しろくま日記

読んだ本の感想を記録してみたいと思います。
なんだか忘れてしまうので。

きまぐれ学問所 星新一著 角川文庫

2015-12-20 | 評論エッセイ等
これまた6月ころ読んだ本です。
(本書抜かして12冊読了済みで記事に上げていません…手抜き記事でもなんとかあげていきたいと思っています。)
転勤直後で余裕がなく軽く読めるものをということで手に取りました。
本自体はブックオフで見かけて購入したもの。

平成元年刊行ですから星新一としてはショート・ショート卒業後の晩年のエッセイ集です。
独自の視点から切り口を見つけてかく氏のエッセイは評判も高く(多分)私も好きでしたが、切り口の鮮やかさは本書でも随所に見られて堪能できました。

内容紹介(裏表紙記載)
本を読むのは楽しい。乱読して、片端から忘れていくのも楽しいけれど、テーマ別に集中して読めば、もっと楽しい。頭の中でまとまって、会話のネタにも不自由しません。
世界各地に住む異民族たちと仲よくなったり、李白、老子と遊んだり。ここと思えばまたあちら。のんびりと春風に吹かれていると、突然鋭く切りつけられる。油断のならない、思わず吹きだす辛口エッセイの数々。
ホシ式学問術の成果、ご一緒にどうぞ。


内容紹介にもあるとおり星氏が興味を持ったテーマに関して集中的に読んだ本の紹介とそのテーマについての考察をまとめたものです。
野生時代に隔月で連載したものをまとめたものとのことです。

今ではかなりの情報がインターネット経由で調べられるわけですが、この本が出た平成元年(1989年)はインターネット前の時代。
教養、知識は本を集めて読むほかには得られない時代。

この本に取りあげられているジプシーやらフランクリン、李白のことなども今ならネットでいろいろ調べられそうですが、このエッセイ集を読むとやはり「本」の乱読で得られた知識の方が「深く考えられるのではないかなぁ」などと改めて思いました。

いわゆる「学問的」ではないでしょうが星氏の独自の考察も興味深い。
「正しい」かどうかは別として物まねでないオリジナルの考え方から考察する姿勢がとても星新一らしい...。
晩年だけに発想が若干は固くなっているような感じもうけましたがその辺は健在な感じで楽しめました。

そもそも「李白」や「フランクリン」をこういう視点で調べようという発想はこの人でないとなかなか出てこないのではないでしょうか。
あとは「ジプシー」についての考察がとても記憶に残っています。
好エッセイ集です。

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