最適化問題に対する超高速&安定計算

大規模最適化問題、グラフ探索、機械学習やデジタルツインなどの研究のお話が中心

第2回研究会のお知らせ 更新 6月26日

2009年06月30日 22時25分11秒 | Weblog
第2回研究会のお知らせです。場所は前回と同じになります。

日 時 : 2009年7月25日(土)14:00~
会 場 : 中央大学 後楽園キャンパス 6号館4階 6402号室

講演者
1: 山田雄二氏 (筑波大学)

平滑化スプライン最適化による最適ヘッジ問題

最適ヘッジ問題とは,投資家がある資産を売買することによって生じる損失を,別の資産から構成されるポートフォリオによって補てんする際の,最適な資産保有単位を求める問題であり,最も簡単なケースでは,線形回帰問題(もしくは通常の最小二乗問題)に帰着して解くことができる.ところが,より一般的にデリバティブ契約などを用いれば,非線形の支払い構造をもつポートフォリオを定義することができるのであるが,この際,どのような最適化問題を解けばいいかが問題となる.本研究では,平滑化スプライン最適化として知られる一般化加法モデルを適用することにより,最適ヘッジを達成する非線形ポートフォリオの構築を試みる.また,事例として,風力発電取引に適用する際のヘッジ効果や流動性の低い資産を株式などの流動性の高い資産でヘッジする問題について紹介する.


2: 中田真秀氏(理化学研究所)

第一部 : 量子化学からでてくる半正定値計画と多倍長計算

量子化学は半正定値計画をもって定式化でき、従来の方法より変数の数を劇的に減らすことが可能となる。このことは古くから知られていたが、半正定値計画ソルバーの発達をもって初めて、物理的に意味のある、正確な結果を知ることができた(J.Chem.Phys. 114,8282(2001))。
この研究には二つの方向があり、一つは、N-representability条件をどう近似するかというとと、もう一つは巨大な半正定値計画を数値的に正確に解くこと、である。さらに、半正定値計画の精度の必要性より多倍長精度版の半正定値計画法および多倍長精度版のBLAS/LAPACKも開発、もしくは開発中である。

第二部 : オープンソースコミュニティでのソフトウェア開発とコミュニティマネジメントについて
OpenOffice.org/FreeBSD.orgへの参加を通して

現在のあらゆるコンピュータ環境に、もはやフリーソフトウェア(オープンソースソフトウェア)は必須である。フリーソフトウェア(オープンソースソフトウェア)は大抵無料で入手できるため、開発者などに開発費が支払われることはほとんどない。OpenOffice.orgおよびFreeBSD.orgでの開発およびコミュニティマネジメントを通して、どうしたら参加できるか、我々は何を求めているか、どうしたら存続、維持できるかなどについて話をする。
コメント
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