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朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

飲んだあとにやさしいお出汁を 荻窪『恵』

2024年07月25日 | そば、うどん
最近、「飲んだあとのラーメン」が復活しつつある私だが、同様に欲していたのが、「飲んだあとのうどん」である。
以前も語ったように、うどん屋さんはお昼のみ営業のお店が多く、夜営業をしているお店も、だいたい21時くらいには閉まってしまう。
数少ない例外が、荻窪にある『恵』で、ネット情報によると、深夜0時まで営業しているらしい。
荻窪では飲む機会も多いので、今から5年前くらいに行ってみたところ、非定休日の19時台だったのに閉まっている(泣)。
以降は訪問していなかったのだが、つい最近、阿佐ヶ谷のうどん店『和田』について調べていたところ、
お店は既に閉店し、店主さんは引退したようだが、奥様と息子さんが別の場所で、うどん店を営んでいることが判明。
そのお店こそが、もうおわかりだろうが、荻窪の恵であった。

5年前の記憶がよみがえり、今度こそうどんを食べさせてもらおうと思い、さっそく中央線に乗り荻窪へ。
お店は北口の教会通りにあり、すぐ近くには、立ち飲み客は焼酎700円で飲み放題の『チューハイ倶楽部C』がある。
到着したのは19時少し前。今回はちゃんと開いていたので、入店させていただく。
店内はカウンター席と、小さなテーブル席がひとつ。厨房にいるのは、先述の奥様と思われる女性。
壁のメニューを見て、「たぬきうどん」950円+「玉子」100円をオーダー。冷やしもできるようだが、まずは温かいのを選択。
「玉子は生ではなく、火を通しますがよろしいですか」と、お母さんが私に確認したのち、調理を開始する。
うどんを茹で、たぬき=揚げ玉を作成し、温めた出汁を注ぎ、茹でた玉子など具材を盛り付けていき、予想より早くうどんが完成。


揚げ玉と玉子の他、ほうれん草とカマボコに、薬味のネギも乗る。丼はお盆に載せられて提供される。


まずはお出汁をレンゲでひと口。透明で薄口かと思いきや、しっかり旨味があり、めちゃくちゃウマい!
東日本のうどんスープは醤油色、西日本は黄金色という印象があったが、こんなに透明なうどんスープは初めて。


店内壁の貼紙には、「自家製麺 やさしい煮干だし」と記載されていたが、まさにやさしい味わいで、グイグイ飲める。
煮干しの香りは強くなく、ふわっと感じる程度。2軒隣にケバブ屋があり、そこの匂いが漂ってくるのが残念(苦笑)。

もうひとつの特徴である自家製麺は、やや不揃いで太く角ばっており、噛みしめると小麦の味がする。


武蔵野風ほど硬くなく、讃岐風のようにムチムチでもなく、他では食べたことのないうどんである。
生玉子をお湯に落とし茹でる、三鷹の中華そば店『みたか』と同タイプの玉子は、ほどよい半熟。


食事中、体格のいい男性が入店し、私に「いらっしゃいませ」と小声で告げ、厨房に入っていく。この方が、現店主の息子さんのようだ。
口数は少なく、一見ぶっきらぼうだが、厨房にいるお母さんに、無言でヨーグルトらしきデザートを渡しているのを目撃。
お母さんに頼まれたのか、気を利かせて買ってきたのかは不明だが、なんとなく後者のような気がする。
怖そうな見た目(失礼!)に反し、親孝行な好人物だとわかり、人見知りの私にしては珍しく、食後に、
うどんが美味しかったこと、特に出汁が気に入ったことを店主に告げると、「ありがとうございます」と喜んでくれた。
最後に、下記貼り紙に、食べログなどのネット情報と同じ営業時間が記してあったので、本当にこの時間なのかたずねたところ、


「一応(夜)12時までですが、最近は11時頃に閉めることが多いです」とのこと。
続けて、「あと、打ったうどんがなくなったときは、もっと早い時間に閉めることもあります」とも教えてくれた。
つまり、5年前の訪問時に閉まっていたのは、麺切れによる早じまいだったようだ。
「次回は、どこかで飲んだあとに寄るかもしれません」と告げて、お会計を済ませ退店した。

それから約3時間後、荻窪で飲んだあと、その日のうちに再訪問。
時刻は22時20分くらい。売り切れも覚悟で来てみたら…おお、まだノレンが出ている!


というわけで、この日2度目の入店。数時間前に来た客が再訪したため、店主さんも驚いた様子。
訪問初日とはいえ2度目なので、図々しくも店内壁のメニューを撮影。こちらはうどん類。


基本の「恵うどん」850円~「天ぷらうどん」1900円まで全18種類。以前+100円だった冷やしは、現在は同額になった模様。
この他、さっきの玉子のような追加具材や、


各種おつまみ、お酒類も用意している。


2度目は、酩酊しているときにチャーシューメンが食べたくなる(?)のと同理由で、「肉うどん」1100円を選択。
遅い時間帯は、店主ひとり回しになるようだが、手際よく調理していき、数分後には肉うどんが完成。


例のやさしいお出汁は、ほろ酔いで啜るとさらに美味しい
具材は豚肉と、斜め切りされたネギのみ。お肉は出汁で煮込んだのか、淡白なテイスト。
七味をかけてみたけれど、透明スープの邪魔になってしまう気がした。


私が食べ終えた頃は、もう23時直前だったが、そんな時間帯にも、常連らしき客が入店してきた。
店じまいはもう少しあとになりそうなので、厨房の店主と少しだけ会話した。
阿佐ヶ谷の和田を経営していたお父様は、新中野の『四国屋』でうどん作りを学んだこと、
息子の自分は、父からだけでなく、名古屋などでうどんの修業をしたこと、
ラーメン店のオーナーと同様、小麦粉や煮干しの価格高騰に頭を抱えていることなどを語ってくれた。
透明なお出汁と同じくらい、うどん作りに情熱を燃やす店主にも好感を抱いた私は、
その後も2度、ここ恵さんに足を運んだ。初訪問から1ヶ月以内に4度も通ったうどん店は、久しぶりである。

ただし、3度目の訪問時は、荻窪『グレートスコット!』で、濃い焼酎割りを飲み過ぎて、酩酊どころか泥酔状態での入店。
「かきあげうどん」1250円の冷やしを注文し、最初に出てきた揚げたての海老入りかきあげが、熱々で美味しかったのは覚えているが、


そのあとのうどんは、申しわけないが、あまり覚えていない。


上記画像によると、おろし生姜と一緒に、大根おろしがたっぷり入っていたようだ。大根苦手の私は、ちゃんと食べたのだろうか。
冷やしの場合は、醤油ベースのかえしが加わるようで、色が透明ではない。


最後は、かきあげも丼内に投入し、ツユに浸して食べたようだ…と、さっきから「ようだ」「ようで」ばかりでスマン!


上記4枚以外にも撮影画像が残っていたが、ほとんどピンボケで使い物にならず(苦笑)。だいぶ酔ってたみたいね。

4度目の訪問では、「前回は酔っ払っててすみません」と店主に謝罪したら、「そのようでしたねえ(笑)」だって。ああ恥ずかしい。
この日は、たぬきときつねの「合わせうどん」1100円+玉子を、前回記憶のない冷やしで注文。

最初の訪問時もそうだったが、揚げ玉は、注文ごとにフライヤーで作られる。


たぬきうどんのときと同じ具材に、刻んだお揚げが加わった、合わせうどんが完成。


冷やしのおつゆ画像を再び撮影。かえしが入ることで塩分が濃くなるが、元の出汁がやさしいので、高血圧の私も大丈夫(←本当か?)。


おつまみメニューに、「甘いあげ」450円と「油あげ」500円があったのだが、合わせうどんに入るのは甘口タイプ。

※この日の玉子は、固めの仕上がり

過去に何度も書いてきたように、私はもうおっさんなのに、ケーキや洋菓子が大好きな甘党なので、甘いお揚げも大歓迎である。
お揚げだけでなく、カリカリ&しっとりの揚げ玉も、カマボコなどの脇役も、冷水で締めて噛み応えが増した自家製うどんも、
そして、さきほどから何度も絶賛しているお出汁も、すべて美味しいのでハシもレンゲも止まらず、
気付けばツユまで完食していた。しまった、また主治医に怒られる…。


店主に「いつもありがとうございます」と挨拶されたので、「今度はこちらで一杯やってから、うどんで締めます」と返答し退散。
おつまみは、かきあげ単品か、甘いおあげか。例の透明スープだけでも酒が飲めそうだが、さすがにお出汁だけの注文は不可だろう。

恵さんに最後に寄ったのは、つい先日のこと。ここ数日、母校野球部の応援に気合が入りすぎて、
関係者でもないのに、少々ピリピリしていた私だったが、やさしいお出汁のおかげで、心が落ち着いたような。
精神安定剤も含まれている(ウソ)、こちらのお出汁とうどんを、皆さんもぜひ一度、お試しあれ。
あと、母校野球部よ、明日の準決勝はもちろん、28日の決勝戦も、絶対勝てよ!



恵(けい)
東京都杉並区天沼3-6-21
JR荻窪駅北口から徒歩約4分
営業時間 11時半~15時、18時~23時くらいまで 麺切れ早じまいあり
定休日 月曜、月末の日曜
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