今日の東京新聞・本音のコラム欄を紹介します。
セックスのバケモノ
北丸雄二
「差別は許されない」という、ほぼすべての人が賛同するような文言が自民党保守派には気に食わない。理由は、自分では差別だと思わない行為が差別だと訴えられる恐れがあるからです。つまり性的少数者、ここではきっと男性同性愛者が念頭にあるのでしょうが、彼らを「気持ち悪い」「見るのも嫌だ」と言うことが差別でないと断罪しました。言わんこっちゃない、「恐れ」いたことが起っちゃったわけです。
なぜ差別でないと思うのか。「だってホモって男の尻を追いかえ回す連中だろう? キモいだろう!」という描かれ方をしてきたせいです。「四六時中セックスのことしか考えていないバケモノ」だから「嫌だ」。でも「ホモ、おかま」らは呼び方を「ゲイ」と変えた。「セックスだけの存在であるわけがない」という人権宣言です。人権先進国は50年かけて間違っていた同性愛者への認識を正してきました。セックスしか頭になかったのは、そう考えて差別する荒井氏らの考え方でした。
今回の炎上は世間がすでに「隣に住んでいる」彼ら彼女らを知って性的小少数者への誤認を正していたことを示しています。岸田さんは「社会の雰囲気」などという曖昧なものではなく、公的調査を実施し、性的少数者への実態を政策の根拠とすべきです。
(ジャーナリスト)
セックスのバケモノ
北丸雄二
「差別は許されない」という、ほぼすべての人が賛同するような文言が自民党保守派には気に食わない。理由は、自分では差別だと思わない行為が差別だと訴えられる恐れがあるからです。つまり性的少数者、ここではきっと男性同性愛者が念頭にあるのでしょうが、彼らを「気持ち悪い」「見るのも嫌だ」と言うことが差別でないと断罪しました。言わんこっちゃない、「恐れ」いたことが起っちゃったわけです。
なぜ差別でないと思うのか。「だってホモって男の尻を追いかえ回す連中だろう? キモいだろう!」という描かれ方をしてきたせいです。「四六時中セックスのことしか考えていないバケモノ」だから「嫌だ」。でも「ホモ、おかま」らは呼び方を「ゲイ」と変えた。「セックスだけの存在であるわけがない」という人権宣言です。人権先進国は50年かけて間違っていた同性愛者への認識を正してきました。セックスしか頭になかったのは、そう考えて差別する荒井氏らの考え方でした。
今回の炎上は世間がすでに「隣に住んでいる」彼ら彼女らを知って性的小少数者への誤認を正していたことを示しています。岸田さんは「社会の雰囲気」などという曖昧なものではなく、公的調査を実施し、性的少数者への実態を政策の根拠とすべきです。
(ジャーナリスト)