海上撮影家が見た上海2

上海で撮影活動をしている海原修平のBlog。「海上」とは上海の逆で、新しい上海という意味。更新は不定期。

世界遺産に登録された万田坑跡へ

2016-06-19 | 写真日記

5月30日に上海から佐賀空港に降り、鳥栖経由で大牟田市に入る。その日の夜は大学時代の友人で、今は懐石料理屋を経営している店で一杯。翌日は大牟田市内から万田坑へ車で向かった。万田坑は明治の頃の日本の産業を支えた三井三池炭鉱の一つで、その跡地数カ所が昨年世界遺産に登録された。こんな機会は滅多にないので、数カ所ある坑からパンフレットのモノクロ写真が良かったので万田坑を選び車で連れていってもらった。私は大学時代を福岡で過ごしたのだが、卒業するまで一度も炭鉱を見る事もなく上京したので炭鉱跡地を見るのは初めて。

 

突然現れた大きな鉄塔

 

 

電源を入れれば今でも動きそうな巨大歯車

 

動く様を見てみたくなる

 

三池製作所のプレートが

 

 オイルが焼けた匂いとモーター音とギアがきしむ音が聞こえてきそう

 

錆びた工具が置かれた板と同化している

 

 左の字は読めなかった

 

山ノ神

 

この地が栄えた時代は、この一本の樹のような時代だったのかも知れない 

 

日本での石炭発見は今から約550年前で、当時は「燃える石」として今の大牟田市で発見された。江戸時代を経て明治の頃には日本の産業革命を支えた産業だったが、後に燃料が石油に変わり徐々に衰退していった。おそらく石炭産業がピークだった当時の大牟田市や荒尾市周辺は相当栄えていたと思うが、今はその面影もない寂れた街になっている。

私が上海に来る前の前世紀末頃に高輪魚藍坂下の行きつけの小料理屋で、元炭鉱労働者で後に社会党の副委員長だった故岡田利春氏から、何度か北海道と筑豊の炭鉱の話を聞いた事があるが、当時の話は戦時下でもあり生の話を聞き衝撃を受けた覚えがある。当時の様子はNHKの戦争証言アーカイブスに岡田利春氏へのインタビュー動画があるので、興味のある人は是非。

コメント (4)
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