某年金生活者のぼやき

まだまだお迎えが来そうに無い

アーメン

2011-08-22 16:20:11 | ぼやき
 陸軍登戸研究所のことを書いていて思い出したことがある。6~7年前だろうか、ダブリン(アイルランド)で「アーメン」という映画を見た。
 ナチの技術将校(SS)とカトリックの神父さんが主人公。このナチの将校が泥水を濾過して飲料水にする装置を開発する。やがて、ユダヤ人が収容所で大量に殺害されていることを知り、しかも、それに使う毒ガスが、濾過装置用に自分が開発した強力な殺菌ガスであることを知る。彼は苦悩しユダヤ人殺しをやめさせる方法を模索する。
 此の将校は若い神父さんと知り合い、協力してユダヤ人殺しをやめさせようと奮闘する。神父さんはバチカンの有力者である父親を通してローマ教皇に「ユダヤ人虐殺を非難するよう」嘆願する。しかし「もしそのようなナチ非難をしたらバチカンは即座にドイツに滅ぼされてしまう」という心配と「ナチを非難するならソビエトのキリスト教徒迫害も非難しなければ片手落ちだ」という卑怯な言いのがれで、教皇はユダヤ人殺しを非難しない(第二次大戦中の教皇はナチ贔屓で有名だ。)
 絶望した若い神父さんは自ら胸に黄色い星のシール(ユダヤ人のしるし)を貼って収容所に送り込まれ、殺される。ドイツ人の将校は告発文書を書き、捕えられ、独房でなおフランス語で詳細な告発文を書き続ける。
 見方によっては強烈な「ローマ教皇批判」になるこの映画を85%以上がカトリックだというアイルランドで見れたから余計印象が強い。日本では上映したのだろうか。
 何故この映画を思い出したか。登戸研究所と731部隊とこのナチ将校に共通して、泥水の濾過装置の開発があるからだ。731部隊の責任者石井が開発したのが、石井式濾過装置。登戸研究所の伴少佐は何故か戦後もこの濾過装置を大量に保管していた。殺菌にガスを使ったかどうかは知らない。資料館で説明した女性も知らなかった。しかし、前線部隊にとって防疫は最も重要なことの一つだ。それには優れた頭脳が沢山集められる。それと、おぞましい各種の秘密兵器(殺人手段)の開発とはおそらく同じ方向性をもった研究だったのであろう。
 この映画がレンタル・ビデオ屋にあった、という人がいるが、私はまだ見つけられないでいる。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 陸軍登戸研究所 | トップ | ラーガービールの秘密 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

ぼやき」カテゴリの最新記事