最適化問題に対する超高速&安定計算

大規模最適化問題、グラフ探索、機械学習やデジタルツインなどの研究のお話が中心

PPE がボトルネック

2007年06月10日 03時40分09秒 | Weblog
HPC 研究会で Cell 関係の発表を聞いていてわかったことだが、Cell は SPE 上でストリーミングデータなどを SIMD 演算を用いれば相当高速に処理することができる。しかし PPE の方は PowerPC G5 の互換とは言っても実際には Pentium 4 3.2GHz あたりにも性能面では数割劣るので、PPE の処理の割合が増えるほど Cell 上での計算の優位性が失われていく。つまり SPE による並列化 & SIMD 演算の部分がいくら速くても、PPE で処理する部分が足を引っ張って、結局総実行時間では Intel の x86 系の CPU に負けてしまうという事態になってしまう。
さらに Cell は倍精度演算が遅いので、Cell (3.2GHz, 8SPE + SIMD)と Intel QX6800(2.93GHz, 4コア + SSE4) で勝負した場合には、倍精度演算の場合には Cell の方が速いのかは怪しいところだ。Cell も新製品等で対抗しないと、特に HPC の分野では興味が失われていくことになろう。
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