某年金生活者のぼやき

まだまだお迎えが来そうに無い

草の花

2013-03-01 15:58:43 | ぼやき
 新聞に『永福門院百番御自歌合』の中の春の歌数首が紹介されていた。鎌倉時代の女流歌人なのに、まるで現代の人のような、素直で良い歌。感心した。
「何となき草の花咲く野辺の春雲にひばりの声ものどけき」
芭蕉の「草いろいろおのおの花の手柄かな」を思い出した。広々とした緑の野原が様々な色に飾られている美しい風景。もう日本では見ることが出来ないのかもしれない。北海道に一面のラベンダーを見に行けばどうかな。紫一色で面白みや野趣はないかもしれないが、見事だろう。
「窓の梅の香りなつかし朝明けに閨ながらきく鶯の声」
今の家に引っ越してきた当時(たまたま2月11日に引っ越した)、庭に鶯が来て鳴いていた。人の気配がすると逃げるから、と、家族みんなで息をひそめて聞き入った。初夏になるとカッコーが毎朝鳴いた。始めは市のスピーカーのサービスかと思ったが、鳴く声の位置が移るので、本物だと知った。あれから40年。もう鶯は来ない。カッコーも鳴かない。今は庭の金柑の実が鳥に食われて無残になっているのを毎朝確認するだけだ。
「遠近の鶯の音ものどかにて花の咲き添う宿の夕暮れ」
旅に出たくなった。山の温泉に行きたくなった。山のひなびた温泉宿にこんな和歌が飾ってあったら嬉しいだろうな。その宿のファンになっちまうだろう。三月の末に伊東の宿(吹矢館だったかな)に吹矢の試験を受けに行く。鶯は鳴いてくれるかな。着いてすぐ試験。泊まるから、其の晩の酒は美味いか、苦いか。どうせなら合格して、おいしい酒を飲みたいものだ。
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