SFに戻りとりあえず初心にかえりアシモフからということで本書を手に取りました。
本自体は「暗黒星雲のかなたに」読了後、Amazonで古本を購入(絶版のため)。
![](https://c2.staticflickr.com/6/5741/23226918324_84158f98ff_n.jpg)
中学生頃「読んだかなぁ…?」とも思っていたのですが未読でした。
本書は1952年刊。
「暗黒星雲のかなたに」1951年刊「宇宙の小石」1950年刊と併せアシモフ未来史の中では銀河帝国前史を描く“トランターもの”として分類されている作品です。
本書の刊行は年代的には3冊の4なかで一番後ですが時代的には「暗黒星雲のかなたへ」の後で「宇宙の小石」の前でトランターが銀河の支配権を握りつつある時代が背景です。。
地球はすでに人類のふるさとの星であることを忘れられています。
内容紹介(裏表紙記載)
高価な特殊繊維カートを産出する人類宇宙唯一の惑星フロリナ。この驚異の繊維を入手すれば、無尽蔵の富を所有することになる。だが、そのフロリナが消滅する!?
驚くべき通信を残して消息を絶った空間分析家の謎の失踪は、カート貿易を死守せんとするサーク人と、それに対抗して暗躍するトランター帝国との対立を激化させ、ついには全銀河を震撼させる大事件へと進展した! 巨匠が壮大無比のスケールで描く宇宙叙事詩
1952年といえば英米SFの黄金期、同年にシマックの「都市」翌年1953年には「幼年期の終わり」「分解された男」「人間以上」が発刊アシモフの「ファウンデーション」も単行本にまとめられてこの年に出ています。
それなりに期待して読んだのですが...娯楽色が強く「いわゆる」名作とは程遠い作品です。
「暗黒星雲のかなたに」より対象年齢は高いかもしれませんが、まぁ若い年代のSFファンをターゲットにした感じで「軽く楽しむミステリー風味をまぶしたSF」という位置づけの作品でしょうか。
奴隷制のような形で管理される白人であるフロリナ人とそれを搾取する有色人種のサーク人のとの間で人種差別問題、そこに介入する大国トランター帝国の姿から政治的要素も織り込んではいるのですが「大人向け」としては直接的で単純すぎるように感じました。
中高生向けならばこれでも結構考えるところはある感もありますが、40オヤジにはひびかないかなぁ。
基本アシモフはシリアスな問題をドロドロ描くのは苦手なんでしょうねぇ深刻になりきれないというか….。
「ドロドロな問題がわからない」という苦しみや純個人的な苦悩の方が読ませる感じがあります。
成功していると思われるファウンデーションやロボットものはそんな感じがあります。
「社会派」へ脱皮したかったんでしょうか?
10代から活躍する天才作家の宿命でしょうかねぇ...。
ミステリ的な部分もまぁ私でも1/3くらい読んだところで犯人の目星がついたのでまぁそれほど高度なものではない。
(これまた中学生時代の自分なら感心したような気もしますが…)
アシモフが手を抜いて書いてるのか、そもそもバラツキが多い作家なのかは「???」ですがこの辺の作品も含めて評価されているところが現代的にアシモフの評価は低くなっている一因かもしれませんね。
ただ難しいことを考えずに読む分には登場人物のキャラ立ちも明確で(だから深みもないわけですが)これまたアシモフの特徴か「悪人」もどこかコミカルで暗くならないので楽しく読めます。
結末もまぁハッピーエンドですしねぇ。
なお私のお気に入りは優しく聡明なお姉さんキャラのヴァローナと勝ち気なお嬢様キャラのサミアです。
なんとも類型的な女性像ではありますが魅力的でした。(笑)
↓よろしければ下のバナークリックいただけるとありがたいです!!!コメントも歓迎です。
にほんブログ村
本自体は「暗黒星雲のかなたに」読了後、Amazonで古本を購入(絶版のため)。
![](https://c2.staticflickr.com/6/5741/23226918324_84158f98ff_n.jpg)
中学生頃「読んだかなぁ…?」とも思っていたのですが未読でした。
本書は1952年刊。
「暗黒星雲のかなたに」1951年刊「宇宙の小石」1950年刊と併せアシモフ未来史の中では銀河帝国前史を描く“トランターもの”として分類されている作品です。
本書の刊行は年代的には3冊の4なかで一番後ですが時代的には「暗黒星雲のかなたへ」の後で「宇宙の小石」の前でトランターが銀河の支配権を握りつつある時代が背景です。。
地球はすでに人類のふるさとの星であることを忘れられています。
内容紹介(裏表紙記載)
高価な特殊繊維カートを産出する人類宇宙唯一の惑星フロリナ。この驚異の繊維を入手すれば、無尽蔵の富を所有することになる。だが、そのフロリナが消滅する!?
驚くべき通信を残して消息を絶った空間分析家の謎の失踪は、カート貿易を死守せんとするサーク人と、それに対抗して暗躍するトランター帝国との対立を激化させ、ついには全銀河を震撼させる大事件へと進展した! 巨匠が壮大無比のスケールで描く宇宙叙事詩
1952年といえば英米SFの黄金期、同年にシマックの「都市」翌年1953年には「幼年期の終わり」「分解された男」「人間以上」が発刊アシモフの「ファウンデーション」も単行本にまとめられてこの年に出ています。
それなりに期待して読んだのですが...娯楽色が強く「いわゆる」名作とは程遠い作品です。
「暗黒星雲のかなたに」より対象年齢は高いかもしれませんが、まぁ若い年代のSFファンをターゲットにした感じで「軽く楽しむミステリー風味をまぶしたSF」という位置づけの作品でしょうか。
奴隷制のような形で管理される白人であるフロリナ人とそれを搾取する有色人種のサーク人のとの間で人種差別問題、そこに介入する大国トランター帝国の姿から政治的要素も織り込んではいるのですが「大人向け」としては直接的で単純すぎるように感じました。
中高生向けならばこれでも結構考えるところはある感もありますが、40オヤジにはひびかないかなぁ。
基本アシモフはシリアスな問題をドロドロ描くのは苦手なんでしょうねぇ深刻になりきれないというか….。
「ドロドロな問題がわからない」という苦しみや純個人的な苦悩の方が読ませる感じがあります。
成功していると思われるファウンデーションやロボットものはそんな感じがあります。
「社会派」へ脱皮したかったんでしょうか?
10代から活躍する天才作家の宿命でしょうかねぇ...。
ミステリ的な部分もまぁ私でも1/3くらい読んだところで犯人の目星がついたのでまぁそれほど高度なものではない。
(これまた中学生時代の自分なら感心したような気もしますが…)
アシモフが手を抜いて書いてるのか、そもそもバラツキが多い作家なのかは「???」ですがこの辺の作品も含めて評価されているところが現代的にアシモフの評価は低くなっている一因かもしれませんね。
ただ難しいことを考えずに読む分には登場人物のキャラ立ちも明確で(だから深みもないわけですが)これまたアシモフの特徴か「悪人」もどこかコミカルで暗くならないので楽しく読めます。
結末もまぁハッピーエンドですしねぇ。
なお私のお気に入りは優しく聡明なお姉さんキャラのヴァローナと勝ち気なお嬢様キャラのサミアです。
なんとも類型的な女性像ではありますが魅力的でした。(笑)
↓よろしければ下のバナークリックいただけるとありがたいです!!!コメントも歓迎です。
![にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ](http://book.blogmura.com/bookdairy/img/bookdairy88_31.gif)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます