男と女、そして煙草と酒。サックスのスロージャズが流れるバーカウンターには、オールドレンズがよく似合う。
Canon FD50mm f1.4 補正レンズ付アダプター使用
ミラーレスに移行する前まで使っていたキヤノン5DⅢに1970年台製造のFD50mm f1.4+補正レンズ付きで撮影したので、焦点距離は約65mm。シャッタースピードは約0.5secくらいなのでブレてはいるが、たとえブレていても最新のデジタルレンズを使うとこんな雰囲気には絶対に写らない。人を撮る場合、レンズ収差なんて私はほとんど無視。むしろ程良いレンズ収差があったほうが写真らしいと思っている。
人の目の解像度がどのくらいあるのか知らないが、逆に見え過ぎると欠点ばかりが気になり、画像修正過剰な化粧品会社のポスターのように人がアンドロイドに見えてしまい気持ち悪い。古いレンズの周辺描写が気に入らないという人がいるが、古いレンズにそれを求めること自体がナンセンス。
フルサイズ換算で焦点距離65mmを使うと、被写体との距離と写った遠近感が調度良い。レンズを一本選べと言われたら私は間違いなく65mmと言えるのだが、そんなレンズはf値の暗いビゾ用エルマー65mm f3.5しか世の中に存在しない。長過ぎず短過ぎない65mmは、人を撮る場合も含めある意味理想の焦点距離かも知れない。