SFかつ古めの作品に戻り「五次元世界のぼうけん」読みました。
’12年ローカス誌オールタイムベスト長編62位、1962年刊。
女流作家 マデレイン・レングルの代表作となります。
1963年にアメリカで一番優れた児童文学に送られるニューベリー賞を受賞しています。
これまた入手困難(amazonで取り扱いなし)なため図書館で借りました。
市立図書館にもなかったため県立図書館にリクエストしての借り出しとなりました。
国際児童文学全集の第9巻として1969年にあかね書房から発刊されています。
この全集小学校の図書室にあった記憶があります。
この赤い装丁懐かしい…。
全集 第11巻の「運河と風車とスケートと」は小学校のとき読んでなんだかとても記憶に残っているのでもう一度読みたいのですが....。
これまたamazonだと高額(8,000円位)です。
こちらも県立図書館にはあるようなのでいつかは借りて読みたいです。
本作は読んだ記憶はなかったのですが、読んでいる途中「読んだかな?」と思う部分があったのでもしかしたら小学生時代読んだことがあるのかもしれません。
本作の原題は" A Wrinkle in Time" 、「惑星カマゾツ(時間と空間の冒険 1)」の題でサンリオ文庫から出ていますがこちらはamazonで8万円オーバーかつ図書館でもみあたらないので読むのが困難です…。
副題に「時間と空間の冒険1」とあるように続編があるようですが「五次元世界のぼうけん」では続編につながるエピソードやら登場人物が一部省略されているという話もあるようで「惑星カマズツ」気になっています。
(サンリオでは続編も翻訳版出ています)
アメリカでは人気の児童小説のようで、本作2018年3月にディズニーで映画化公開されています。
日本での公開は未定なようですが2019年は日本で公開され人気を博し新訳出ることを祈っていますが..。
難しいかなぁ...。
「児童向け作品」なので「読んでみるかなぁ」と原書をkindle版で入手して数ページは読んだのですが…私の英語力では続きませんでした…。
まぁそのうち(笑)
内容紹介(A Wrinkle in Time (Madeleine L'Engle's Time Quintet) (英語) ペーパーバック – 2007/5/1の内容紹介記載)
Meg Murry and her friends become involved with unearthly strangers and a search for Meg's father, who has disappeared while engaged in secret work for the government, in a re-release of the classic story. A Newbery Medal Book. Simultaneous. 500,000 first printing.
下記訳(私の訳なのでいい加減)
メグ・ミューリと彼女の友人たちは、奇妙な人たちと出会い、政府の秘密の仕事に従事している間に姿を消したメグの父親を探す旅にでかけて...。
古典的な名作の再刊行。ニューベリー賞受賞、再刊初版50万部。
上記では内容よくわからいでしょうから補足です。
マーガレット(メグ)・ミューリは学校では問題ばかり起こしていて、メガネをかけ容姿もさえない中学生(12才くらい?)。
人の考えていることを読む能力をもち知能も高い小さいチャールズという弟がいます。
有名な物理学者の父、美しい化学者を母に持ちますが父は失踪中。
町の人や校長先生までも失踪理由についてなにやらスキャンダラスなことがあったのではないかと噂をしていますが、メグは信じていません。
それがメグが荒れる理由にもなっています。
父は政府関係の極秘の仕事をしていて行方不明になっていました。
そんな中ミューリ家に謎の女性ワトシット夫人(Whatsit=なんとかいうもの)が訪れ謎めいた「五次元運動」なる言葉が出てきます。
その後スポーツができイケメンのメグと同じ学校の先輩カルビンも実は霊感が強いということがわかり仲間に加わります。
メグ・チャールズ・カルビンの3人組とワトシット夫人とその仲間のフー(Who)夫人
ウィッチ(Which)夫人と五次元運動を利用したワープで宇宙の彼方に旅立ちます。
宇宙では闇の力と過去から闘い続けており、地球にもその力が迫っていることを教えられます。
その力が父親を連れ去ったことを知った人は父親が捕らえられている惑星カマゾッツに向かいます。
3人は「それ」と呼ばれる存在が支配した管理社会の惑星に捕らえられている父親を救おうとしますが自分の能力を過信した弟は「それ」の罠にかかって心を操られてしまいます。
弟を敵から取り戻し地球を含む宇宙を救う使命は特殊な能力は何も持たないメグの双肩に委ねられることになり...。
最後にメグが使う、「それ」が持っていない武器とは?
あらすじ書いているとすごく楽しそうですが…。
眉村卓のジュブナイル(「天才はつくられる」とか「ねらわれた学園」とか)ものとほぼ変わらない展開で、話も眉村卓の方がおもしろいです。
なんでこの作品が米国でそんなに人気があるのかわかりませんが…。
1960年代前半にアメリカの小学生、中学生の読む女子向けSF作品がほとんどなく、その辺の文学少女にうけたのではないかと推測しました。
(オタクSF男子に「スラン」が受けたのと同様ー世間では迫害されているけれど本当はすごく、かわい子ちゃんと最終的にはめでたく結ばれる…。ちなみに「スラン」はとても好きな作品です。)
成績も振るわず、人付き合いの苦手かつ容姿もイケていない少女がイケメンの先輩と不思議な旅に出て宇宙の危機を救う。
ベタベタではありますが…(最後の武器も思いっきりベタベタです…。)欠点は多いものの小説を読んでいる自分が「何ものかでありたい」願望が充足されたのではないでしょうか。
(Wikipediaで作者の経歴見たらメグの学校での姿は作者の経験が反映されているようです。)
ただベタベタなだけでなく次元の説明やらワープ理論の説明でもっともらしく加工しSF仕立てにしたところも文学少女たちにウケたんでしょうか…。
コンピューター的な「管理社会」に対する「自由」というのもアメリカかつ冷戦時代的です。
メガネを取ったメグを見たカルビンが「きみはまるで、夢のように美しい目をしている」といってメグが顔を赤らめる場面があります。
この場面を読んで「もしかして読んだかな?」と思ったのですが、メガネを取ったエイドリアンを見るロッキー・バルボアを思い出しました。
アメリカ人こんな場面好きなんですかねぇ。
小学生が読めばそれなりに楽しめるかとは思いますが大枚はたいて買ってまで読む価値はないかと思います。
またこの作品を小学校の図書館で読んで思い出深い方にもお薦めですが…
読みたい方は図書館か原書がよいかと。
↓ベタベタでもいいじゃんかという方も、取り柄がなくてもSF好きならいいよねーという方もよろしければ下のバナークリックいただけるとありがたいです!!!コメントも歓迎です。
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’12年ローカス誌オールタイムベスト長編62位、1962年刊。
女流作家 マデレイン・レングルの代表作となります。
1963年にアメリカで一番優れた児童文学に送られるニューベリー賞を受賞しています。
これまた入手困難(amazonで取り扱いなし)なため図書館で借りました。
市立図書館にもなかったため県立図書館にリクエストしての借り出しとなりました。
国際児童文学全集の第9巻として1969年にあかね書房から発刊されています。
この全集小学校の図書室にあった記憶があります。
この赤い装丁懐かしい…。
全集 第11巻の「運河と風車とスケートと」は小学校のとき読んでなんだかとても記憶に残っているのでもう一度読みたいのですが....。
これまたamazonだと高額(8,000円位)です。
こちらも県立図書館にはあるようなのでいつかは借りて読みたいです。
本作は読んだ記憶はなかったのですが、読んでいる途中「読んだかな?」と思う部分があったのでもしかしたら小学生時代読んだことがあるのかもしれません。
本作の原題は" A Wrinkle in Time" 、「惑星カマゾツ(時間と空間の冒険 1)」の題でサンリオ文庫から出ていますがこちらはamazonで8万円オーバーかつ図書館でもみあたらないので読むのが困難です…。
副題に「時間と空間の冒険1」とあるように続編があるようですが「五次元世界のぼうけん」では続編につながるエピソードやら登場人物が一部省略されているという話もあるようで「惑星カマズツ」気になっています。
(サンリオでは続編も翻訳版出ています)
アメリカでは人気の児童小説のようで、本作2018年3月にディズニーで映画化公開されています。
日本での公開は未定なようですが2019年は日本で公開され人気を博し新訳出ることを祈っていますが..。
難しいかなぁ...。
「児童向け作品」なので「読んでみるかなぁ」と原書をkindle版で入手して数ページは読んだのですが…私の英語力では続きませんでした…。
まぁそのうち(笑)
内容紹介(A Wrinkle in Time (Madeleine L'Engle's Time Quintet) (英語) ペーパーバック – 2007/5/1の内容紹介記載)
Meg Murry and her friends become involved with unearthly strangers and a search for Meg's father, who has disappeared while engaged in secret work for the government, in a re-release of the classic story. A Newbery Medal Book. Simultaneous. 500,000 first printing.
下記訳(私の訳なのでいい加減)
メグ・ミューリと彼女の友人たちは、奇妙な人たちと出会い、政府の秘密の仕事に従事している間に姿を消したメグの父親を探す旅にでかけて...。
古典的な名作の再刊行。ニューベリー賞受賞、再刊初版50万部。
上記では内容よくわからいでしょうから補足です。
マーガレット(メグ)・ミューリは学校では問題ばかり起こしていて、メガネをかけ容姿もさえない中学生(12才くらい?)。
人の考えていることを読む能力をもち知能も高い小さいチャールズという弟がいます。
有名な物理学者の父、美しい化学者を母に持ちますが父は失踪中。
町の人や校長先生までも失踪理由についてなにやらスキャンダラスなことがあったのではないかと噂をしていますが、メグは信じていません。
それがメグが荒れる理由にもなっています。
父は政府関係の極秘の仕事をしていて行方不明になっていました。
そんな中ミューリ家に謎の女性ワトシット夫人(Whatsit=なんとかいうもの)が訪れ謎めいた「五次元運動」なる言葉が出てきます。
その後スポーツができイケメンのメグと同じ学校の先輩カルビンも実は霊感が強いということがわかり仲間に加わります。
メグ・チャールズ・カルビンの3人組とワトシット夫人とその仲間のフー(Who)夫人
ウィッチ(Which)夫人と五次元運動を利用したワープで宇宙の彼方に旅立ちます。
宇宙では闇の力と過去から闘い続けており、地球にもその力が迫っていることを教えられます。
その力が父親を連れ去ったことを知った人は父親が捕らえられている惑星カマゾッツに向かいます。
3人は「それ」と呼ばれる存在が支配した管理社会の惑星に捕らえられている父親を救おうとしますが自分の能力を過信した弟は「それ」の罠にかかって心を操られてしまいます。
弟を敵から取り戻し地球を含む宇宙を救う使命は特殊な能力は何も持たないメグの双肩に委ねられることになり...。
最後にメグが使う、「それ」が持っていない武器とは?
あらすじ書いているとすごく楽しそうですが…。
眉村卓のジュブナイル(「天才はつくられる」とか「ねらわれた学園」とか)ものとほぼ変わらない展開で、話も眉村卓の方がおもしろいです。
なんでこの作品が米国でそんなに人気があるのかわかりませんが…。
1960年代前半にアメリカの小学生、中学生の読む女子向けSF作品がほとんどなく、その辺の文学少女にうけたのではないかと推測しました。
(オタクSF男子に「スラン」が受けたのと同様ー世間では迫害されているけれど本当はすごく、かわい子ちゃんと最終的にはめでたく結ばれる…。ちなみに「スラン」はとても好きな作品です。)
成績も振るわず、人付き合いの苦手かつ容姿もイケていない少女がイケメンの先輩と不思議な旅に出て宇宙の危機を救う。
ベタベタではありますが…(最後の武器も思いっきりベタベタです…。)欠点は多いものの小説を読んでいる自分が「何ものかでありたい」願望が充足されたのではないでしょうか。
(Wikipediaで作者の経歴見たらメグの学校での姿は作者の経験が反映されているようです。)
ただベタベタなだけでなく次元の説明やらワープ理論の説明でもっともらしく加工しSF仕立てにしたところも文学少女たちにウケたんでしょうか…。
コンピューター的な「管理社会」に対する「自由」というのもアメリカかつ冷戦時代的です。
メガネを取ったメグを見たカルビンが「きみはまるで、夢のように美しい目をしている」といってメグが顔を赤らめる場面があります。
この場面を読んで「もしかして読んだかな?」と思ったのですが、メガネを取ったエイドリアンを見るロッキー・バルボアを思い出しました。
アメリカ人こんな場面好きなんですかねぇ。
小学生が読めばそれなりに楽しめるかとは思いますが大枚はたいて買ってまで読む価値はないかと思います。
またこの作品を小学校の図書館で読んで思い出深い方にもお薦めですが…
読みたい方は図書館か原書がよいかと。
↓ベタベタでもいいじゃんかという方も、取り柄がなくてもSF好きならいいよねーという方もよろしければ下のバナークリックいただけるとありがたいです!!!コメントも歓迎です。
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ジュブナイルとして楽しめました。最初の第一章など、父親失踪の謎、お母さんが何か隠している謎、ファットシット夫人の謎、他人の心を読める不思議な弟の謎、などが一度に提示され結構引き込まれる出だしで感心しました。宇宙の強大な敵と戦い続けているという設定は『幻魔大戦』かと思えるほど。でも最後の方は、しろくまさん書かれているとおり「ベタ~」な展開でしたが(笑)、62年発表だと「これ」が「最終兵器」というのは斬新だったのかもですね。
普通の少女たちに読んでもらうことが目標なら、『五次元世界のメグ』とか『メグ、惑星カマゾツへ』など、もう少し子供たちが手を出したくなるようなタイトルにしてもよかったようにも思います。
検索すると3夫人やメグの映画版スチールが結構出てきますが、日本公開の話はたしかにまだ書かれてなさそうですね。Wikiでは全4作と書かれていたので、まだ一度も訳されてない第4巻も含めて、映画化に併せて復刊されるとよいですね。
こんにちは。
コメントありがとうございます。返信遅れすいません。
「惑星カマゾツ」お持ちなんですね、スゴイ!
拙文が手に取る一助になったならよかったです。
ソフトカバーシリーズ版の存在は知らなかったですが...そんな版もあるんですね。
サンリオSF文庫、私が小学校高学年くらい、つまりはむしぱんさんが入手された37年前には普通に本屋に並んでいたんですけどねぇ。
作品によってはかなり入手しづらく、プレミアもついているようです。
早川や創元が版権持っている作品なら今は入手困難でも復活期待があるのですが…。
サンリオ、そういう意味では罪深いですね。
作品、ブログの方でも書きましたがアウトラインだけ書くとえらいおもしろそうなんですが...ジュブナイルとしても書き込みが足りないように感じ作品に入っていきにくかったです。
主人公の女の子の面倒くさい感じ(笑)がこの作品ポイントなんでしょうがそれにもなかなか…。
ただ「幻魔大戦」は書き込まれ過ぎで昔(小学生だったか?)挫折しましたが…。
(たしか7,8巻「ゲンケン」が出てきたあたりで挫折機会があれば20巻まで読みたいかな気がしてかいます、それ下さい以降は…。)
アメリカではかなりポピュラーな作品のようですからシリーズ通して読めばそれなりに楽しめそうですが、映画の日本での扱い見ていると再刊、新訳ののぞみは薄そうですね、残念!
体調不調など御座いませんよう、祈っております。
くれぐれもお体を大切に。
ブログ更新を楽しみにしてますよー。
(^^)/
こんにちは。
体はなんともないのですが仕事やら何やらバタバタしていてブログを書く時間がなくで(泣)
読む方は時間がないなりにも読んでいるので書くべきものが貯まって押しつぶされそうですが…。
ゆっくりでも書いていくつもりですのでしばしお待ちを〜。
(いつになるやらですが…。)
まるで現在の世界を予兆したような物語ですね。私も早くお父さんと弟を救い出さなくちゃ。(笑)
県立図書館で貸し出ししてもらえるのでしたら、私もトライしてみようと思います。