20190914今日の一手
4月7日の名南将棋大会から、Nさんと私の対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
金と飛桂(歩歩)の交換で先手の駒得ですが、終盤なので重視しません。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は45桂と持ち駒飛角桂で4枚。
後手の攻め駒は68馬と持ち駒金銀で3枚。
総合すれば先手有利でしょうか?(一昨日と似た評価です。)
何手で詰めろになるか数えると、後手玉は24歩では詰めろではなく(持ち駒が1枚足りません)、もう1手かけて詰めろも見当たらず。62飛~41角の詰めろがあるので一応3手すきです。
先手玉は78金98玉79馬で詰めろ。現状は2手すきです。
先手番でも1手負けですね。後手有利です。
☆ 大局観として
9/10の問題と違って寄せ合いは先手負けです。62飛~41角もまだまだ受けが利くので2手は負けている感じです。実は好手があって寄せ合い勝ちに持ち込めそうなのですが。
普通は受ける手を中心に考えねばなりません。先手玉に詰めろがかかりにくくするのです。入玉が見えてくれば良いですね。
☆ 簡単なまとめ
31角を打って
両取りで馬を抜くのがわかりやすいです。12玉62飛も先手勝ちのようです。
× 一昨日は24歩で勝ちでしたが
78金98玉79馬
先手玉は必死です。後手玉は持ち駒金(あるいは銀でも)がないので詰みません。後手の勝ちです。
○ 31角が好手です。
31同玉(あるいは同金でも)61飛22玉68飛成
こうなると先手の駒得が大きくて優勢です。
後手は31角を取れず、23玉24歩もまずいですから単に12玉、62飛を打てば
詰めろ馬取りです。寄せ合いの速度が逆転しました。78金98玉42歩
角取りが残ってまずいようですが、68飛成で1手稼げます。68同金24歩78飛88桂22歩27飛
後手玉は31金とされても23角13玉15歩で必至です。先手玉には79銀の詰めろは97銀で後続無し。79飛成は78金を見た2手すきですが41角
22角成からの詰めろです。先手の1手勝ちになりました。
× 受ける手を見てみます。77銀と引けば馬取りで強い受けです。
78金97玉77金86玉74銀
77桂85銀打97玉77馬
一昨日の問題を思い出してもらえれば良いのですが、この図で24歩が入っていれば先手の勝ち(先手玉後手玉とも詰めろ)でした。つまり手順として1手パスなので負けなのです。
× 実戦は77角と打ちました。
銀を引いて済ませるよりは、持ち駒を打つ方が手堅い受けです。後手としては69馬24歩78銀
というのが必至の手筋です。44角同金23銀同金同歩成同玉24歩同玉29飛
先手としては王手で馬を取ってしのぐのですが、25歩69飛同銀不成38飛78金
後手玉が詰みにくいので強引に攻められて負けそうです。
69馬には24歩ではなく39飛
とするのですが、これでも後手玉が堅いので後手有利だと思います。
実戦は78金でした。
97玉に79馬88桂89馬とされていたら
上部脱出のために85銀とすると77角を取られます。王手飛車の筋もあるので後手有利でした。
実戦では97玉に77金
77同銀85桂86玉77桂成同桂74銀
と進んで、9/10の問題でした。これはちゃんと指せば先手勝ちです。
○ 77角は失敗で、66角が正しい受けでした。
馬取りにしないほうが良かったのです。78金97玉79馬88桂89馬85銀
今度は角を取られずに入玉をねらえます。
× 78飛も馬取りの受けです。
78同馬同玉88歩
というのを見つけられると後手有利です。次の89歩成は詰めろではないけれど、飛を失ったので後手玉への詰めろがよりかかりにくくなっています。88同玉68飛というのは一手一手で詰めろに近い手が続きます。
× 38飛も馬取りの受けですが
78金98玉79馬
78飛しかなくて78同馬88金同馬(68飛もある)同玉68飛
78桂67銀というのは負け筋です。
△ 77飛のほうが粘りがあります。
67銀97玉88歩66金
(78銀成も有力)89歩成67金99と85銀
これはなんとか入玉できそうです。
× 39飛は
馬取りではない受けですが、78金97玉79馬を取ることができます。後手は79馬ではなく88歩62飛
89歩成に同飛しかないので後手が勝ちそうです。62飛を打っても後手玉はまだまだ寄らないのです。
× 後は玉の早逃げです。97玉は
78金88桂79銀66角
88銀不成同角同金31銀13玉
88金を取っても79角98玉78馬です。王手で馬を取る筋が利かないので後手の勝ちです。
× 98玉は
78金に38飛
79馬78飛同馬88金同馬同玉68飛
やはり後手玉が堅いということが大きくて、次第に受けが無くなっていきます。
☆ まとめ
31角として王手で馬を抜く筋がありました。12玉62飛
後手玉が詰めろになっていますから、寄せ合いの速度が逆転しています。分類としては攻防の手の親戚なのでしょう。
また、受けとしては馬取りになる強い受けは失敗で、66角が良い受けになりました。
「大駒は離して打て」というわけですが、馬取りではないのでついつい見逃してしまうでしょう。
他にも77飛も有力でしたし、この問題では攻防の手と強くない受けが正解になりました。9/10の問題とは逆の結果です。後手の攻め駒は3枚だけなので、駒損しない受けのほうが良いようです。
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