菊池のぶひろの議会だより

日本共産党 桜川市議会議員 菊池のぶひろの活動報告です

「広島の『黒い雨』があんなにきれいな卵形に降るのだろうか?」=ある被爆者の疑問から

2024年08月02日 08時33分52秒 | 地方政治
 今週のしんぶん赤旗・日曜版には、100歳になる気象学者・増田善信さんがトップに出ています。
 
 8月は広島・長崎に原爆が落ちた月です。
 そのとき、黒い雨(原子爆弾投下後に降る、すすや放射性物質を含んだ重油のような粘り気のある大粒の雨)が降ります。その雨に濡れた人は、原爆被害者となります。
 その雨の降った地域がどこまでか、被害者が救済を受けるためには、重要な判定になります。
 
 当初は、広島管区気象台がつくった降雨図は、爆心地から北西方向に広がる卵形に広がる雨域でした。
 増田善信さんも、広島気象台が作った降雨図を利用していたのです。ところが、1985年の原水爆禁止世界大会で、被爆者の方に、「広島の『黒い雨』があんなにきれいな卵形に降るのだろうか」と聞かれたのです。

 増田さんは、「頭を殴られたような衝撃を受けました。積乱雲からの激しい雨は、あんなにきれいな降り方をしない。これは気象学者の常識なのに、私は批判もせずに、それを引用していた。本当に恥ずかしい・・・。」

 そして、その卵形の降雨図が援護対象区域を分ける根拠に使われ、「区域外」とされた住民たちは、雨をあびたにも関わらず、援護を否定されているというのです。
 「私の責任で再調査します」とその場で約束をして、2000人以上の証言(聞き取り調査をした)をもとに1989年、従来の雨域の4倍に広がる「増田雨域」を発表しました。

 この増田雨域が日の目を見るまで、30年以上かかりました。この間、村上経行さん・増田さんに疑問を投げかけた人)はじめ、黒い雨の被害を訴えてこられた方は旅立ってしまいました。確定した勝利判決を、彼らに聞かせてやりたかったです。

 
 2021年7月に広島高裁で、「増田雨域の信頼性は認められました」。広島県内では、新しく6000人以上が「被爆者」と認定されています。

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