今日の東京新聞は、税の専門家である三木義一さんです。「インボイスと軽減税率」と題して、例によって「八っあんとご隠居」の対話形式で書いています。昨日と合わせて読むと、もっと理解が深まるのではないかと思い、紹介します。
インボイスと軽減税率
三木義一
「八っあんも免税業者だったの」
「てへ、働けど我が暮らし楽にならない零細業者でございます」
「だが、わしの頼んだ仕事で代金1万円に消費税千円つかておったぞ」
「ご隠居、堅いこと言っちぃけねえ」
「別に怒っておらん。というのは、わしの仕事の消費税額からお前さんに払った千円は帳簿につけておけばひけるからじゃ。これが日本独特の帳簿方式じゃ」
「てえと、あっしは千円国に納めていないのに、ご隠居はその分ひけっちゃうってことだ」
「そう、だから、免税業者も取引から排除されずにすんだんだが、国からすると大問題だったんだ。これが変わるぞ」
「どう変わるんで?」
「お前さんとは取引できなくなる。だって免税業者でインボイスがないから、控除できる税額がない取引になる」
「ひえ~どうしよう」
「課税業者になるしかない。インボイスを交付できるようになる。だが千円の消費税も負担することになるの~」
「じゃあ、あっしの手取りは減っちゃう。何でそんなことに?」
「軽減税率を導入したからじゃ。単一税率なら今までの方式でも可能だが、複数税率じゃ無理、というのが口実じゃ」
「軽減税率で負担軽減と思いきや、零細業者の手取り額も軽減とは、これはまさしく隠謀ィ!」
(青学大名誉教授)
インボイスと軽減税率
三木義一
「八っあんも免税業者だったの」
「てへ、働けど我が暮らし楽にならない零細業者でございます」
「だが、わしの頼んだ仕事で代金1万円に消費税千円つかておったぞ」
「ご隠居、堅いこと言っちぃけねえ」
「別に怒っておらん。というのは、わしの仕事の消費税額からお前さんに払った千円は帳簿につけておけばひけるからじゃ。これが日本独特の帳簿方式じゃ」
「てえと、あっしは千円国に納めていないのに、ご隠居はその分ひけっちゃうってことだ」
「そう、だから、免税業者も取引から排除されずにすんだんだが、国からすると大問題だったんだ。これが変わるぞ」
「どう変わるんで?」
「お前さんとは取引できなくなる。だって免税業者でインボイスがないから、控除できる税額がない取引になる」
「ひえ~どうしよう」
「課税業者になるしかない。インボイスを交付できるようになる。だが千円の消費税も負担することになるの~」
「じゃあ、あっしの手取りは減っちゃう。何でそんなことに?」
「軽減税率を導入したからじゃ。単一税率なら今までの方式でも可能だが、複数税率じゃ無理、というのが口実じゃ」
「軽減税率で負担軽減と思いきや、零細業者の手取り額も軽減とは、これはまさしく隠謀ィ!」
(青学大名誉教授)