しろくま日記

読んだ本の感想を記録してみたいと思います。
なんだか忘れてしまうので。

SFオールタイムベスト(海外長編)考

2013-07-01 | 本リスト

去年の末から重点的に海外のSFを読んでいますが、SFの世界からしばらく(20年以上)離れていたのでネットで今時のトレンドを調べて参考にしています。
(便利な世の中だ)

「SF」「オールタイムベスト」で検索するといろいろ出てきます。

上位で出てくるものにSFマガジン06年4月号のオールタイムベスト。
こちらで内容わかります。(翻訳長編)

その他翻訳短編、国内長・短編おのおの50作ほどランキングされています。

最近の情報(2012年12月)では米国ローカス社の”20th and 21st All-Centuries Polls Results“20世紀、21世紀の長・中・短編、ファンタジー小説がンキングされています。

この2種類、長編部門(SFマガジンでは翻訳長編ですね)で表にまとめて比べてみました。
日米の差が現れていてなかなか面白いです。
*'17/7/8表一部修正書換

ローカス誌・SFマガジンそれぞれ1-5位を青で着色、5-10番目をピンクで着色しました。
(SFマガジン版はベスト10にハイペリオン2部作・4部作も入っているので12位まで着色)
買い物リストにするため出版社・絶版かどうかも調べていいます。
(ローカス版ベストの1位デューン、2位エンダーのゲームともに絶版だ...その他も絶版多い。
SFは人気なんだろうなぁ、う~ん。

で上位を比べてみると日米両方でベスト10に入っているのは「ハイペリオン」「虎よ!虎よ!」の二作。
「ハイペリオン」「虎よ!虎よ!」は今年になって読みました。
「虎よ!虎よ!」はわかりますが私の感想としては「ハイペリオン」は今後も評価され続けるか???。

ローカス誌1位の「デューン」6位の「銀河ヒッチハイクガイド」7位の「1984年」10位の「華氏451度」はSFマガジンではランキング入りすらしていない...。

「デューン」は読んでいませんが映画の存在は知っており昔買ったはず、実家にあるので取にいかなきゃ。
アメリカ人受けする作品なんでしょうか?

「1984」は村上春樹の影響もあり今やれば日本でもランキング入りしそうな感じがしますけれど、29位の「すばらしき新世界」と同様日本では「SF」に分類されていないような気がします。

その点、SFマガジンの国内ランキングで「ドグラ・マグラ」「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」がランキングされているのと同様、なんだかジャンルを広く見過ぎなような...。(二作とも名作ですが、SFでなくても名作なような)

ローカス誌10位の「華氏451度」は日本だとブラッドベリ作品=「火星年代記」ということでランキングされなかったか?。
「銀河ヒッチハイクガイド」は未読なのでなんとも言えません...。

逆に、SFマガジンで上位にある作品でローカス誌ではランキングされていない作品に
SFマガジン6位「地球の長い午後」7位「万物理論」11位「ノーストリリア」があります。

「地球の長い午後」は私がSFを読んでいた頃は必読書でしたがアメリカでは人気がないのかなぁ。
(昔読んだはずですがまったく覚えていない)

他二作はよく知りませんが、「万物理論」の作者グレッグ・イーガンはSFマガジン版では4作品がランクインしており、フィリップ・K・ディックとならびトップ。

イーガンはローカス誌版では1作もランクインしていません。
日本とアメリカでこれだけ違うんですねぇ。
なおディックはローカス版でも4作ランクインしており米国でも人気なんでしょうね。

ローカス版で最多ランクイン作家は、5作ランクインのロバート・A・ハインライン。
さすがミスターSF 人気です。
ただ「夏への扉」の評価は日米でかなり違う...。
「夏への扉」についてはネットで見るといろんな人が日米での人気の違いに言及しています。
私は中学辺りで「夏への扉」を読みましたがロマンティックで非常に好きな作品です。
私も日本人なんでしょうねぇ。
ハインラインの他の作品はどうもマッチョすぎて苦手気味ではあります。(クラークもですが)

ローカス誌版ではSF三巨匠の残り二人はクラーク4作、アシモフ4作と健闘しています。
(アシモフはフウンデーションが2作入っており微妙ですが...)
私的にはアシモフ作品ではかなり好きな「永遠の終わり」が入っているのがなんだかうれしい。

その他ではサミュエル・R・ディレイニーが4作入っていますが不勉強なので名前すら知りません...。

既読作品をチェックしたらSFマガジンランク1位のソラリスから-6位の「地球の長い午後」まで5位「虎よ!虎よ!」を除くと高校生までに全部読んでいました。(この辺鉄板ものオンパレードですしね)
自分が「日本の」SFファンであることを改めて認識しました。

ランキングはあくまでランキングなのでポピュラーでない名作がかなりこぼれ落ちているだろうことは認識していますが(ブラウンの「発狂した宇宙」なども入っていないし)知らない作家の知らない作品を知るには役立ちますね。
今年はこれを手がかりとして色々「SF」の幅を広げていきたいと思っていたりします。

にほんブログ村

最新の画像もっと見る

コメントを投稿