最適化問題に対する超高速&安定計算

大規模最適化問題、グラフ探索、機械学習やデジタルツインなどの研究のお話が中心

2011年度第2回 SCOPE講演会:再掲載

2011年12月13日 09時49分27秒 | Weblog
今週の土曜日開催なので、再掲載します。JORSJ の SCOPE 特集号(Vol.54, No.4)の刊行を記念しまして、以下の特集号論文による講演会を開催したいと思います。年末のお忙しい時期ではございますが、是非ご参集下さい。夜には懇親会も予定しています。

○2011年度 第2回 SCOPE 講演会

日 時 : 2011年12月17日(土)14:00~17:00
会 場 : 中央大学 後楽園キャンパス 6号館 6410号室

講演1 14:00 ~
講演者 : 高野 祐一(東京工業大学 大学院 社会理工学研究科 経営工学専攻)
題目 : A Nonlinear Control Policy Using Kernel Method for Dynamic Asset Allocation
(動的資産配分のためのカーネル法を利用した非線形制御ポリシー)
概要: 本発表では, 非線形制御ポリシーを用いて多期間にわたる動的な資産配分を決定する最適化問題を定式化し, 問題求解のための計算手法を提案する. ここで, 制御ポリシーとは投資対象資産の過去の収益の関数である.カーネル法を利用することで, 非線形関数の中から最適な制御ポリシーを選択する問題は凸2次最適化問題として定式化される. さらに, L1-ノルムを用いた正則化を利用することで問題を線形最適化問題に帰着する. 計算実験では, 投資対象資産の収益率のシナリオを1期間自己回帰モデルによって生成し,先行研究の手法と比較して我々の提案する投資戦略は良好な運用成績を得られることを示す.


講演1 15:30 ~
講演者 : 田中 勇真(名古屋大学大学院 情報科学研究科 計算機数理科学専攻)
題目 : Lagrangian-based column generation for the node capacitated in-tree packing problem
(頂点容量付き有向全域木パッキング問題に対するラグランジュ緩和に基づく列生成法)
概要:本論文では, 頂点容量制約付き有向全域木パッキング問題を扱う. この問題は入力として, 有向グラフ,ルート頂点, 頂点容量, 辺の始点側と終点側それぞれに消費量が与えられる. 目的はルート頂点に流入する有向全域木のパッキング回数を最大化することである.ただし, 有向全域木の各頂点に対する消費量の合計は, 与えられた頂点容量を超えてはいけない. この問題はNP 困難である.
 以前, 我々はこの問題に対して2段階の発見的解法を提案した. このアルゴリズムは, 1段階目に木の候補を生成し, 2段階目に生成したそれぞれの木のパッキング回数を決定する. 本論文では, ラグランジュ緩和を用いることで1段階目を改善した. 計算実験により, 提案アルゴリズムは以前のアルゴリズムより速く木を生成でき, 少ない木の候補でもよい解を得ることを確認した.
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