名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

下町流三間飛車 居飛穴攻略の新研究

2015-07-24 | 将棋本 断捨離
下町流三間飛車―居飛穴攻略の新研究 (振り飛車の真髄)
小倉先生の本です。2006年出版。

コーヤン流だけでなく、ほかの三間飛車での居飛穴対策があります。
玉頭銀
石田流本組
78金型の石田流
相穴熊
といろいろ解説。実戦解説が6局。三間飛車を指す方には良い本です。
残念ながら穴熊も三間飛車も苦手な私としては使いこなせませんでした。
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20150724今日の一手<その94>飛車交換の部分定跡

2015-07-24 | 今日の一手
20150724今日の一手

11日の名南将棋大会からWさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。















昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは先手のほうが上です。
後手陣先手陣に届いている攻め駒を数えます。
先手の攻め駒は98飛95香で2枚。
後手の攻め駒は84飛91香で2枚(82飛は微妙ですが)。73桂54銀22角を使えれば攻め駒が増えます。

総合すれば互角に近いけれど先手のほうが指しやすいかもという局面です。

先手から見れば、互角以上の駒交換でサバきたいところです。

ところで、この97香の形の振り飛車から95歩同歩98飛というのは皆さんの常識になっていますか?
子供のころ大内先生の入門書か実戦集で見たと思うのですが、いまでは見かけることがありません。居飛車が73桂とはねての持久戦を指さなくなったのが原因か、この攻め筋が知られてしまったのが原因で73桂からの持久戦が消えたのか、どちらかなのでしょう。
ですから、若い方は知らないかもしれません。

この将棋は先手の向い飛車で始まり、飛車交換の筋を見られて73桂の形になり、58金左と普通の形に落ち着いたので中央位取り、という流れです。先手のAさんは居飛車党のはずですが、振り飛車党のOさんだからと向い飛車を研究していたのでしょうか。

少し前はこの形。95歩同歩98飛(88から)が手順で

86歩同歩84飛

というのが部分的な定跡です。このあとは後で変化手順で出てきます。81桂の形なら93歩か92歩で受かることに注意しておきます。
実戦は84飛と浮いてから86歩なので手順前後です。


× 実戦は86同角でした。

95香に同飛は94香で飛車が死ぬので、95同角。87飛成に97飛とぶつけました。

ここで85竜が悪手。87香があります。

96歩からの飛車交換では後手を引くので73角成で悪い。ですから95竜同香で、2枚飛車に攻められて後手が苦戦しました。

もどって、83竜が最善。

84歩93竜59角96歩87飛85歩と局面を落ち着かせます。

これで後手だけ竜を作っているので有利です。

もう少し戻って、先手は95香に同香ではなく96歩と我慢したらどうでしょうか。

仕掛けたのに謝るのでは面白くはないのですが。
これには65歩同歩66歩同銀56歩が感触のいい攻めです。

この銀取りは飛車で受けるしかありません。68飛に86飛同歩79角

5筋で歩がぶつかっていますが、これは取ってもらった方が後手だけ51歩の余地ができます。
67飛では66角同飛57歩成ですから69飛打68角成同飛96香で

後手が香得、攻め筋もあるので優勢です。

86同角は振り飛車が悪い、というのも昔の本には書いてありました。


△ 手順前後は許すのですが、本に載っているのは86同歩です。

95香同飛94香に85飛で切り返し。

85同桂同歩95香84歩までは一本道。

後手は多分98香成でしょう。
ここでの形勢判断は、駒の損得なしですが89桂だけ取られそう。先手玉が堅く、攻撃力は互角です。形勢は互角に近いです。

この97香からの端攻め飛車交換の部分定跡は、玉の堅さがものを言います。本問くらいの差では好んで選ぶかは考えどころ。もう少し堅さに差があれば振り飛車優勢ですが。


○ 最後は手順前後をとがめる91香成です。

87歩成には93飛成で返します。

飛車を逃げては角に逃げられて香損ですから、77と84竜67と同金。

この局面、先手が角銀と飛香の交換で少し駒損です。さらに後手玉のほうが堅いのですが、先手の方が攻撃力があります。後手は73桂を助けづらく、84竜と持ち駒飛香プラス73の桂馬あるいは91成香も使えそうです。後手から攻める方法が見えません。
よって先手有利です。


さて、これでこの飛車交換の部分定跡を理解していただけたでしょうか。
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