名南将棋大会ブログ 名古屋

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20150701今日の一手<その71> 踏み込む感覚

2015-07-01 | 今日の一手
20150701今日の一手

13日の名南将棋大会からAさんとYさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

















昨日の一手の回答
問題図の前はこの局面です。

実戦は42金とかわし、先手の47金からすこし落ち着いたのですが、42金には31歩成同銀77角ですね。


41香と打ったのが手筋のような悪手で、32から打てばよかったのですが。

この図は少し後手もちです。

32歩のあと、42金ではなく、42飛ならどうか、というのが問題図です。

☆ 形勢判断をします。
駒の損得は、先手が桂歩歩と銀の交換です。両者持ち歩がありますし、少し先手が損と考えます。
玉の堅さは同程度。後手陣で駒がぶつかっていますしこれからの数手で変わります。
先手の攻め駒は82竜26香と持ち駒角桂で4枚。
後手の攻め駒は42飛と持ち駒角金銀で4枚。
守りのことを考えなければ両者攻撃力は十分です。


× 71竜とかわしておくのは一応ありますが

32飛37歩に55銀で

後手の調子がいいですね。せっかくの32歩を取られて後手を引くのではだめです。


△ となれば2択です。飛車を取るか金を取るか。42同竜から。

42同金で手順に金をかわすのが後手の注文でした。31歩成同銀23香成です。

32銀12成香同玉24桂と穴熊から引っ張り出します。

でも寄せまではいかなくて、32桂成同金37香33歩38銀と陣形整備です。

38銀では61飛と指したいのですが、26歩同歩27歩から72角という王手飛車の筋がありますから、これくらい。
この図は駒損を解消して先手玉を固めたものの、先手の攻撃力が低下しました。後手陣は弱体化したものの、先手の持ち駒飛角だけでは今のところは心配なし。後手は持ち駒5枚ですから少し後手が有利です。以下は55銀と使えばよさそうです。


○ 最後は31歩成です。

82飛に83歩62飛を利かせてから32角。

31銀41角成に79飛は踏み込み過ぎで、31馬が詰めろです。


なので79飛ではなく、22銀打。

23香成同銀同馬22香41馬

32金と打つくらいですから、37香33歩を決めてから43桂とはがしに行きます。

これで少し先手有利です。

*見直したら54角があります。38銀と先受けするのが正しいです。受けておけば63金も残ります。

31歩成の後、いろいろ考えたのですが、36桂の傷があって、桂馬を渡しにくく、少し妥協した手順になりました。パッと見は後手陣は寄りなのですが、うまくいきませんでした。難しい。


という変化を考えるのは難しいです。実戦で全部考えて答えを出すなんて思わないほうがいいです。けれど、局後の検討として、突っ込んだ変化まで考えてみるのは無駄ではありません。考える訓練になります。



読むのが苦手な私としては、①振り飛車で最初の32歩が見えるか。②居飛車で、考えていない32歩をみて動揺しても42飛と返せるかどうか、③振り飛車で71竜とかわすのは気合が悪い。42同竜は悪手ではないけれど流れが悪い。31歩成と踏み込んで、桂馬を渡さない寄せが見つかるか。というようなことをイメージして、その時に感じたものと食い違っていたら感覚を修正するわけです。
テクニック(知識)はこういう実戦からも学びます。テクニックを蓄積させるとスピード(直感)が速くなります。
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必殺!!カニカニ銀

2015-07-01 | 将棋本 断捨離
必殺!カニカニ銀―究極の二枚銀戦法

今日の一手で局面を紹介しました。1992年の本です。
矢倉模様から2枚の銀を繰り出して攻めるのがカニのハサミのようだというのでカニカニ銀。昔の戦法はいい名前が付いています。

指しこなすには初段では難しいです。もちろんお互いに弱ければいい勝負ですが、有段者に対してうまく指しこなすには読みの力を要求されます。読まないでも気持ちよく指せるようになるには何十番か指してみないと感覚がつかみにくい戦法です。その分相手も経験が少なく、受ける感覚も難しいでしょうから、マスターすれば使えるとは思います。

欲しい方は名南将棋大会へ。格安で譲ります。
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