーブル席が設置されていた。
厨房にはご夫婦らしきおじちゃんとおばちゃん。男性が店主の「武さん」だろう。

うどんは、レギュラーが5種類ほどで、さらに季節限定メニューが加わる。
「もり」や「かけ」などのシンプルな商品はなく、すべてがお店オリジナルの創作うどんだ。
私が選んだのは、大好きなカルボナーラ風のメニュー「カルボうどん」880円。
おばちゃんに「大盛無料ですがどうしますか?」とたずねられたので、当然のように「お願いします」。
店内には、近所の一橋大学の学生が置いたと思われる、いろんな部活の写真やパンフレットがある。
秀才たちが食べるうどんに期待が高まる中、カルボうどんがやってきた。


2種のチーズがたっぷりと盛られ、中央には私の大好きな卵黄ちゃん。麗しいビジュアルである。
こういう洋風メニューだと、小心者の私は、音を出していいのか迷いがちなのだが、
隣に座っていたカップル客の女性の方が、やはり洋風メニューの「ジェノベーゼうどん」を、
大胆にズルズル音を立てて食べていたので、私も安心してズルズルすすった。
店主が、香川の学校で習得したという自家製うどんは、表面はソフトだが、噛んでみるとかなりの歯応え。


細切りベーコンや黒コショウ、さらにチーズの酸味にも負けることなく、うどんが存在感をアピールしてくる。
また、大盛にしたせいか、食べても食べても減らないのだが、時間が経過しても、うどんのコシは強いまま。
無料の大盛を頼んで残す犯罪行為は、二度としないと誓ったので、ちゃんと食べ切った。

食べ終わったのと同時に、サービスのデザートが運ばれてきた。


きな粉と黒蜜がかかった、自家製わらび餅だと思われるが、ババロアのような食感でもあり、正直自信がない。
もちろん、「これはなんですか?」とたずねるコミュニケーション能力もない私ゆえ、いまだに謎のままである。
あの、力強いうどんで食べてみたい創作メニューが他にもあったので、再訪を決意し退店。
初訪問は梅雨時で、お店の庭に綺麗なあじさいが咲いていたよ。


数週間後の再訪時は、「肉付けうどん」700円に「生卵」50円を追加。


前回の大盛で懲りたので、今回は並にしておいたが、それでも充分な量であった。
つけ汁にはたっぶりの豚肉が入るが、ダシ自体は濃くなく、脂っこさも感じなかった。


生卵は溶き玉子状態にして、うどんや肉を浸し、すき焼き風にして食べた。


なお、上記画像に写っている、オレンジ容器の七味「ひらめき」は、店内でも販売していた。
この日のデザートは羊羹。さすがにこれは、味オンチの私でもわかった(笑)。


最近、久々に3度目の訪問。今回は「日が沈む前の酒」も楽しむことに。
缶ビール350円を注文すると、保冷コップとお通し代わりの豆スナックがやってきた。


おつまみとして、【本日の天ぷら】から「ちくわ」100円と「味たま天」150円をチョイス。


同時に提供された、ピンクソルトをつけていただく。天ぷら+ビールはやっぱりウマい。


味玉は、イイ感じに味がしみ込んでいる。固まり具合も適度で、愛しの黄身ちゃんが流れ出す心配もなし。


黄身が流れ出すと、ついつい、そのお皿をナメたくなるから困るよねえ(←お前だけや)。
ビールを飲み終えた頃、前もって注文しておいた、夏期限定「冷やし中華風ぶっかけうどん」880円が到着。


具材は豚しゃぶ、オクラ、ピンクとろろ、わかめ、キュウリ、トマト、ゆで玉子半分。「ピンクとろろ」ってのは珍しいね。
私は、苦手なトマトを抜いてもらい、代わりに、残ったちくわと味玉がゲスト参戦。


色とりどりの具材と麺に、鰹ベースの酸味が効いたダシをかけて食べる、見た目も涼し気な冷製うどんだ。
そういえば、もう9月になるのに、今年は飲食店で冷やし中華を食べてなかったよ。
いろいろ具材が入っているけど、さっきも書いたように、やっぱりうどんの印象が強いね。
多摩エリアでは「武蔵野うどん」も有名で、私はどっちも好きだけど、あれほど硬くないしクセがない。
とにかく、この「武うどん」は気に入った。おそらく、どんな味付けでも満足できるはずだ。
一度でいいから、「もり」や「かけ」で、うどんだけをダイレクトに味わってみたいものだが…。
あ、そういえばこの日のデザートも羊羹だった。前回と器は違うけどね。


サービスのデザートは、コーヒーゼリーや杏仁豆腐のときもあるらしい。それらもぜひ、食べてみたいぞ。

お会計時、「うどんの並盛は何グラムですか?」と、注文以外では初の会話を試みたところ、
店主に「だいたい450くらい」と教えてもらった。その量って、一般的には「大盛」でしょ(笑)。
大盛だと700グラム近くになるらしいが、学生客にとっては、嬉しいサービスだろう。
とはいえ、私自身はこちらのお店で、学生風の若者と同席したことはないのだが、
お店のツイッターに、「子供好きなじじ・ばば(略)で仲良く経営しています」とあるためか、
小さなお子さん連れのファミリー客は、何度か見かけた。

この日も、幼稚園児くらいの女の子が「またきたよー!」の声とともに、家族と一緒に入店してきたところ、
店主夫妻も「ああ、いらっしゃい」と相好を崩し、お嬢ちゃんを歓迎。私の入店時とはだいぶ違うな(←当然だ)。
女の子にとって、こちらに来店することは、親戚のおウチに遊びに来たような感覚なのだろう。
実際、そう思わせるような内装(そもそも、外観は自宅そのものだし)で、夫妻が温かい雰囲気を醸し出しているからね。
親戚宅のような空間で食べる、文字通りのアットホームかつ絶品うどん。ステイホーム期間中は特にオススメだ(?)。
この、【おウチで食べる○○】シリーズ、他にもそういうお店を数軒知っているので、随時紹介していこう。



うどん屋 武(たけ)
東京都小平市学園西町1-24-11
西武多摩湖線一橋学園駅から徒歩約5分
営業時間 11時半~15時
定休日 木曜、祝日
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