相模原市南区大野台3丁目から南区相模台3丁目にかけて総延長5キロメートルに亘って「相模原の道・橋・花ーさがみはら百選―」の一つ「さがみの仲よし小道」がある。かつての「相模原台地」に昭和23年から16年をかけ「畑かん水路」が造られたが、その後相模原台地は現在の市街地として発展、この水路敷きを活用した緑道が現在の「仲良し小道」である。平成16年3月現在3,6kmが緑道として整備され今や地域住民のコミュニティーラインとなっている。小道のほぼ中間地点の花壇で「アルストロメリア」が本数はさほどではないが黄色の独特の花を咲かせている。南アメリカ原産のユリズイセン科ユリズイセン属多年草でよく花束やフラワーアレンジに多く利用される。豊富な花色、色鮮やかなものからパステル調やシックなものと多彩でエキゾチックな花である。大きな特徴で花弁の一部に縞模様が入っている。 この斑点は昆虫を誘うためのようである。6枚の花弁のうち、外側の3枚は丸みがあって大きく、単色または複色、内側の3枚のうち上の2枚は特にこの縞模様が入っている独特の花である。(2306)
町田市野津田町に町田市立の都市公園で「新東京百景」、「日本の歴史公園100選」、「東京都指定名勝」に指定されている「薬師池公園 」四季彩の杜はある。昭和51年(1976)開園、141,654㎡という広大な面積を有している。園の中央部にある「薬師池」の傍の「薬師茶屋」と「万葉草花苑」の奥に昭和49年(1974)に移築された「旧荻野家住宅」がある。江戸時代末期、荻野家は笠間藩の医家の出で当地に移り幕末まで医家であった。建物は茅葺で入母屋造り、桁行6間半、梁間4間半である。(建坪146㎡、4つの部屋と2つの土間という間取り)。内部を見ると6畳間にある薬棚は調剤室として使用され、隣の9畳間が診察室、手前の2間続きの部屋が住居部分である。当寺医療を行っていた名残が感じられる。家の向きは農家と違って妻入りで内部の間取りも町屋と似たところがある。外観、内部とも整い、町屋の造りを取入れた農村部の医家の建物として類例の少ない民家である。(2306)