NHK特集「シルクロード」でバックパッカーは旅に出る

2023年01月17日 | 海外旅行

 NHKスペシャル「シルクロード」を見る。

 人にはそれぞれ「伝説の未見作品」というのが存在し、

 

 「いつか見られるかなあ」

 「もしチャンスがあれば、いくらまでなら出すだろう」

 

 なんて胸を焦がすことになる。

 私の場合はたとえば、『ウルトラセブン』の欠番作品である第12話遊星より愛をこめて」とか。

 カルト映画ファンにはおなじみ、丹波哲郎の怪演が光る、トラウマ必至の『ノストラダムスの大予言』とか。

 洋画なら当時ソフト化されてなくて、なんとか観たかったエルンストルビッチに、プレストンスタージェスなどハリウッドのスクリューボール・コメディ。 

 テレビでは恩田陸山本弘など幾多のSF作家に影響をあたえて、エッセイなどでとにかく頻出するNHK少年ドラマシリーズ

 

 この中でスペル星人は特撮ファンの友人にビデオ(VHSの時代)を手に入れてもらって、『愛國戰隊大日本』やDAICON版『帰ってきたウルトラマン マットアロー1号発進命令』(今はアマゾンプライムで観れる!)などと一緒に鑑賞。

 ルビッチは大阪の地下映画館ACTシネマヴェリテで観ることができたし、スタージェスはWOWOWで放送してくれたりしたけど、『ノストラダムス』はまだ未見。

 少年ドラマシリーズはそもそもフィルムが存在しないため(当時は使ったフィルムに上書きして再使用していたため)、ほとんど見る可能性はないと言っていい。

 まあ、今はネットがあるから、見ようと思えば意外と簡単に見れたりもするけど(ありがたいことです)、そんな中にNHK特集の「シルクロード」も入っていたわけだ。

 「シルクロード」というのは、1980年代に放送されたドキュメンタリー番組。

 『三国志』好きなら名前はよく聞く長安の歴史や、当時はじめてカメラが入ったという始皇帝墳墓

 西に行けばウイグルの街やカシュガルなど、われわれ日本人のイメージする「中華」とは違う、多文化で他民族な大陸を味わうことができる。
 
 これがですねえ、なんで見たかったのかといえば、旅行好きなバックパッカーだから。

 といっても、中国に行ったことはないし、シルクロードの中継点である街も訪れたことはないし、とりたててアジアにロマンを感じていたわけでもない。

 ではなぜ、そんなにこの番組が見たかったのかと問うならば、これはもう先輩のバックパッカーが語りまくるからである。

 旅行好きは当然、旅行にまつわるも好きである。

 で、そういう旅行記とか旅行マンガに、よく出てくるんだ、これが。

 世代的に、こちらの一回り上くらいの作家さんなどに多い。

 グレゴリ青山さんのように、これきっかけで「鑑真号」に乗って中国に出かけるとか、モロ影響を受けている人もたくさんいて、こういうのを山盛り読まされると、行かなイカンと言う気になる。

 『名探偵コナン』ファンの女子が『機動戦士ガンダム』を勉強したり、クエンティンタランティーノの映画を愛するあまり、三池崇史石井輝男の映画を観まくるとか、それみたいなもの。

 まあ、一種の聖地巡礼ですね。

 それで、ずーっと「観んとなあ」なんて思いながら、機会もなく、そもそも古い番組だから今では熱意も冷め気味だったが、少し前にテレビで再放送したのを機に鑑賞した。

 で、これがなかなかおもしろかったのだ。

 なんせ40年前くらいのことだしNHKだから地味でテンポも遅いんだけど、それが昭和の味である。

 フィルム撮影の湿った画面もなつかしいし、なにより今となってみれば資料的価値が高い。

 今の日本人にとって中国といえば、泣く子も黙る経済大国だろうが、昔のイメージはもっと地味で貧しかった。
 
 変われば変わるもので、そうだよなー、こんな映像きっと、中国人ですら北京とか上海に住んでる若い人なら「どこの国?」って思うくらいだろうなあ。
 
 それくらいと違う。いやマジで、日本で言えば今と戦前か、下手すりゃ明治維新くらい差があるように見えるほど。
 
 それがまた、おもしろいわけで、あとこういう外国の古い映像を見るといつも思うのが、

 「なんか、ロールプレイングゲームのフィールドみたい」

 ということで、ゲーム好きな人も結構楽しめるんではないか。

 

 (続く


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