しろくま日記

読んだ本の感想を記録してみたいと思います。
なんだか忘れてしまうので。

分解された男 アルフレッド・ベスター著 沼沢 洽治訳 創元推理文庫

2014-01-04 | 海外SF
本年1番目の感想記事ですが、本作とあと二作は去年の積み残しです...。

本作、「虎よ!虎よ!」読了直後('13年4月)頃にブックオフで見かけ購入しました、400円。
すぐ読もうと思いカバンに入れていたら中のボトルコーヒーがこぼれ汚してしまいました...。

左上のところ。

作’12年ローカス誌オールタイムベスト52位、1952年発刊です。
また1953年に第一回ヒューゴー賞を受賞しています。
第一回ヒューゴー賞は「人間以上」「幼年期の終わり」と争い本作が受賞したというのはSFの世界では有名なエピソードのようです。
先日「幼年期の終わり」を読んで改めて気になり手に取りました。

内容(裏表紙記載)
時は24世紀、人の心を透視する超感覚者の出現によって、犯罪を計画することさえ不可能とされる時代。全太陽系を支配する一大産業王国の樹立を狙うベン・ライクは、宿命のライバルを倒すための殺人行為に及ぶ。だがニューヨーク県警本部の刑事部長パウエルは、この世紀の大犯罪を前に陣頭指揮を開始、超感覚者対ライクの虚虚実実の攻防戦が展開する! 第一回ヒューゴー賞に輝く傑作。

とりあえずの感想、「どうも合わない」(笑)

「虎よ!虎よ!」でも感じていましたが、どうも私はべスターと合わないようです。
読み通すのが苦痛でした...。

オールディス曰くの「ワイドスクリーン・バロック」(定義は「時間と空間を手玉に取り、気の狂ったスズメバチのようにブンブン飛びまわる。機知に富み、深遠であると同時に軽薄」だそうです)の走りの作品で、べスター→ディック→「ニューロマンサー」という流れになっていくのだろうなぁというのは読んでいてなんとなく理解できました。

ディックもニューロマンサーも面白く読めたのですが、ベスターはどうも合わない...。

自由な発想で現実と虚構が混じり合ってドタバタと展開しているのはわかるのですが、なんだか雑な気がして各所気になり楽しめませんでした。
「深遠」よりも「軽薄」が目についてしまう...。
もっと大らかな気持ちで楽しめばいいんでしょうけれども。

ベン・ライクがクレイ・ド・コーニーを殺害する場面「こんなんじゃすぐ捕まるだろ」としか思えませんでした。
最後の方でリンカン・パウエルがベン・ライクを評して「銀河系の焦点になる」と言っていますが、最初のところでド・コートニーに事業で負けそうになっている男が「そんなに危険か?」とどうも納得出来ませんでした。
あとベン・ライク側のエスパーテイトが殺されたのを仕組んだのは誰か?が解決がされていないようなということと、「そっちの殺しの方は重罪じゃないか?」ということ。
パウエルとバーバラがくっつくのもどうも都合がよすぎるような....。

我ながら細かい男だなぁと思いますが...。

どうも私は小難しく理屈っぽく説明調なSF(ハードSF的な作品)の方が本作のような豪快な作品より合うようです。
(オールディスが酷評している方向ですね)

本作の最後の方の謎解きと「分解」刑の画的な見事さいいなとは思いましたが全体的には合いませんでした。

本作ネット上でみるとかなり評価高いので合う人にいいんでしょうけども。

ということで1953年第一回ヒューゴー賞争い3作の私の評価は「幼年期の終わり」≧「人間以上」>>>「分解された男」ということになりました。

まぁ好みは人それぞれということで。^_^

どうも細かいなーという方も!細かいこときは気にするなーの方も。
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