先手番加藤先生の手を考えます。
第1問
俗手ですがこれで有利です。
A 34香 B 44歩 C 55歩
第2問
明快な駒得をねらいます。
A 43歩成 B 32竜 C 21竜
第3問
角を切ったところです。
A 21竜 B 62銀 C 71飛成
先手番加藤先生の手を考えます。
第1問
俗手ですがこれで有利です。
A 34香 B 44歩 C 55歩
第2問
明快な駒得をねらいます。
A 43歩成 B 32竜 C 21竜
第3問
角を切ったところです。
A 21竜 B 62銀 C 71飛成
今日の棋譜20190527
昭和42年1月、加藤一二三先生と第16期王将戦第1局です。
大山先生の中飛車が続きます。加藤先生は急戦で
この頃はまだ加藤流の袖飛車はなかったのだと思いますが、右銀を57へ。
大山先生の53銀型を見て右桂を使います。
6筋で銀がにらみ合い
しばらくは駒組です。大山先生は中央が薄いので73銀引ではなくて桂を跳ね
銀冠にしようというところで加藤先生が仕掛けました。
大山先生は飛交換は角で避けて
追われたら26へ出て
端を攻めました。
加藤先生は飛を2筋へ
これなら手を作れそうな形です。
角筋を止める35歩、16歩の取り込みには15歩、というのは14歩では23歩を危ないと見たのでしょう。
右桂を跳ねて
飛を歩の裏にまわり
香を取れるので指しやすくなりました。
大山先生は歩を垂らし
と金を作るのですが、加藤先生は香を垂らし
成香を寄せて行きます。
飛を詰まして優勢です。
大山先生は駒損がひどいですが、と金だけで勝負に行きます。
ひたすらに と金つくり。
加藤先生は端角から64の銀を取り
打ち込みます。
角を取って、筋は35角ですね。この金取りを受けられないから61金53角成。もっと欲張って71同飛成同玉35角のほうが良さそうです。
加藤先生がこういう手を見えないわけはないと思うのですが、いつものように序盤で長考していて1分将棋だったのでしょうか。安全策で21桂を取ると長くなります。
それでも と金つくりをねらえば優勢に違いはないです。
大山先生はと金を捨てて
37歩成は形つくりの気分でしょう。加藤先生としては37同銀同と同金と清算するのが安全策、43歩成の寄せ合いでも勝てそうです。
と金を残して金を逃げたので、43歩成を防がれて怪しくなってきました。玉頭に手が付き
たたかれ
左右挟撃になってきます。
と金で銀金をはがされることになり
85桂を払えばまだまだ良さそうですが
銀をぶつけられて
銀を取られ、75同歩86銀は詰めろ。87銀と受けて85銀打で千日手か?と怪しくなりました。
87香が攻防で勝ちだと思ったのでしょう。でも銀を打たれて失敗です。86同香同銀は香を渡しているので77香から詰んでしまいます。
大山先生は銀を捨てて
87銀成で勝ちになりました。後手玉は詰まないのでこれまで。
加藤先生優勢が長かったのですが、速く寄せる順を逃し、と金を使われて怪しくしてしまいました。残念としか言いようがありません。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.41 棋譜ファイル ----
開始日時:1967/01/16
手合割:平手
先手:加藤一二三8段
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 2五歩(26)
6 3三角(22)
7 4八銀(39)
8 4二銀(31)
9 5六歩(57)
10 5四歩(53)
11 6八玉(59)
12 5二飛(82)
13 7八玉(68)
14 6二玉(51)
15 5八金(49)
16 7二玉(62)
17 9六歩(97)
18 9四歩(93)
19 3六歩(37)
20 8二玉(72)
21 6八銀(79)
22 7二銀(71)
23 4六歩(47)
24 3二金(41)
25 5七銀(48)
26 5三銀(42)
27 3七桂(29)
28 4二飛(52)
29 6六銀(57)
30 6四銀(53)
31 1六歩(17)
32 1四歩(13)
33 5七銀(68)
34 1三香(11)
35 6八金(69)
36 4一飛(42)
37 4八飛(28)
38 3一金(32)
39 7七角(88)
40 7四歩(73)
41 4九飛(48)
42 8四歩(83)
43 8八角(77)
44 7三桂(81)
45 1八香(19)
46 8三銀(72)
47 4五歩(46)
48 同 歩(44)
49 同 飛(49)
50 4四角(33)
51 4八飛(45)
52 7二金(61)
53 4五歩打
54 2六角(44)
55 4六銀(57)
56 1五歩(14)
57 2四歩(25)
58 同 歩(23)
59 2八飛(48)
60 7一角(26)
61 2四飛(28)
62 3二金(31)
63 3五歩(36)
64 1六歩(15)
65 1五歩打
66 3五歩(34)
67 2五桂(37)
68 3六歩(35)
69 3四飛(24)
70 4二金(32)
71 1四歩(15)
72 同 香(13)
73 同 飛(34)
74 2六歩打
75 1二飛成(14)
76 2七歩成(26)
77 3四香打
78 5三金(42)
79 3二香成(34)
80 6一飛(41)
81 4二成香(32)
82 3七歩成(36)
83 4四歩(45)
84 6二飛(61)
85 4三歩成(44)
86 同 金(53)
87 5二成香(42)
88 同 飛(62)
89 同 龍(12)
90 5三金(43)
91 3二龍(52)
92 3六歩打
93 6一飛打
94 4七歩打
95 9七角(88)
96 4八歩成(47)
97 6四角(97)
98 同 歩(63)
99 6二銀打
100 5二角打
101 7一銀(62)
102 同 金(72)
103 2一飛成(61)
104 5八と(48)
105 同 金(68)
106 6二金打
107 3三桂成(25)
108 4一歩打
109 4五桂打
110 6三金(53)
111 4四歩打
112 6五歩(64)
113 7七銀(66)
114 8五桂(73)
115 8六銀(77)
116 4七と(37)
117 同 金(58)
118 3七歩成(36)
119 5七金(47)
120 3一歩打
121 1二龍(32)
122 4二香打
123 同 成桂(33)
124 同 歩(41)
125 3一龍(21)
126 7五歩(74)
127 2一龍(12)
128 6一角(52)
129 7五銀(86)
130 7七歩打
131 同 桂(89)
132 同 桂成(85)
133 同 玉(78)
134 8五桂打
135 6八玉(77)
136 3四桂打
137 6九桂打
138 3六と(37)
139 8六歩(87)
140 4六と(36)
141 同 金(57)
142 同 桂(34)
143 8五歩(86)
144 5九銀打
145 7八玉(68)
146 7四銀(83)
147 8四歩(85)
148 7五銀(74)
149 8七香打
150 8六銀打
151 7五歩(76)
152 8九銀打
153 同 玉(78)
154 8七銀成(86)
155 8三銀打
156 9三玉(82)
157 投了
まで156手で後手の勝ち
20190527今日の一手
4月20日の名南将棋大会から、NさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
先手の2歩得で馬を作られています。この評価は難しいところですが、歩得のほうが大きいようです。
玉の堅さは上部からの攻めならば後手のほうが堅いですが、横からの攻めならば先手のほうが堅い(というか広いというか遠い)です。
先手の攻め駒は25桂は入れても良いでしょう。37角と合わせて2枚です。29飛も加わりやすい形です。
後手の攻め駒は57馬1枚。
総合すれば先手有利です。
☆ 大局観として
歩損で馬を作ったらどうかというのは互角に近い取引だと思われるのですが、経験から歩得のほうが大きいとわかってきました。持ち歩があれば話は別です。
後手が無理な動きをしてきたのですから、それをとがめて有利を広げたいのです。
後手には歩を渡したくない、渡す時には別の利益が欲しい。
馬を消せれば歩得で駒得が広がる。
後手の壁銀をとがめたい。つまり横から攻めるのが理想。
この3つを考えておきたいです。
× 76歩など何か待っていると35馬
歩を取られることになりますから、駒損になりそうです。この局面で不利だというわけではないですが、チャンスを逃している感じです。
○ 46角とぶつけるのが
一番働いた手です。う角の利きが右辺にも広がります。46同馬同銀となれば
2歩得ではっきり駒得だというのがわかりますね。82角の打ち込みもあります。81飛とされても72歩
72同銀には74歩、放置すれば71歩成同飛82角です。後手も何か動いてくるのでしょうが先手ペースです。
怖いのは47馬です。
これを恐れなければいけないかどうかというのが問題図で考えておくべきところです。46角以外の待ち方をした時にもつきまといます。
47同金38銀が両取りで、82角
61飛28飛47銀成73角行成
金銀と角桂歩歩の交換で馬成銀の作り合い、先手が少し駒得ですし、攻める手にも困りません。後手から攻める手がありませんから先手優勢です。(72金91角成73金同馬を恐れることはないです。もし怖ければ82角の前に74歩同銀を入れておきます。)
飛車を取らせたとしても(73角引成29銀成)
83馬81飛82角成同飛同馬
と進行したとして、後手の壁銀がひどいですね。先手優勢です。
残りの応手は75馬とか
84馬とかですが、76歩74馬に15歩同歩13歩
端を攻めます。13同桂には33桂成から14歩があります。13同香に33歩成でも良いですが、急ぐ必要もないので12歩を打ち
11歩成同銀13桂不成をねらうのも良いでしょう。
× 46銀では56馬
というのが嫌な形です。歩も渡しましたし。
△ 利かしとしては15歩とか
△ 72歩とか
△ 74歩とか
△ 44歩とか
なんですが、歩を渡すのでその先の見通しがない時は指してはいけません。
△か○ 55角は
歩を渡さない利かしです。54銀46角75馬36銀74馬47金
金銀が前に出たのを良いと思えば。
55角にも35馬がありますが
33歩成同桂同桂成同銀46銀
24馬ならば同飛同歩34歩
当面は飛を渡しても怖くはないので、11角成を実現させる方が大きいです。
△ 実戦は33歩成でした。
これは歩を渡すので駒得を放棄することになります。33同桂同桂成同銀で壁銀を解消させるというのも損です。しかし83桂と打って
桂か香を取れます。72飛91桂成で互角くらい。47馬同金38銀
を決行されました。79飛と逃げたのが敗着でしょう。47銀成83角
後手は壁銀ではないので72飛を取ってもたいしたことはないです。37成銀で駒損がひどすぎます。
「両取り逃げるべからず」で81角
としておけば、29銀成には72角成同銀71飛
22玉と逃げられても銀を取れます。61角は73角成がありますから、先手優勢でした。この両取りの筋は怖くはないというのがわかります。(38に打たれるのが角であれば嫌なのですが。)
☆ まとめ
問題図で先手の駒得だと評価できるかで先の見通しが変わります。ここ10年くらいのところではないかと思うのですが、馬よりも歩得のほうが大きいとわかってきました。(持ち歩の有無が関わってきますが。)
大山先生の棋譜を毎日並べていますが、大山先生は馬を作るのが好きでも歩損を気にしていないことが多いです。どこか(10年くらい前か)で私たちの評価が変わったというか、事実に気が付いたのでしょう。
問題図は後手のJさんが2歩損でも馬を作った局面なのですが、仕掛けの失敗に気が付いていたかどうか。その後で馬を切って金銀を取るというのは少し得ですが、取るのに使った銀が遊んでしまうときは失敗になることが多いです。二枚持っている方が得なのですが、角角VS金金銀銀の働きの差があります。長期的には金銀4枚のほうが良くても、瞬間は角角のほうが使いやすいということがあります。
問題図では駒得ですから、駒得を生かす指し方に気が向けばよかったのです。
また、飛金の両取りをかけられたところで、先に駒をもらっているから飛車を渡しても良いのではないか?と考えてみるべきでした。